ボトムブラケット

SHIMANO BB-MT800 やっぱりスレッド式BBが好きだ。でも純正工具がちょっとだめ

XTグレードのボトムブラケット・SHIMANO BB-MT800を入手しました。ホローテックII対応、BSA・スレッド式で60mm/73mmシェル対応の製品です。

BB30をはじめとするプレスフィットBBでさんざん苦労したので(お金も相当かかった)、BSA/JISのBBをくるくるとネジこんでいくと「ああ、もうこれでいい。これがいい」と安堵と感動を覚えるのであります。枯れたテクノロジー万歳。

ビニール袋の中のBBは結構な量のグリスが塗られていてかなりベトベトしていました。ちょっと塗り過ぎなくらい。

SHIMANO BB-MT800

BB-MT800には金属製スペーサが3枚とTL-FC25が付属しています。これを入れるフレームはシェル幅68mmなので左に1枚、右に2枚のスペーサーを挿入します。

SHIMANO BB-MT800

TL-FC25ですが、これが非常に使いづらい。無料で付いてくるのでありがたいといえばありがたいのですが、樹脂製なのでナメがちです。

TL-FC25

公式マニュアルによるとこのTL-FC25は次の専用工具と組み合わせて使います。「TL」は「Tool」、「FC」は「Front Chainring」の略かと思われます。

  • TL-FC32
  • TL-FC36
  • TL-FC33
  • TL-FC37

しかしこれらの推奨工具にはおかしいところがあります。

BB-MT800をはじめとするシマノのBBは35-50Nmのトルクで締結する必要があるのですが、TL-FC32とTL-FC36ではトルクを計測することができません。

さらにTL-FC32は柄が短いので高精度手ルクレンチを持っている人でも30Nmをかけることはまずできないでしょう。外すのも無理。

じゃあTL-FC32は何のために存在しているんだろうという疑問が…

するとトルクレンチに接続できるTL-FC33かTL-FC37を使うのが正確な作業をするにあたっては最適です。

私の場合はカンパニョーロのUT-BB130という同じスペックの工具を持っているので、それとの組み合わせで使いました。

Campagnolo UT-BB130

合体。でもすごく外れやすい。BBシェルの溝自体も短いし、この作業性の悪さはシマノもカンパもなんとかしてほしいところ。

Campagnolo UT-BB130

さらにこれらの工具を使っても30Nm以上で締めるのはなかなか大変です。フォークを固定するタイプのワークスタンドに乗せるか、バイクを床に置いて誰かに支えてもらった状態でないとうまく作業できません。

ツールとBBシェルとの勘合部が少ないので片手でツールをしっかり押さえて片手でトルクレンチを使います。

ツールをしっかり押さえずにレンチに力をこめるとほぼ確実にツールが外れます。すると樹脂製のTL-FC25はすぐボロボロになります。

恐らくいちばんいちばん作業しやすいツールは最初からBB-MT800のような外径41mmに対応しているPark Tool BBT-59.2だと思います。

BBT-59.2はアダプター要らず。自分で使ったことはないですが画像を見るとワンの部分が大きいのでトルクレンチをBBシェルから少し離れたところで回せそうです。

SHIMANO TL-FC36も柄の部分がオフセットしているので外すときに便利そうですね。ただし外径41mmのBBではやはりひ弱なTL-FC25が必要です。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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