フレーム・完成車

KLEINの美しい自転車たちを振り返る【何故消えた?】

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むかしむかしKLEIN(クライン)というアメリカのバイクブランドがありました。1970年代にMIT(マサチューセッツ工科大学)の学生だったゲイリー・クラインが創業。1980年代に多くの名車を生み出し、1995年にTREKに買収されて以降はすっかり元気がなくなり、2007年には米国での販売がほぼ終了し、日本でも2009年以降は姿を消したメーカーであり、ブランドです。

下はそのKLEINの中でも代表的なクロスカントリーMTBモデル、”Attitude”(アティテュード)です。これは1990年から2008年まで続いたロングセラーモデルです。クラインにはカーボンのモデルもありましたが、主流はやはりアルミフレームで、なおかつ美しすぎる塗装が当時のサイクリストの憧れの的でした。

私が自転車に乗りはじめた頃、クラインは既に風前の灯状態だったと思いますが、下のオレンジ色のクラインはいつか欲しいなと思っていました(画像はAdroitというモデル)。グラデーションのかかったペイントがとにかく綺麗。でも当時はお金がなくて結局Specializedのエントリーモデルを買った記憶があります。

MTBと言えばクラインのMANTRA(画像下)というモデルも有名です。これは個人的にほしいと思ったことはないのですが、極太のトップチューブがなんとも印象的です。米軍が採用していたMontague Paratrooperに非常に良く似ています。このタイプのMTBはむかしMongooseなどの他のメーカーからも出ていたように思います(そういえばMongooseもすっかり見なくなりましたね…)。

KLEINには勿論ロードバイクもあります。代表的なモデルはやはりこのQuantumでしょう。1989年から2002年まで販売されたロングセラーです。MTBのアティテュード、ロードのクオンタム。独自規格のパーツでも話題になったりしましたが、やっぱりこの美しすぎる塗装が記憶に残っています。ANCHORのマジョーラカラーにも似ていますよね。

Quantumの写真をもう1枚。最近見なくなったスピナジーのバトンホイールをはかせています。これが憧れの組み合わせだった時代がありました。スピナジーも最近あまり話題にのぼらないですよね。栄華盛衰。

こちらはカーボンフレームのQ-Proです。2002年から2006年まで販売されました。

その後クラインがどうなったかというと、1995年のTREKによる買収以後は徐々にフェードアウトしていって、気がつくとブランドが自然消滅した感じです。ただ現在でもTREKがクラインブランドを保持していて、ブラウザでkleinbikes.comにアクセスするとTREKのウェブサイトに転送されます。

クラインと言えば、むかしキャノンデールが「貧乏人のクライン」と呼ばれていたりしました(個人的にはこの「貧乏人の〜」という言い回しは好きではないのですが)。

クラインもキャノンデールも最初はとにかくアルミフレームで頭角を現したメーカーで、中でもクラインの塗装の美しさが抜きん出ていたのでそういう言い方をされました。

しかし、結局生き残ったのはキャノンデール。

そのキャノンデールもモーターサイクル事業に手を出して一度ほぼ倒産してそのあと別の会社に買われたのですが、クラインとキャノンデールの明暗を分けたものは何だったのだろう、と思います。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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