ツール・ド・フランス2023は昨日閉幕。今年もタデイ・ポガチャル、ヨナス・ヴィンゲゴーという2大スター選手の好勝負を堪能できました。さて、そのポガチャルとヴィンゲゴーそれぞれの性格の違いについて、海外ロードレースファンがおもしろい議論をしていたのでご紹介します。
出典 Pogi and Jonas friendship(?)
出典 [Results Thread] 2023 Tour de France -Stage 20 (2.UWT)
まず、こんな意見がありました。
ポガチャルとヴィンゲゴーは友達ではないかもしれないけれど、お互いに対してすごくフレンドリーですよね。個人的にはそう思います。でも、レース後にクールダウンしているヨナスに感じ良く向かっていくのはいつもポガチャルのほうで、その時にスマホをいじっているヨナスは失礼じゃないか、という感想をたくさん目にしました。みなさんはどう思いますか?
ヨナスは単に内向的なだけで、歩きまわって握手を求めるのが嫌なわけではなくて、クールダウンを優先しているだけなのだと僕は思います。その後は家族と一緒にいることをいちばん大切にしています。僕が思うに、ヨナスはポガチャルをレスペクトしていて、何なら好いているとさえ思うのですが、どうでしょう? ヨナスはレース後にもっと自分からポガチャルや他の選手を探して握手を求めて、グッジョブ、と声をかけるべきなのでしょうか?
この点について、次のような意見もありました。
サイクリストも他のプロアスリートの多くと同じところがある。現在の地位まで登りつめることができたのは、部分的には彼らのルーチンのおかげだ。中にはもっとずっとフレキシブルで、流れに身を任せることを好む人達もいるが、ルーチンをかなり厳密に守る人達もいる。ステージ終了後のヨナスのルーチンはかなり厳密なものに見える。トレーナーでウォームダウンして、大切な人たちに電話して、彼に必要なものと決められている食べ物や飲み物を摂取している。このおかげで、ステージで発生したアドレナリンやストレスから回復しやすくなるだけでなく、また同じことを繰り返す心の準備ができるんだ。
ポガチャルはもっとずっと外向的な人で、群衆を糧にしているように見える。ポガチャルが他人に注意を払われたいと思っているとか、グローリーハンターだとは思わないし、彼の「みんなを祝福するナイスガイ」というルーチンが、カメラのためのショーにすぎないとは思わない。彼は単に、多くの人の中にいて、他人と交流することからエネルギーを得ているように思える。ポガチャルは歩き回って他の人を祝福して、声をかけることをレース後のルーチンにしたのだと思う、そしてそれはヨナスがレース後に電話をかけるのと同じような意味を持っているんだ。
単にポガチャルが外向的な性格・ヴィンゲゴーが内向的な性格、「陽キャ vs. 陰キャ」という話を超えて、それらの性格がアスリートにとって重要な「ルーチン」と密接な関係を持っているのではないか、という興味深い考察でした。
昨年のツールでは、ポガチャルの落車からの復帰を待ったヴィンゲゴーに対してポガチャルが感謝の手を差し出した様子が話題になりました。しかしあの時、ヴィンゲゴーは「!?」と、その手を握り返すのを一瞬、躊躇したように私にも見えました。ヴィンゲゴーは予想外の出来事に惑わされるのを嫌うのかな、と思ったのでした(もしかしたら、ポガチャルの競争相手は他人だけれど、ヴィンゲゴーの競争相手は自分自身だったりするのだろうか? などとも考えました)。
ちなみにこんなおもしろいコメントも海外掲示板にありました。
ポガチャルはクラブに連れていきたいタイプのやつ。ヴィンゲゴーはレゴで巨大なセットを一緒に組みたいタイプのやつ