サドル

リオオリンピックでドイツ選手のサドルが外れたって?俺の話する? ~私のサドル遍歴~

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馬鹿野郎!「学校の勉強は役に立たない」は論外として「国語はこれこれに役立つ、算数は・・・」ってのも50点だ!

ANCHOR RNC7 Equipe

学校の勉強ってのはなあ!知識そのものよりも、それを習得する過程で育まれる知性と理性こそが大切なのであって、極論すれば知識じたいはすぐに忘れてしまっても差し支えないんだよ!

どうやらここは俺の体験談を通して、若い世代に伝えなければならないことは何なのかを語らなければならない流れのようだな・・・

教育実習生と座骨幅とサドル

あれは俺が初めて教育実習生の指導教官になったときのことだ。生徒とはまた違う立場・年齢の者を教え導くということに若干のプレッシャーを覚えつつも、俺はやる気に燃えていた。

実習生「仕事で疲れた・・・」

俺「馬鹿野郎!肉体と精神の疲労のバランスが悪いだけだ!ヒルクライムに行くか?ロングライドがいいのか?補給食もったか?」

その瞬間、何かにつけて俺をライバル視している数学教師かずおが俺を煽る言葉がこだまする。

かずお「実習生クン、あまりつよし先生と一緒にいると、脳みそが筋肉になってしまうよ!」

そんなことがあって、俺が顧問をしている自転車競技部に実習生を連行したんだ。

さっきの出来事で機嫌の悪い俺の罵詈雑言がこだまする。

ガハハハハ!かずおって、頭髪と額の面積のバランスが悪いよな!

ウォーミングアップを終え、部室においてある自転車の中から実習生が乗れるサイズのものを見つくろう頃には、若くそこそこイケメンであった彼は、たちまち部員たちの人気者となっていた。

俺は談笑している実習生と部員たちを残し、部室の中で適当なサドルを物色していた。無難なところでSELLE ITALIA 、それも穴あきでクッション性もそこそこあるSELLE ITALIA MAX SLR GEL FLOW あたりがいいかな・・・

SELLE ITALIA MAX SLR GEL FLOW

その瞬間、謎の部員の未練未尺のない言葉がこだまする。

謎の部員A「つよし先生って手がきれいで耳が良くて、しかも山岳で250Wを1時間維持できて知的で理論派なのに、座骨とサドル幅が合ってなくてキモいよねー」

俺は、部室の中で力が抜けそのまま愕然としていた。

座 骨 と サ ド ル 幅 が 合 っ て な く て キ モ い よ ね

心臓に突き刺さるような心ない強烈な言葉により俺の心はズタズタに切り刻まれたのである。

座骨とサドル幅が合ってないなんて・・・

生まれつき座骨幅が広い体質なんだししょうがないじゃないか・・・

卑劣にもそんなどうしようもないことを俺のいないところで叩きまくっていたのか・・・

俺は今までもそしてこれからもこうやっておもちゃにされ、陰で陰口をたたかれてあざけり笑われていくんだな・・・

俺の頬にひとすじの涙が光った。

恥ずかしながら俺は自分がこうやって嘲笑されるまで陰口を受ける側の痛みというものをまったく理解していなかったのである。

そんな時、俺は幼少のころに聞いたおじいちゃんの言葉を思い出した。

つよしや。闘う男というのはな、みんな侍なんだ。

武士道精神をもち、嘘偽りのない誠の心を持って振る舞わなければならないぞ。

絶対に表と裏で言動が違ったり本人のいないところで陰口を叩いたり、

大勢でひとりをいじめたりしては駄目だぞ・・・

そうなのだ。

俺もまた侍なのだ。

それがいつしか、俺は肉体が磨かれるに従い、奢りの心が生まれていたのだ。

侍ではなく単なる体力自慢の狼藉者になってしまっていたのである。

表裏のない誠の心を持ち、弱きをたすけ強きをくじく。このことこそが教育者として若い世代に伝えなければならないことなのである。

私のサドル遍歴

SELLE ITALIA SLR XP

SELLE ITALIA SLR XP

2008~2015年くらい。薄くペラペラな見た目通り180gと軽量。サドル幅は130mmだったと記憶している。当時は今ほど同一モデルで様々なサドル幅を選ぶことはできなかった。クッション材ではなくサドルのしなりで衝撃をいなすタイプで、細い形で脚回りが良いところが気に入っていた。

BG FIT で「座骨幅に対してサドル幅が狭すぎますよ」と指摘されたが、当時は違和感も不満も感じていなかった。今にして思えば、回転重視であまりトルクをかけた走りをしていなかったからだろう。

