Cinelli(チネリ)のグラベルバイク「Zydeco」シリーズを観察してみます。チネリ公式サイトによると「Zydeco」には3つのラインナップがあるのですが、そもそもこの「Zydeco」ってどう読むのでしょう!? そしてどんな意味なんだろう? と気になりますよね。
Zydecoとは?
Wikipediaにはこんな説明がありました。
ザディコ(Zydeco)とは20世紀初め、ルイジアナの南西部で起こった、主にフランス語を話すクレオール系黒人達が演奏するフォーク音楽。ボタン式または鍵盤式のアコーディオンを主たる楽器として用い、ドラムスの他にラブボード(木製の洗濯板が金属製の楽器に変化したもの)がパーカッションとして大きな役割を担うのが特徴。フィドル(バイオリン)が加わることもある。ザイディコと発音する場合もある。
グラベル系バイクは各社とも頭を捻って変わったネーミングをつけようとしていますが、チネリのザディコはなぜかアメリカ・ルイジアナ州のかなりマイナーそうな音楽。いったいどんな音楽なんだろう… というわけでこのジャンルで有名らしいバックウィート・ザディコという方の演奏をYouTubeで探してみました。
なるほど、これはチネリっぽいww そしてグラベルっぽいwww フランス系アメリカ人(ケイジャン)の伝統音楽とフランス語圏の黒人音楽のミックスらしいですが、明るく楽しくペダリングしたくなるような音楽ですね。
そういえばRidleyのグラベルバイク、Canzoも音楽とかかわりのあるネーミングでした。
関連記事
Zydeco Lala
さてそんな楽しそうなチネリのザディコシリーズを眺めていきます。まずいちばん安いのがこの「Zydeco Lala」という完成車。フレームはCOLUMBUS Zonalというアルミチューブでフォークは同社製のFutura Disc。
実は次に紹介するApex完成車のZydecoもフレームとフォークは同じものなのですが、LalaとApex完成車ではジオメトリが少し違うようなので注意。Lalaのほうがホイールベースがやや長いのでツーリング・アドベンチャー寄りの設計です。
コンポはShimano Sora 9speedでブレーキはテクトロの機械式なので完成車重量は11.2kgとやや重め。前後フェンダーとリアキャリアに対応するダボ穴あり。
BBは安心のねじ切りBSAタイプでクリアランスは700×42と太いタイヤでも余裕。ホイールはリムがSHINING、ハブがFormulaと、「とりあえず付けました」というものだと思いますがエントリーモデルなのでそこは仕方ないでしょう。
カラーは画像の一色のみ、”Orange Juice Blues”という色だそうです。これまた何か由来がありそうなカラーw 調べたみたら… きっとこれかな?
このZydeco Lala、値段がなかなか魅力的で、ベラチスポーツだと¥126,115(本記事執筆時点)。送料は¥13,369です。国内定価が税別20万円となっているので、個人輸入時の消費税(本体価格の60%に対する10%)を入れてもかなりお買い得です。
とりあえずこのカラーリングが最高ですが、パーツを交換して育てていく楽しみもありますね。Sora以外を試したければ1xにしてもいいし、ブレーキはTRP HY/RDに交換、ホイールはちょっといいやつに、などと長く付き合えそうなモデルです。
Zydeco Apex 2020
次はザディコのApex完成車。これはLalaよりも少しだけホイールベースが短く、ツーリング系・レース系両方をカバーするように設計してあるようです(チネリ公式サイトの説明には”a perfect union between race and travel”とあります)。
コンポはSRAM APEX1でクランクセットはFSA Omega Mega Exo 1x / 42T。カセットはSRAM 11-42T。クリアランスはなぜかLalaよりちょっとだけ狭い700x40c。
これはベラチだと完成車価格が¥192,516(国内価格は税抜32万円)。カラーは画像の”Full Color”というのもののみ。タイヤはWTB Riddler / 700x37cとちょっといいものが付属。
いま気付きましたがLalaとのもうひとつの違いは前三角のケーブリングが内装式であること。やはり少し「速さ」も意識しているモデルですね。リムはLalaと同じShiningですがチューブレス対応かどうかはいろいろ調べてみてもわかりません。このあたりは明記しておいてもらえるとありがたいですね。
King Zydeco
最後にZydecoのフラッグシップを見てみましょう。King Zydecoというモデルで、これはカーボンフレームです。フレーム重量1000g, フォーク重量500g。700x47cと650×2.1まで対応とあります。上のアルミZydecoでもロードプラスくらいなら対応できそうですが、こちらは正式に650b対応を謳っています。
このカラーもめっちゃきれいですねぇ。”Deep Water”という色だそうです。
このモデルについてはフレームセットと、Shimano UltegraまたはSRAM Rival 1x完成車の3つのオプションから選べます。完成車はどちらも700cのホイール、Fulcrum 600 DB。
Fulcrum 600 DBはRacing 6 DBのOEM版の型番で、2-Way fit readyなのでチューブレス化もできます。下の動画でおじさんがStan’sのキットでやり方を解説してあります。フルクラムはチューブレス化の際にシュワルベのキットの使用を推奨していますが、まぁどれでも大丈夫、という話です。
他におもしろい点としては、付属のColumbus Futura Crossはフォークレイクが可変なところ(デュアル)。タイヤサイズに応じてハンドリング特性を調整できます。
ワイヤリングはフル内装で、Cervelo Asperoのようなグラインデューロでの使用を想定したモデルに見えますが、ダボ穴もあるのでツーリング仕様も可。一応、ハイスピード・グラベルレース対応モデルという位置付けです。
関連記事
King Zydecoのフレームセット価格はベラチだと¥195,189。国内だと税抜20万円なのでコミコミの金額では国内で買ったほうが若干安いか同じくらいかもしれません。
ただ完成車は国内販売されていません。ベラチだとSRAM Rival 1x完成車が¥306,777。アルテグラ完成車が¥360,075となっています。仮に国内で完成車が販売されたらもっと高くなるはずなので、これは結構お買い得だと思います。
これは完成車でゲットして、あとは別途ちょっといい感じの650bホイールを用意するといろんな楽しみ方ができるバイクではないでしょうか。
shop Cinelli Gravel – Bellati Sport
650bホイールについては、私はHUNTのホイールを愛用していますが、これすごくいいですよ。紹介記事を書いたので、ご興味のある方はぜひこちらもお読みいただけると幸いです。