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よみもの

ロードにピストにランドナー。各ジャンルのフラッグシップが見られる自転車文化センター@東京・目黒

こんにちは。KPAです。

アルファベット3文字の略称って多いですよね。BBC=British Broadcasting Corporation(イギリス放送協会)とか。ちなみに私のペンネーム(KPA)はキロパスカルの略…ではありません。

ところでBCCと聞いて、何を浮かべますか? Blind Carbon Copy(メールの複数宛先送信時の表示)と答えたアナタは、フツーのビジネスマンです。Bicycle Culture Center(自転車文化センター)だと既にご存じのアナタは、かなりレアでコアなサイクリストでしょう。

Bicycle Culture Center(自転車文化センター)

自転車を趣味とすることにちょっと疲れちゃった…。そんな時にこそ訪れてほしい、都心のオアシスです。

以下、BGMはNHKの「小さな旅」OPを脳内再生でお願いします。

公式 自転車文化センター

新城幸也のメリダ、鈴木誠の競輪レーサー、以下略

自転車文化センター。住所は東京都品川区上大崎ですが、最寄り駅は大崎ではなく目黒です。

駅からは徒歩5分ほど。通りに面した小さいショールームと、敷地内やや奥のプチ博物館(というか図書館?)の二段構えです。バイクラックはありません…が、プチ博物館の中で預かってくれます。ただ、スペースはあまりないので3台くらいが限界でしょうか。満杯の場合、近くの複合ビル「目黒セントラルスクエア」に一定時間無料の駐輪場があります。

ショールームの方は、その時々の展示テーマに沿った自転車がディスプレイされています。私がこれまで見た範囲だけでも、ミニベロ、ロードバイク、ランドナー、トラックバイク…と実に多彩です。

Bicycle Culture Center(自転車文化センター)

ロードバイクでは、新城幸也選手のメリダ、入部正太郎選手のBMCのスペアバイクがお二人のコメント付きで展示。実際に使われはしなかったが、レース会場に搬入されたものだそうです。新城選手がツールで獲得した敢闘賞の赤ゼッケンもありました。

新城幸也選手のメリダと入部正太郎選手のBMCのスペアバイク

新城選手がツールで獲得した敢闘賞の赤ゼッケン

ランドナーでは、東叡や丸石のクラシカルなデザインのもの、ケルビムのモダンでレーシーなスタイルのものなどがそろっていました。アレックス・サンジェのタンデムバイクという珍しい逸品も見られて眼福。

TOEIのランドナー

ケルビムのランドナー

そして現在は「競輪の魅力展」開催に合わせ、2005年の競輪日本選手権で鈴木誠選手が使って優勝したクロモリの実車や、東京五輪で日本代表に供給しているブリヂストンのカーボンバイクが見られます。

2005年の競輪日本選手権で鈴木誠選手が使って優勝したクロモリの実車

ブリヂストンのカーボンバイク

LOOK L96 石井真子選手使用日本ナショナルカラー

ちなみにパネルの解説文によると、ブリヂストンのトラックバイクは参考価格37万円。フレーム単体の値段だとしても意外と普通だ…。

このショールームから数歩奥に入ったところに、「本館」とも言うべきプチ博物館があります。こちらも期間ごとに展示車両が一部入れ替わります。

自転車文化センターのランドナー展示

500円で生涯読み放題。ただし閉館はちょっ早(涙)

ショールームだけでも相当楽しめますが、真に特筆すべきは、本館の圧倒的な図書資料の数です。

マンガ、雑誌、フリーペーパー、業界団体の各種刊行物、交通政策の専門書…。こと自転車というジャンルに限っていえば、おそらく都道府県立の図書館並みかそれ以上の質・量を誇るでしょう。書籍だけで11500冊あるとか。

自転車文化センターの図書と資料

自転車文化センターの図書と資料

一部の資料は誰でも閲覧できますが、壁沿いの本棚にある資料や、机付きの座席を利用したい場合は、「友の会」に入る必要があります。

参考 友の会入会要項

なんだか古めかしい秘密結社みたいですが、16歳以上であれば、入会金500円を払うだけでサクッと会員です。頭巾かぶって魔方陣の周りを踊ったりする秘儀はありませんので、ご安心を。

入会から2年以内に再来館すれば、資格は自動更新されます。更新料や年会費は不要です。つまり、最初に支払った500円だけで、その後一生追加料金なしで使い続けることが可能!