黒と白で2つ使用、たぶんだが、材質か製法が途中で変わっている。2008年頃購入の黒は、皮が少し柔らかく、レーパンなしでも1時間前後の通勤トレーニング程度なら十分こなせた。一方2012年頃購入の白は、皮の表面がざらざらして硬く、レーパンなしだとちょっと乗りたくなかった。

ヒルクライムに熱を上げるようになりトルク型のペダリングをする頻度が増え、尿道付近への圧迫が気になるようになり、次のサドルを探すことになる。

SELLE ITALIA TURBOMATIC GEL FLOW

2013年頃。重量は310gと穴あきのわりに重め。というか、穴あきサドルは穴をあけた分の強度を周囲に求めるため、穴なしサドルよりも重くなりやすい傾向があるのだと思っている。尿道付近、き●たま袋と肛門様の中間あたりへの圧迫が気になりだしたのがこの頃。

狙い通り、穴あきの形状が先述の圧迫は解消してくれたが、穴あきの周囲へのスレが発生することがあった。「サドルの幅が狭い」「穴あき」という条件が、私には合っていなかったのだろう。長時間、ペダリングの乱れ、高強度など、いくつかの条件が重ならなければ大丈夫ではあったのだが。

クッションが充分に入っているため軟らかく、スレが発生しなければレーパンなしでの運用に適している。週末ではなく平日の通勤・トレーニング用に使用し、今では街乗りクロスのF550に取り付けている。

SELLE ITALIA TURBOMATIC GEL FLOW

横から見ると重厚感があり、ディープリムとの相性が良かった。

SELLE ITALIA TURBOMATIC GEL FLOW

SELLE ITALIA SLR SUPERFLOW (145mm x 275mm 195g)

SELLE ITALIA SLR SUPERFLOW (145mm x 275mm 195g)

2015年~現在に至る

2011年にBG FITを受けて以来、「幅131mmのSLRは、座骨幅144mmの俺にはどうやら狭すぎるようだな・・・」と心の隅にひっかかっていた思いから、2015年にSELLE ITALIA SLR SUPERFLOW (幅145mm)に乗り換えた。今までのサドルに比べるとお尻がドッカリと落ち着き、トルクをかけてしっかりと踏むことができる。

先述の圧迫に対する悩みもあり、幅広で穴あきモデルのあるSLR SUPERFLOWをチョイスした。大きな開口部のぶんの強度を補うためであろう、それ以外の部分は無印SLR以上に硬い作りであり、無印SLRと比較すると「しなる感じ」はない。加えて尿道部で支えられないため、開口部のフチあたりへのダメージは想像以上であった。

・・・が、1か月ほど使っているうちに慣れてしまった。今では、一番のお気に入りのサドルである。

SELLE ITALIA MAX SLR GEL FLOW (145mm x 275mm 252g)

SELLE ITALIA MAX SLR GEL FLOW (145mm x 275mm 252g)

2016年~現在に至る

先述のSELLE ITALIA SLR SUPERFLOW のクッション入りやわらかバージョンという位置づけである。SLR SUPERFLOW を先に購入、気に入ったので通勤車でも同じポジション、しかしレーパンなしでも運用できるものを、と考えてこの MAX SLR GEL FLOW を選んだ。

サドル幅、サドル長ともに SLR SUPERFLOW と同じとあって、同じポジション、同じ感覚でペダリングすることができる。柔らかめのパッドのせいで沈み込んでしまいペダリングしにくいなどとネガティブな印象を持つこともなかった。

ちなみに重量は50gほど重いが、自転車に乗っている時にそれを意識したことはない。穴あきサドルでしかもgel入りなら、レーパンなしで運用できて便利だろう・・・と思いきや、意外にも、より硬いはずの SLR SUPERFLOW よりも痛いと感じた。SLR SUPERFLOW では最初は座骨辺りが激しく痛んだものの、1か月もしないうちに慣れてしまった。

その状態で乗った MAX SLR GEL FLOW であるが、鈍器で長時間殴られ続けたような(実際に鈍器で殴られたことはないけど。イメージです)鈍い痛みを感じた。どうやら硬いサドルとやわらかいサドルでは、感じる痛みの質が違う模様。

しかし、これも1か月ほどで慣れてしまい、ネガティブな印象はなくなった。いつもレーパンを履くわけではない通勤用途にも使えて重宝しているし、3時間60~70km程度ならば山を含むトレーニングもレーパンなしでこなすこともある。価格、性能、使いやすさに優れる、良いサドルである。

著者
自転車がこの先生きのこるには

つよしは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の気象庁を除かなければならぬと決意した。つよしには天気がわからぬ。つよしは高地民族である。軽量化に勤しみ、山の上の空模様を気にして暮して来た。けれども降る降る詐欺に対しては人一倍に敏感であった。つよしには女房は無い。内気なRNC7と二人暮しだ。

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