フレーム・完成車

Airnimal(エアニマル)という英国の折りたたみ小径…いや中径車について

最近すっかり日本では見かけなくなったのですが、英国にAirnimal(エアニマル)というブランドがあります。10年ほど前は国内の有名な小径車店が代理店をやっていたと思うのですが、ぱっと調べてみたところ、現在は流通していないように見えます。

エアニマルは24インチホイールのモデルが中心なので「小径車」とはもはや呼べない感じですが、一応折りたたみができて、ホイールも大きいだけに走行性能はやたら良い、という話を聞いたことがあります。

というわけで本記事ではこのエアニマルの自転車をいくつか観察していきたいと思います。

公式 Airnimal Folding Bikes

基本ラインナップは3つ

エアニマルには以下の3つの基本ラインナップがあります。

  1. Joey(ジョーイ)
  2. Chameleon(カメレオン)
  3. Rhino(ライノ)

このうち「Joey」はカンガルーのような有袋類の子供を指す言葉。エアニマルの中では通勤からツーリングまで何でもこなせる「オールラウンダー」という位置付けで、E-Bikeを含む7つのバリエーションがあります(本記事執筆時点)。

「Chameleon」はスピード重視のロードバイクタイプのモデル。エアニマルと言えばこれを思い浮かべる人が多いと思います。ホイールは24インチ(520)。

最後の「Rhino」はフルサスペンション・モデル。80mmトラベルのRockShox ReconとAlfine 8 speed内装変速ハブを搭載。ホイールは406の20インチで、まるでフルサス仕様のBMXのようにも見えます。

ホイールサイズは、Joeyにはオンロード寄りのETRTO 520の24インチの他、オフロード寄りと言って良いETRTO 507の24インチの他、26インチホイールも用意されています。

Airnimal Chameleon Performance Sport

いちばん有名なモデル、ロードタイプのChameleon Performance Sportがこちら。Shimano 105組み、ペダルレスで重量は10kg。他にUltegra中心に組まれた上位グレードの「Ultra」(9.8kg)やDura-Ace組みの「Ultima」(9kg)も用意されています。定価は「Performance Sport」で£2199(英国VAT込み)。本日の為替レートでは31.5万円という感じです。

Airnimal Chameleon Performance Sport © Airnimal

折りたたみのデモ動画を発見しました。これを見る限り、折りたためはするものの作業は決して単純とは言えない、と私は思いましたが、どうでしょうか。

ただ、専用の三角形の輪行袋に入れると700Cのロードバイクよりコンパクトになるのは間違いないようです。

Airnimal Joey Endurance

もうひとつ、オールラウンダーモデルの「Joey」から「Endurance」を見てみます。「Joey」にはフラットバーのモデルもあるのですが、こちらはドロップハンドル。そしてホイールは26インチです。コンポはSRAM Apex 1の1×11構成。お値段はVAT込みで£1899。本日のレートで27.2万円です。個人的にこのモデルはなかなか面白そうだなと思いました。

Airnimal Joey Endurance © Airnimal

ブレーキはディスクでAvid BB7。重量はこの構成で11.3kgとなっています。フォークはクロモリですが、スルーアクスルのカーボンフォークでSRAM Rival組みの「Endurance Plus」という上位モデルも存在します(11kg)。

「Joey」シリーズの折りたたみ紹介動画がこちらなのですが、「Chameleon」に比べるとだいぶ簡単になっているように見えます。シートポストを抜かなくても良いのが、いいですね。

上の動画ではフラットバーのJoeyが使われていますが、基本的な折りたたみ方法はドロップハンドルのモデルでも恐らく同じでしょう。カメレオンの折りたたみはあまりスマートではないと思ったのですが、ジョーイなら全然アリだなと思います。

24インチのスポーツバイクは希少

現在は日本に代理店がないようですし、手に入れるとしたらメーカーに連絡する必要があると思いますが、国内ユーザーや情報が少ないので上級者向けの選択肢と言えるでしょうか。

24インチ(520/507両方あり)や26インチといった、現在のスポーツバイクシーンでは決して主流とは言えないサイズのホイールが使われているので、他の自転車とあまり似ていない変わった乗り味だったりするのかな、と想像します。

可搬性については上で見たように「Joey」方式ならわりと優秀ではないかと思います。これは一度試してみたいところ。いつかまた日本のお店に並ぶ日も来てくれるでしょうか。

ところで現在、24インチホイールのスポーツタイプの自転車はどんなものがあるのか…と調べたところ、有名なTern Eclipseはディスコンになっているようですね。かわりにNode C8というモデルがありました。

Tern Node C8 © Tern

あとすぐに思いつくのがGIANT MR4。これはカッコ良くて人気のあるモデルです。

GIANT MR4 R © GIANT

だがしかし。いま調べてみたら、これもディスコンらしいですね。折りたたんでもあまり小さくならない自転車ですが、走った感じはすごくいいという話をよく耳にしたことがあります。

24インチの本格スポーツバイク、いまなかなか数が少ないのかもしれません(他にもこんなのがあるよ、という情報がありましたらお待ちしています)。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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