ワイヤー式のディレイラーをワイヤレス通信で動かすことで話題の「Xshifter」という製品があります。2年ほど前にクラウドファンディングで資金を集めて製品化に成功したのがはじまりです。
この開発者のポール・ギャラガーという人が、CICLOVATIONという台湾メーカーとパートナーシップを結んでXshifterはマスプロ製品として世界中にデリバリーされることになりました。すでに日本の街の自転車店でも買えるようになっています。
国内代理店はアクションスポーツ。東京上野御徒町のワイズロードアサゾー店や新宿のワイズロードカスタム館などでこの量産品の実物が見られるそうですよ。
このXShifter、下の動画でわかるように「機械式コンポを電動化するもの」です。チェーンステーに変速ユニットを装着します。そのユニットからリアディレイラーに機械式のワイヤーが伸びています。
ハンドルに取り付けた「ポッド」と呼ばれるボタン式のコントロールユニットから、変速ユニットに電波を送るとディレイラーを動かしてくれる、という仕組み。
面白いのは変速設定。現在はiPhoneのみ対応らしいですが、スマホから細かい設定ができるんだそうです(1月頃からAndroid版にも対応するらしい)。
歯の移動幅は、クラウドファンディング時のスペックで3〜15枚。いまメジャーなコンポメーカーのリアがようやく12枚になりはじめたばかりなので当分対応できそうです。
って、リア15枚なんて日は来ないような気もしますが、原理的には一定の幅内なら何枚でも正確に変速させられることでしょう。ディレイラーの移動幅は0.1mm単位で設定できるんだとか。相当柔軟です。
フロントディレイラーはどうなるんだろ、と思ったら、とりあえずいま出回りはじめたのはリアディレイラーのみ対応のモデル。将来的にはフロントディレイラー対応モデルも出るそうです。
気になるお値段は税抜きで42,000円。Kickstarterの時はMTBモデルで239ドル(約2万7500円)だったので若干割高感がありますが、まともなメーカー保証などが入ることを考えるとこんなものでしょうか。
この製品で得しそうな人は誰かというと、まず1xシステムのMTBに乗っている人。変速はリアだけ、でも電動化したい。シフターもボタンのようなものなのでハンドルバーに簡単にマウント。5万円弱で電動1xの完成。
あともちろんフロントシングルのロードバイクに乗っている人。完成車はまだそんなに種類はないけど、「フロントシングル化」したロードに乗っている人もいるはず。
シンプルなブレーキ専用のレバーを使って、そのそばにこのポッド(ボタン)を設置。ディスクロードであれば油圧専用のロード用ブレーキレバーがあれば、見た目にもスッキリしたバイクができあがりそうです。
って、「油圧専用のロード用(ドロップハンドル用)ブレーキレバー」なんかあるんだろうか。
あったか。そしてやはりTRPだったか。TRPはこういうニッチなところをキッチリ押さえてくるあなどれないメーカーです。油圧式をヒモで引く、みたいなハイブリッドな製品も出していたりしますよね。
- TRP Hylex RSブレーキ (Chain Reaction Cycles)
- TRP – Hylex RS ブレーキ (Wiggle)
amazonにもありました。国内外の価格差は2,000円程度なのですぐに欲しい方はamazonで買ってもいいですね。これ、肉抜きのレバーがカッコいいですね…
売り上げランキング: 749,584
売り上げランキング: 906,143
と、話は脱線してしまいましたが、XShifterに興味がある方はワイズロードなどを見にいってみてはいかが。