脚力も、知識も、感性も。ありとあらゆる、自転車に関する能力が皆無。しかも己のマイナスを、努力ではなく機材に頼ることで醜く解決しようとする。そんな身も心も薄汚れた自転車乗りは、いったい誰でしょう?
そう、私ですーーーー。nadokazuです。
ところで皆さん、私、つい今しがた、2019年に衝動買いした自転車用品の記事を書いたような気がするんです。それなのに、もう2020年版の記事を書いています。あまりにも速すぎではありませんか? まさか…これは…誰かが、魔法で時間の流れを操っている!?
そんなわけで今年も、皆さまのよき反面教師となれるよう、衝動買いした品々の数々をご紹介してまいります。
10位 Apple/16インチMacBook Pro
「自転車関連用品なのに、いきなりパソコンかよ!」
…という声が四方八方から聞こえてきたり、小石やゴミやテクトロのブレーキを投げつけられそうな気がしないでもないのですが、パソコンだって立派な自転車関連用品です!璃奈ちゃんボード『キリリ』。
だってサイクリングの途中で撮った写真や動画を見返したり、テキストで思い出を綴ったり、SNSであーだこーだしたりするのだって、まごうことなき「自転車のお楽しみ」のひとつじゃないですか。自転車の楽しさって乗ってる時間だけじゃなくて「乗ったあと」にも、続いていくものなんです。
そしてそんなとき!高精細な大画面を装備して高速に動作するノートパソコンは、絶大な威力を発揮してくれます。よって、MacBook Proは自転車関連用品です!
▼Apple製自転車関連用品。
無駄にシャッターを切った大量の画像データを、高速に取り込んで現像する。動画データをつなぎあわせて、へっぽこ自転車動画を仕上げる。そして、そんな写真や動画を眺めて、ひとり悦に入る。
それだけではありません!
ZWIFTだって性能のいいパソコンを使うほうが、解像度を高くして楽しめます(GPUが載ってる16インチMBPで、4K解像度が出ないのは想定外にもほどがありましたけどね!涙)。
▼「かつてないデスクトップクラスのグラフィックパワー」とかサイトに書いてあるのに、ZWIFTの4K解像度は選択できない。
このように高性能パソコンは自転車に乗ることの周辺にあるお楽しみを、大幅に拡張してくれるのです。自転車乗りは、高性能パソコンを買うべきなのです。反論ございませんですよね?
MBPとしては一応最上位モデル(のはず)なので、しばらく安泰だろうと思っていたら、買ってわずか半年でM1チップ搭載モデルが爆誕。しかもエントリーモデルに、ベンチマークで16インチMBP思いっきり負けちゃってます。おいいいいいい!!!
9位 H&H E Type CNC FRONT HOOK
ブロンプトンを畳んだときに、前輪を後部フレームに引っかけるフックの社外品。アルマイト加工(ですよね?)された金属パーツは純正品を圧倒するクオリティ感で、見ていてニヤニヤできます。
それだけではありません!
うちのCHPT3 V2は、マッドガードを外しているのが純正状態のEタイプ。そのせいで、畳んだときにボディが斜めってしまうのが悩みの種でした。この「H&H E Type CNC FRONT HOOK」は、その傾きをなくしてリアの接地性を高めてくれます(シートピラーをロックする円盤状のパーツも要調整らしいですが、サイクルハウスしぶやさんに全部任せちゃったので詳細不明です)。
この換装によって、折り畳み時もバッチリ安定感が…と思ったら相変わらずの心許なさを感じます。というか、むしろ前より倒れやすくなってない、コレ?
「見た目のためのパーツ」だと思った方が…よい…かも…。
でもでも、純正よりはるかに格好いいから無問題ラ!!
▼見た目は文句ない。
8位 Ridefarr/Saddle farr
代理店であるオルタナティブバイシクルズさんのサイトによると「ウルトラディスタンス(超長距離)、アドベンチャーライドを提唱するRidefarrのサドル。」だそうです。今まで使っていたフィジークが自分にはベストだと思っていましたが、気付くとポチっていました。いつの間に! くっ…幻術だな!?