例えば「弱虫ペダル」も全巻在庫しているので、漫画喫茶で読破するのと比べ、そのコスパのすさまじさが分かると思います。さす公(さすが公益法人の略)。

自転車文化センターの図書と資料

会員証もいただけるので、なんだか秘密組織の一員になった気分を味わえます。キャッシュレス決済機能などを搭載できる…わけではないので、ここに入館する時しか使う機会はないですが、なんとなく財布に入れて持ち歩きたくなります。オフ会の待ち合わせで目印にしたいですね(どんなオフ会だ)。

自転車文化センターの会員証

BCC、たいへん素晴らしい施設ですが難点は11月現在、開館時間が11:00~15:00とめちゃめちゃ短いことです。夜勤明けで帰宅後に寝て起きたらもう終わってるレベルです。本来は9:30~17:00までやってる施設だったんですが、コロナ対策の一環とのこと。

運営は「一般財団法人 日本自転車普及協会」様です。本部所在地はBCCと同じビルの4階。「ツアー・オブ・ジャパン」の主催団体でもあります。

財政規模も大きく、2019年度の決算報告書(賃借対照表)では運用積立資産として約18億円を計上。別資料によると、ユーロ債購入や株のインデックス投資をしているようです。固定資産のうち土地・建物は計57億、その他合わせて資産合計は100億を超えます。

コロナ禍で運用益がどうなっているのか気になりますが、うまいこと稼いで末永く運営を続けてほしいものです。

愛車が埃をかぶってても自転車を楽しむことはできる。そう、BCCならね。

唐突ですが、自転車趣味を長くやっていると、あんまり乗らなくなっていったり、乗っても前ほど楽しくなくなったりすることってありませんか。

Tシャツ・ジーパンにフラットペダルで乗り始めたクロスバイク。1時間でも時間が空いたらガシガシ乗った若かりしころ。そしてロードを買ってジャージとレーパンを着て、ビンディングを履いて…。「もっと速く」「より遠く」を目指して少しずつ〝フォーマルな〟サイクリストスタイルになっていきます。

それは誰に強制されるでもなく自ら選び進んでいった道ですが…。あれ、なんか自転車ってめんどくさいな。「今日は寒い」「雨が降りそうだ」「着替えるの大変だしね」…といつしか、走らない言い訳の材料に変わる始末。

そうしたモチベーション低下の悩み、実は結構メジャーみたいです。栗村修さんの相談コーナーにも類似の質問が寄せられていました。

私もこの人に何かアドバイスできるとしたら、ぜひBCCを訪れてほしいなあ…と思います。国内の道路事情やメディア露出の関係上、「自転車を楽しむ」というとほぼほぼ「ロードで絶景を走る」という方面に情報が偏りがちですが、「ミニベロでご近所巡り」「レンタルでMTBを楽しむ」など、本当は車種もコースも無限大に広がっているのが自転車の世界です。

自転車文化センターの図書と資料

なんなら「競輪場にバンクリーグを見に行く」「自転車が題材の小説・漫画を片っ端から読む」など、自分が乗らなくても楽しむことすらできます。そして、そうしたあらゆる自転車の楽しみ方のゲートウェイとなってくれるのが、このBCCなだと思っています。

アレックス・サンジェのタンデムバイク 自転車文化センター

近くにはあの「目黒寄生虫館」があるうえ、六本木ヒルズも近いので、都心のゆるポタ観光にはもってこい。おトイレも借りられます(誰得情報)。

友の会に入れば、不定期ながらメルマガも届きます。BCC学芸員谷田貝一男さんの自転車近代史レポートはとにかく濃ゆ~く、他では読めない内容。毎号載ってるわけではありませんけど。

奇しくも先月のサイスポの巻末特集が「●●やめてみた」でした。かくあるべしという強迫観念や過度の上昇志向を捨て、身の丈に合った・続けるのが苦にならない自転車との付き合い方を提唱する試みです。

個人的に大いに共感するところがあります。その上で「やめてみた」もいいけど、それと並行して「始めてみた」もモチベーションの維持・回復にはありではないかと。そのきっかけをBCCで探してみてはいかがでしょうか。

著者
KPA

永遠のソロライダー。脚と財布に無理はさせないのがポリシー。スポーツバイク歴はベテランを自称するが、その大半をクロス、ミニベロ、フラットバーロードが占める(ロードを持ってないとは言ってない)。今年ブルベ(200km)を完走。

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