主にトライアスロン向けの製品ですが、TriRig Omega Oneという面白いブレーキを見かけたので紹介します。ブレーキを取り付けない状態よりもこれを付けた状態のほうがエアロダイナミクス的には良い結果が得られるという、究極のエアロブレーキです。
公式 TriRig Omega One
参考 TriRig Omega One direct mount brakes are faster than no brake at all
パーツへの分割は後から考えた
このブレーキで興味深いのは「大体こういう形にするために、これこれのパーツを使って1個の全体を仕上げよう」という発想ではなく、まず最初に空力的に最も優れた1個の全体をデザインし、それを個々のパーツに分割していく、というアプローチで作られたものであるということです。
製品画像を見ているとそれは確かに感じられます。一般的なエアロブレーキ的な外観ではありますが、徹底的に凹凸がないところはやはり「全体ありき」で発想した結果ではないでしょうか。そして懐かしのカンパニョーロ・デルタブレーキを彷彿とさせますよね。
前から見ても、後ろから見ても、下から見ても(BB付近にマウントする場合)エアロなデザインです。同社によるとブレーキがない状態よりもこれを付けたほうが空力性能は良くなるのだそうです(露出したブレーキマウントそのものよりも空気は整流されるでしょうから、当然と言えば当然ですが…)。
クリアランスも広く、リム幅は最大33mmまで、タイヤ幅は34mmまで使用可。一般的なシングルポストマウント、ダイレクトマウント、TRP U-Brakeダイレクトマウントに対応。あとリアブレーキはStagesタイプのクランク式パワーメーターを使ってもブレーキと干渉しないそうです(リアがシマノダイレクトマウント方式の場合。このページのいちばん下で紹介されています)。
重量情報は記載がありませんでしたが、平地用メインなのであまり気にしなくても良いでしょう(どのモデルとの比較かは不明ですが、Dura-AceやCampagnolo Recordよりも軽量であると公式サイトにはあります)。また、インストールや調整は非常に簡単で整備性が良いのだそうです。
価格は1個$194.99で同社サイトで発売中(発想までのリードタイムは約1週間)。支払いはPayPalのみ。日本円で約2万円ほどなので結構安いと思いました。トライアスロンバイクは勿論のこと、一般的なエアロロードやタイムトライアルバイクで使っても良いでしょう。個人的には外観もすごくカッコいいいと思いました。