前後サイズは短めで、座面は柔らかめ。へっぽこなポジションで乗っても、受け止めてくれる形状のように思えます。実際に使ってみてどうだったかというと、これはあくまでも「自分の場合」ではありますが、
- 小諸までオーバーナイトで約200km走る
- 鶴見〜箱根〜小田原を約100km走る
- ZWIFTで5時間近くローラーを回し続ける
といった状況下にあっても、尻の痛みは走行に支障ないレベルに収まって無事走り切れています。
以前「アンタレスVSX」で直江津まで走ったときは、碓氷峠のはるか手前で「尻痛軽減のためにコンビニでパフを買ってレーパンの中に仕込む」という涙ぐましい対策をしていました。ですがRidefarrのサドルで小諸に行ったときは、そんな必要性は終始感じなかったです(尻が痛くないとは言ってない)。長年フィジーク信者として生きてきましたが、手のひらを270度ひっくり返して宗旨替えするには十分以上の経験でした。超オススメ!
でもまぁ、結局サドルは「尻に合うか合わないか」で、すべてが決定してしまうもの。誰かのベストは、自分のベストと全然違うことがあたりまえ体操です。気に入った製品に出会えるまでは、旅を続けるほかありません。皆さんにも、よきサドルとの出会いがありますように。
▼ロードだけじゃなくブロンプトンも、Ridefarrに変えちゃうぐらい気に入ってます。
7位 ブロンプトン/ミニOバッグ
ブロンプトンの純正フロントバッグで、ラインアップの中では最小の部類に属する一品。Sバッグのように「大きすぎる」印象は微塵もなく、装着時の主張も控え目です。
▼Sバッグのようなエアブレーキ感は全然ない。
それでいてミラーレス一眼カメラと、その他の装備をバッチリ収めてくれる。この「サイズ感と収納力のバランス」こそが、ミニOバッグの比類無き魅力と言えるでしょう。
購入直後にも、舞い上がってこんな記事を書いたりもしましたねぇ(遠い目)。
かのオルトリーブのOEM製品なので、防水性や品質面も不安なし。「最強のフォトポタバッグ」の称号を、勝手に授与させていただきたいです。え?余計なお世話?そうですか…。
弱点があるとすると、泊まりの日程だったり寒い時期だったりで「着替えを含めた荷物を持ち運びたい」というときに容量が不足すること。
▼カメラに着替えに輪行機材。泊まりの荷物を運ぼうと思うと、前後さらにハンドル周りにも収納が必要になって、ゴチャゴチャになる。
そりゃコンパクト性を優先したバッグなんだから、そこは無理な相談。どうしようもありません。ですから「ミニOバッグ」よりも容量は大きくて「Sバッグ」ほど巨大じゃないサイズ感の「Metro Backpack」が気になってしまうのも、「どうしようもないこと」だと言えるでしょう。
そう、どうしようもないんです!ブロンプトンのバッグが増えていくのは、地球の公転と同じ自然現象。すなわち、天界の摂理にほかなりません。人間ごとき存在には、抗うことのできない事象なのです。おわかりいただけます…よね?
