FFWDがロードホイールRYOT55を発表しました。同社は「市場で手に入るものとして最速のホイール」と謳っていますが、果たしてその実力はどんなものでしょうか。
公式 RYOT 55 | FFWD
出典 FFWD launches “fastest road wheel out there”
Bikeradarによる紹介記事を要約してみます。
- RYOT55は55mmディープ・31mmワイドのカーボンリムでFFWDのLAW(Laminar Airflow Wing)Techをベースにしている
- このホイールはF6D(60mmディープ・27mmワイド内径19mmリム)に比べて平均で5ワット空力効率が良く、Zipp 404 FirecrestチューブレスやRoval CL50等の主要な競合製品より1.5〜2.7ワット空力効率が良い
- リム内径は21mmで空力的には25mmタイヤが最適。25mmタイヤの実効直径は空気を入れると28mmのそれ以上になる
- リムは標準的なビードフックを採用しチューブレスレディである
- ハブはDT Swiss 240 EXPストレートプルで前後とも24本スポーク
- LAW Techはよりワイドなタイヤの空力特性を「リアルワールドのコンディションで」最適化するために開発されたものだ
- RYOT55は0〜10度までのヨー角に最適化されている。これはFFWDによればサイクリストがライド中に経験するヨー角の大部分である
- ワイドリムは最近よく見かけるトレンドになっており、Zipp, Parcours, Rovalのようなブランドはどれも今年ウルトラワイドなエアロホイールをリリースしている
- Zippの元テクニカルディレクターで現在はSilca在籍のJosh Poertnerによると、リム幅は少なくともタイヤ幅の105%がないとタイヤのエアフローを効率的に再捕捉・コントロールできない
- RYOT55はFulcrum, Roval, Zippのホイールとしか比較されておらず、しかもこれらの競合ホイールは既に各社から後継モデルも出ている
- 削減されるワット数の公称値は風速48.6kphで記録されたものである。こうした高速でのテストは業界で標準的な慣行になってきてはいるが、より低速でのワット数の低減はもっと少なくなるだろう(速度と空気抵抗の関係はリニアではないため)
- そのためこれらが「市場にある中で最速」という主張はそのまま鵜呑みにしないほうが良い(しかし設計プロセスの詳細やテスト結果を公表しているFFWDは称賛したい)
- RYOT55の重量はペア1,620g
- ニップルは前後ともブラス製でリアのスポークはやや重いDT Swiss Aerocompとなっており高寿命が期待できるとされている
- DT Swiss 240 EXPハブも最軽量のロードハブではないがメンテナンスが比較的容易で、一般的に信頼性が高くパフォーマンスが高い製品とされている
- 自転車の重量はパフォーマンスに大きい影響を与えないため(ヒルクライムシーズンは別として)、毎日酷使できるなら150g程度は喜んで差し出しても良い
- なおRYOT33という33mmディープ・31mmワイドのホイールも同時に登場している。こちらはハブや製法がRYOT55と同じで重量は1,465g
- RYOT33でもLAW Techが採用されてはいるが空力性能については公開されていない
- RYOT33はシャローリムのハンドリング特性を好むライダー、登坂のためにより軽量なものを求めている人に向いている
- RYOT55とRYOT33は11月中旬から発売され、価格はRYOT55が1799ユーロ、RYOT33が1599ユーロ
コストパフォーマンスは良さそう
比較テスト対象の競合製品が必ずしも最新のものでなかったり、テスト時の速度がちょっと速すぎたり等々、「手に入る最速のホイール」という謳い文句は話半分に聞いておいたほうが良さそうですが、RYOT55は定価ベースで1799ユーロ(約22万円)ということで、最高の性能かどうかは別としても「かなり良い性能」のわりには買いやすい価格のホイールかもしれません。
FFWDのカーボンディープリムは私も以前使用していましたが、このブランドは費用対効果、コスパが良いという感じがします。このRYOT55も今後人気が出るような気がします。
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