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Campagnolo Ekarは調整がデリケートだが親指パドルが秀逸

カンパニョーロが先日発表した13スピード・グラベルコンポ「Ekar」について、Bikeradarがテストレビューを掲載しています。本記事ではその主だったところを紹介します。

出典 Campagnolo Ekar groupset review

調整はシビアだが基本的な変速性能は良好

  • Ekarはよく考えられてデザインされた、カンパニョーロ特有の魅力的なメカニカルフィーリングを持つ、頑強に作られたグループセットだ
  • シフトはブレーキレバー裏のパドルでダウンシフト、親指パドルでアップシフトを行うという従来の配置を採用している
  • 親指パドルはロード用とはかなり違っており、フードからでもドロップ部からでも届きやすい
  • ダウンシフトは最大3段まで可能だが、レバーを遠くまで押せば4段まで行ける。親指パドルは1回1段まで
  • テストをはじめてすぐにEkarは調整がデリケートであることがわかった
  • 筆者のテストマシンはハンガーがわずかに曲がっていたが、それを修正した後も調整マージンはダウンシフト側・アップシフト側いずれも狭く、時々ミスシフトを経験した
  • Ekarのフードからハンドルバーへ向かう繋ぎの部分の形状は好きになれなかった。立ち漕ぎをすると、フード下にある膨らみが手のひらの下側に当たってしまうことがあった
  • Ekarのリアディレイラーは1種類しかないため、ケージの長さや互換性で頭を悩ませる必要はない
  • ディレイラーを後ろに引くとロックする機構があるので、ホイールを外す時に便利だ(ディレイラー本体上のスイッチで解除できる)
  • しかしそれでもディレイラーのスプリングが固いため、ホイールをまっすぐ入れるのは少し苦労する
  • Ekarの4アームクランクは38Tに対応するためBCDが123mmとロード用と比べてわずかに小さくなっている
  • 普通に使い倒してみたが、Ekarのクランクはまだ新品に近い状態に見えた(※外観の話)
  • クラッチディレイラーとの併用では、チェーンの保持は非の打ち所がなく、テスト中は1度もチェーン落ちは経験しなかった
  • Ekarのカセットはキャリアにアルミが使われている部分もあるがオールスチール製である
  • N3Wフリーハブは既存のカンパニョーロホイールに後付けできる。N3Wハブ搭載の完組みホイールには10, 11, 12速に対応するためのアダプターが付属する
  • ロックリングは完全に別体ではなく、最初の4枚のコグに統合されている
  • チェーンはカンパニョーロの12速用より0.25mm狭く、C-Link(クイックリンク)とピンが付属する
  • Ekarのブレーキは端的に言って素晴らしい。同社のロード用ディスクブレーキ同様、マグラ社由来
  • テストバイクのブレーキセットアップはユーロスタイル(=左前)だったが(※記事筆者は英国在住。英国は日本同様、右前が主流)、それでも高負荷でのブレーキングには大変な安心感があり、モジュレーションも素晴らしい
  • 付属のパッドはオーガニックコンパウンドで、普通の汚れなら問題なく動作する。ウェット環境下では少しノイジーだが、性能は低下しない
  • ローターのエッジは大部分の製品より丸みがあり、怪我の可能性はわずかながら少なくなるだろう
  • 9Tコグは非常に効率が悪いと考えられていたが(より大きいコグとチェーンリングのほうが機械的な摩擦は少ない)、一般的なライドで他のドライブトレインよりもひっかかりを感じるということはなかったし、どのみち9Tだけを長時間使うこともないだろう
  • カセットの下端でも上端でも駆動系からノイズは発生せず、テンションがきつく感じられることもない

総評

  • Ekarは調整が最も簡単なコンポではないし、メンテナンスには専用ツールが必要であり、エルゴノミクスにも癖があり、相対的に高価な製品である
  • しかし13スピードであり、外観も良く、適切に調整すれば良好な性能を発揮する
  • ブレーキングは素晴らしく、ギアレンジとギアスペーシングは日々のグラベルライドによくマッチするものだ
  • 新しいサムシフターデザインはどんな地形でも、フード・下ハンどちらからでも変速しやすい
  • シマノとスラムのグラベルコンポ愛用者を宗旨変えさせるほどの製品とは言いにくいが、最初の努力としては強力である
  • 価格的にはShimano GRX Di2が直接の競合となり、SRAM Force eTap AXSよりやや安価で、SRAMのメカニカルForceよりやや高価だ
  • Di2よりもギアは2枚多いが、調整不要な電動シフトの魅力は強力であり、Di2なら多くのライダーは新しいホイールやフリーハブも不要としない
  • 金額面を別として、最終的には好みの問題となるだろう。当てずっぽうを言うと、Ekarの別体型アップシフト・ダウンシフトの配置はSRAMのダブルタップの対局だが、多くのグラベルライダーは気に入るだろう

これを読むと全体的にEkarは、最優秀ではないものの優等生ではある、といった感じの製品のように思えます。テスターの方のバイクのディレイラーハンガーに問題があったようですが、調整はやはりシビアなのかもしれません。

しかしブレーキの効きの良さ・フィールの良さを含め、従来のカンパニョーロユーザーなら違和感なく使えそうなコンポに仕上がっていそうですね。

親指パドルは上ハンメインの方にも、下ハンでレーシーに走る方にも使いやすい形状らしく、これは使ってみたいと思わされます。

Shimano GRXやSRAM Forceに対する唯一の優位性は13スピードですが、EPSバージョンが発売されたら勢力図が一気に変わる気がしないでもありませんね。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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