6位 APIDURA/ダウンチューブバッグ
巨大サドルバッグでお馴染みの「APIDURA」が、我々の財布から金銭を強奪するために送り込んだ新たな刺客。それが、この「ダウンチューブバッグ」です(大嘘)。
これまでダウンチューブ下に収納を設けるには、自分の狭い観測範囲だと「ベルト式のダボ穴増設ツールでボトルケージを増設してツールボトルを格納する」とか、「Bikeguyの“どこでもケージホルダー”を使う」ぐらいしか方法が無かったように思えます。
それが、このダウンチューブバッグを使えば、いままでの苦労が瞬時に消滅。ダウンチューブの下に、ツールボトルサイズのストレージをいともたやすく増設できてしまいます。
▼トップチューブの下に着けて、フレームバッグ化してもOK。
個人的には、そのおかげで「ストレス無く雨具を携行できるようになる」というのが、非常に大きかったです。その辺りはこちらで。
▼ベルトの固定力も抜群で、不安まったくなし。写真では見えませんが、ダウンチューブ下にワイヤーがあっても干渉しないようスペーサーが入る芸の細かさです。
5位 レックマウント/レックマウントプラス
多くの善良なサイクリストを、深い深いマウント沼に引きずり込んで離さない「レックマウント」から登場している、サイコンマウントを活用するスマートフォン装着システムです。
サイコン用のマウント(Garmin互換)を使って、アームを装着。専用のケースやマグネットのアタッチメントを介して、スマートフォンやミニキーボードなどを操作しやすい位置に固定できます。
自分はお古のiPhoneと、ミニキーボードを装着。おかげでコンパニオンアプリに機能がなく、キーボード操作が必要な「自由な視点移動」などもストレス一切なしです。
▼トラックパッドつきのミニキーボードなので、カーソル操作もできちゃう。
▼左:サイコンマウントに装着するアーム。奥側の丸いパーツがマグネット式のアタッチメント。 右:専用ケースに格納したiPhone。中央の丸いパーツがスマホリング兼マグネット対応パーツ。
▼スマホを2台装着したところ。「リズムアクションRPG」で遊びながらのZWIFTだってお手のもの。
さらに特筆すべきは、このマグネット式の固定アタッチメント、なんとクルマのエアコン吹き出し口用のパーツも販売されています。スマートトレーナー用だけでなく、日常生活用としても活用の幅が広がりまくりです。これはいいモノだ…ありがてぇ…ありがてぇ…。
4位 R250/ ツールケース スリムスーパーロングタイプ
R250の「ツールケース スリムロングタイプ」を、さらにロングにして収納量を増やした製品。マスターさんが、登場直後ぐらいに記事を書かれていますね。
「スリムロングタイプ」が「スリムスーパーロングタイプ」になって延長されたのは、たったの30mm。なのですが、収納力は驚くほど上がっています。
▼左:「スリムロングタイプ」 右:「スリムスーパーロングタイプ」
これは自分の装備ですが、以下のすべてが丸ごと収納できてしまっています。
- 輪行袋
- ホイールバッグ
- 肩紐
- チェーンハンガー
- ハーフパンツ
- サコッシュ
- 携帯ポンプ
- 延長ホース
- タイヤレバー
- 携帯ツール
- 予備チューブ
ギッチギチに詰め込んでいるので、ツールケースはもう破裂寸前の状態。それでもチャックの周囲が破れたりする気配は、いまのところありません。さすがの品質です。
数年前の輪行ライドでは、大きな輪行袋を運ぶための大きなサドルバッグの装着が不可欠でした。それが@ab_pekoさんの「お手製超軽量輪行袋」によって、普通のサドルバッグがあれば輪行装備を携行できるようになっています。これだけでも、とんでもないパラダイムシフトだと思うのですが、今度はパンク修理用の装備と輪行装備一式が「ツールケースだけ」で持ち運べるようになってしまいました。
つまりサドルバッグを装着しなくても、輪行ライドがラクラク実現できてしまう。
これは個人的には2020年にもたらされた、それこそ「革命」と言えるだけの変化。そして、その立役者こそが、この「R250 ツールケース スリムロングタイプ」にほかなりません。素晴らしい商品を販売していただいたR250の中の皆さまには、心から感謝を申し上げたいです。
3位 お手製輪行袋/2wayブロンプトン用輪行袋
@ab_pekoさん謹製の、超軽量ハンドメイド輪行袋シリーズに追加された、ブロンプトン用の輪行袋。
従来の巾着袋方式の縦型/横型と同じ構造ではあるのですが、ゴムバンドで閉じる仕様になっています。上から被せて使うのであれば「被せるだけ」で、輪行準備が整う。そして駅から出たら瞬時にコロコロ部分のみを輪行袋から出して、転がし移動ができてしまう。素晴らしいにも、ほどがあるでしょう…。
▼この軽さ!このコンパクトさ!
