Muc-Offがビッグプーリー「L.O.P.S.」でアップグレードパーツ市場に参入

Muc-Offが「L.O.P.S.」というビッグプーリーを発表しました。ケミカル製品で人気の高い同社ですが、これでアップグレードパーツ市場に参入することになります。

L.O.P.S - Lightweight Oversized Precision Shifting

© Muc-Off UK

参考 Muc-Off officially launches lightweight, oversize, insanely optimized derailleur pulley cages
公式 L.O.P.S – Lightweight Oversized Precision Shifting | Muc-Off UK

タイムトライアルバイクに最適された製品

以下、Bikerumorによる紹介記事から主だったところを抽出してみます。

  • 製品名は「L.O.P.S.」で”Lightweight Oversized Precision Shifting(=軽量オーバーサイズ精密シフティング)”の頭文字から
  • Muc-Offの科学者と研究者がマクラーレンと共同開発した
  • バーレーン・マクラーレンのスペイン人ライダー、ミケル・ランダが今年のツール・ド・フランスで使用するMerida タイムトライラルバイクのために用意されたもの
  • ケージはチタン製で競合他社製品よりも軽量で剛性が高い
  • プーリーは航空宇宙レベルのアロイ製でベアリング同様、フリクションの低いフィニッシュでコーティングされている(ハードアノダイズドされたものより3倍以上低フリクション)
  • アッパープーリーは13T、ロワーは19T
  • ベアリングも航空宇宙レベル
  • セラミックベアリングは特殊な合成炭化水素で潤滑され摩擦係数をより低減し、よりタイトな許容ラジアル・アキシアル荷重がシフトの正確性を改善する
  • 個人タイムトライアルに最適化された製品であり、ロワープーリーのシーリングがベアリングの抵抗をさらに低減

なお価格や販売時期などは現時点では未定です。とりあえずランダが使うタイミングでお披露目、という感じでしょうか(そのランダはツール・ド・フランス第20ステージ個人タイムトライアルで14位とあまり成績は奮わなかったのですが…)。

潤滑剤からメカへ。そこにある共通項

ビッグプーリーと言えば何と言ってもCeramiSpeed(セラミックスピード)のOSPW(Over Size Pulley Wheel System)が有名ですが、Muc-Offの場合は「潤滑剤によるフリクション低減」から出発し、その自然な延長としてビッグプーリーの開発に着手したらしいことが窺えるのが面白いですね。同社のコーティングに関するこれまでの知見もプーリーのコーティングなどに活かされているのではないでしょうか。

shop CeramicSpeed製品一覧(ベラチスポーツ)

製品紹介はちょっとやりすぎなくらいの豪華な文言ですが、競合他社製品との比較実験データなどは公式サイトでは見当たらないのがちょっとだけ残念なところ。

ビッグプーリーのフリクション低減効果については、あるという意見、いやないという意見、いろいろあると思います。私自身はいくつかの製品を試したことがありますが、個人的には「なんか明らかに抵抗が少ないぞ」と感じたのを覚えています。怪しい宗教的なパーツではなさそうだ、と私は思っていますが、それがプラセボ効果なのかどうかはわかりません。

歯数が多くなってチェーンラインが最適化されるからなのか。チェーンテンションが変化するからなのか。理由はいくつかありそうですが、あくまで個人的な実感としては、ディレイラーのないシングルスピードには及ばないもののビッグプーリーは明らかに少し軽快に感じました。

いずれにしてもチェーンの伝達効率を高めるための工夫は、BBやハブのベアリングにこだわるよりも有益である可能性があるようです(関連記事:気になるチェーン伝達効率について、調べてみた)。

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