Tacxから新型の入門用トレーナー「Boost」が発売されました。旧モデル「Booster」のリブランド品で、ネイティブではZwift非対応ですが、ANT+またはBluetoothスピードセンサーを併用することで(センサーバンドル品もあり)簡易型のスマートトレーナーとしても使えます。
しかし海外メディアでの評価はあまり良くありません。この「Boost」を買うくらいなら同社の「Flow Smart」を選んだほうが良い、という意見が目立ちます。
Tacx Boostの海外レビューから
以下はBikeradarによるレビューからの抜粋です。
- Tacx Boostは非常に良い負荷レベルを備えた、比較的買いやすい価格のクラシックなターボトレーナーだが、高ワットでは現代的な基準からすると騒音がひどく、負荷がかかると不安定で、大事なアクセサリーのいくつかは購入時に同梱されていない
- Tacx自身の「Flow」は箱から取り出してすぐの状態でZwiftに完全対応しており、パワー計測精度も+/- 5に収まっている。傾斜シミュレーションも6%まで対応しており、Boostのスピードセンサーバンドルと比べてもわずか20ポンド高いだけだ。この製品を受け入れるのは難しい
DC Rainmakerの大長文レビューでも評価は芳しくありません。
- Tacx Boostトレーナーはファンシーなスマートトレーナーではないし、そういう製品も目指していないだろう。(…)リブランドされた、低予算で買えるベーシックなトレーナーである。北米では$299、ヨーロッパでの店頭価格は300ユーロ以下になるだろう
- ここでトリッキーなのは、同社のTacx Flow Smartが$369だということだ。これははるかに良い製品なのだ。Flow Smartはアプリの地形に応じて自動的に負荷が増減する、正統的なスマートトレーナーであり、パワーやケイデンスの値も多くの場合、かなり正確だ。ANT+とBluetooth Smartで大部分の(バーチャルサイクリング)アプリと接続できる。そして繰り返すが、これは$70高いだけだ
Tacx Boostは購入時にスピードセンサーやスルーアクスル用アダプターが付属しておらず、また静粛性を謳っているわりには結構うるさい、とも言われています。
わずかな差額でTacx Flow Smartを選んだほうが良い
上で紹介した2つのレビューではどちらも同社の「Flow Smart」との価格差はわずかなので、Boostの立ち位置がよくわからない、という困惑が感じられます。
日本国内でのFlow SmartとBoostの価格差がどのくらいになるかは本記事時点では未確定ですが、Flow Smartの実勢価格は現時点で45,000円前後。Boostとの価格差が海外同様$70程度であれば、こちらは実勢価格38,000円といったところでしょうか。
Flow SmartとBoostのどちらかにするか悩んだ場合、もう答えは明白ですが、DC RainmakerによるFlow Smart評も紹介してみます(出典)。
- 最終的に、Flow Smartには完璧に価格分の価値がある。コストパフォーマンスは非常に高い。よりハイエンドなトレーナーよりも慣性がやや少なく、$1400のTacx Neo 2Tほどの精度はないが、だからと言って速くなれないわけではない。Zwiftを楽しんだりTrainerRoadなどの、好みのアプリで苦しめないわけでもない。こうしたことは全てFlow Smartで可能だし、これまでにハイエンドなトレーナーを所有したことがなければ恐らく買って幸せになれるだろう
- もし誰かに今夜、これから1ヶ月間、使っていいトレイナーはこのFlow Smartだけだと言われたら、私は肩をすくめて「仕方ない、使い慣れているものではないけれど、まぁいいよ、大した問題ではない」と回答すると思う。それで普段どおりにライドすることになるだろう
これらの評価を読む限り、Zwiftをはじめとする何らかのインドアサイクリングアプリとの通信を考えていて、しかも最も低額な予算で機材を揃えたい、と考えているユーザーにとってTacx Flow Smartは間違いなく良い選択肢のひとつと言えそうですね。
その上で1〜2年Zwiftなどをやってみて本当に楽しめる感じがあれば、次はTacx NeoやWahoo Kickr等のハイエンド製品を試す、というのも良さそうです。
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