自分のCHPT3 V2はコロコロできないブロンプトン(=下側を開ける必要性がない)なので、普通の輪行袋のように上から入れる形で使っていますが、収納時にゴムバンドの使い勝手が若干気になりました。
そこで標準のゴムバンドを、Amazonで購入した伸縮性のあまり高くないゴム紐に交換。普通の輪行袋のように、自転車を入れたら紐を引っ張って入口を絞る仕様にチューンして使っています。
▼使用時はこんな感じ。
それにしてもです。畳んだブロンプトンの収納も取り出しも、極めてスムーズで苦労レス。しかも、生地がダラッと余る印象もありません。メーカー品のブロンプトン用輪行袋は、ジャストサイズ過ぎて収納に苦労していたのですが、本品にはそれが一切ない。サイズがもう絶妙過ぎて、使うたびに心の底から感心しつつ感謝しています。
▼ブロンプトンを買ったときにオマケでもらった輪行袋(左)よりはるかにコンパクト。mont−bellのコンパクトリンコウバッグ フォールディングバイク用(中)よりも、さらに小さい。
ことし輪行で遊びに行ったときの自転車は、8割がブロンプトンでした。これはブロンプトンの輪行性能もさることながら、この輪行袋の圧倒的な「コンパクトさ」と「輪行しやすさ」によるところが非っっっっ(以下1億2000文字削除)常に大きいです。
もう、最高すぎて、最高としか言い様がありません。語彙力どこー!?
2位 JR西日本/「サンライズ瀬戸」シングルデラックス特急券・寝台券
東京と高松を結ぶ、JR西日本の寝台特急電車「サンライズ瀬戸」。そのA寝台の「シングルデラックス」は、1編成に6部屋しかありません。そのさらに半分しかない禁煙室が、どれだけ取りにくいかは言うまでもないでしょう。
それが、キャンセルが出たのか偶然にも予約可能状態だったので、もう問答無用でポチってしまいました。
そのあたりのいきさつは記事にも書きましたが、サンライズ瀬戸で行く寝台電車の旅は、もう「無類の体験」というほかありません。
そして、このチケットが取れたせいで、残り少ない今年の運をすべて使い果たしたのでしょうか。このところいくらガチャを回しても、新規URがちっとも出てくれません…。
1位 ツクモ/GA7J-F194T/CP2
「パソコンかよ!」以下略。
【本店1F】
インテルCPU即納モデルのご紹介です。
GA7J-F194T/CP2
ゲーム、動画編集、画像加工でも活躍できるスペック!
更に512GB SSD+2TB HDDの大容量デュアルストレージ!連休前にマルチに使えるPCお探しの方必見です! pic.twitter.com/UPFvgeleRg
— ツクモパソコン本店 (@TSUKUMO_HONTEN) August 5, 2020
いわゆる「ゲーミングPC」で、自分には過分すぎるスペック。いやもう、何から何まで「超・速い!」としか言いようがありませんです。
それだけにPC本体はあまりにも重く、あまりにも巨大。置いてあると邪魔で邪魔で邪魔で邪魔で(以下、5億文字削除)仕方ない、というのは否めません。ですが、このマシンを衝動買いしたことで「4K解像度でZWIFTができるようになった」というのは、自分のバーチャルサイクリングライフに、コペルニクス的な転換をもたらしました。
記事にも書きましたが、4K解像度で遊ぶZWIFTはもはや別次元の体験。
そして、余裕のあるスペックのおかげか、「Road Grand Tours」も「Rouvy」も「ONELAP」も、解像度設定を最高クオリティにしてもサクサク動いてくれます。
外出を控えまくらざるを得ない状況下にあって、自転車を楽しむにはバーチャルサイクリングをするほかありませんでした。それを最大限に楽しみまくれたのは、このマシンのおかげですね。今年衝動買いした最高の自転車用品は、間違いなくこのパソコンです。