サイクリング

しまなみ海道。横浜から日帰りできる?

ハーイ!朝香果r…すみません!すみません!親友に部屋を片付けてもらったり、「応援」を「応えん」と書いてポンコツの片鱗をのぞかせる駄文書き、nadokazuです。勉強しないで頭が良くなりたい!

「サイクリストの聖地」をぬけぬけと自称して、石碑まで建立しちゃう。普通に考えると不遜すぎるにもほどがある炎上確定案件なのに、みんなを笑顔で納得させてしまう恐るべき場所「しまなみ海道」。

しまなみ海道

素晴らしい景観、島をつなぐ橋で海を渡る非日常感、路面に整備されたルードガイドなどなど。自転車乗りに最高レベルの体験をもたらしてくれる、国内トップクラスの快走ルートであることに異論はないでしょう。たぶん。

できることなら毎週行きたい!通いたい!なんですが、自分の巣がある横浜からだと、しまなみは700km以上の果てしない彼方ちゃん。滅多なことでは行く機会がない!というのが、正直なところです。

それだけではありません!

家庭内カーストの最下位に属する自分には、土日の片方は家族サービスが義務づけられています。拒否権はありません。つまり「一泊二日しまなみサイクリング旅行」は、どう足掻いても無理だということ。嗚呼…。

だがしかし!

行きたいんですか 行きたいんですね わかる 私もです!

忙しいの? それはただのあきらめです。だから飛び出しますよ 新しい経験へと!

泊まりがダメなら、日帰りすればいいのです。目覚めた冒険DNAに導かれるまま「しまなみ海道、横浜から日帰りできるか?」を、時刻表とにらめっこして考えてみました。旅は、ここから!

で、結論を申し上げると、できます!日帰り!

というわけで、「横浜から行く、しまなみ海道日帰りプラン(素人作成)」をご紹介いたします。

…え? そんな余裕ゼロの弾丸ツアーじゃ行く意味ない? むしろ時間の無駄?

そ…そんなの分かってますよ!その通りですよ!何も反論できませんよ!自分だって住之江旅館に泊まって、ゆっくりじっくりのんびり楽しみたいですよ!うわーん!!これで勝ったと思うなよー!!

しまなみ海道。横浜から日帰りできる?

プラン①朝イチの新幹線で新尾道駅へGO!

東京駅を6:00に。新横浜駅を6:18に発車する「のぞみ1号(博多行き)」に乗車すると、福山駅での乗り換えを経て、新尾道駅に9:51に到着できます。

▼朝イチの新横浜駅ホーム

朝イチの新横浜駅ホーム

東京方面へその日のうちに戻るには、今治駅を18:13に発車する特急「しおかぜ28号(岡山行き)」が最終。岡山駅で「のぞみ64号(東京行)」に乗り換えて、新横浜駅到着は23:27です。

しまなみ海道(自転車歩行者道)の全長は、本州四国連絡高速道路株式会社のサイトによると約80km。8時間以上の時間があるので、尾道駅から3km程度離れた新尾道駅が出発地点だとしても、 余裕で走破できるでしょう。

ただし!ゆっくり食事をしたり、はっさく大福や伯方の塩ソフトに舌鼓を打ったりしているロスタイム分を鑑みると「大山神社に寄り道して自転車お守りを買う」とか「亀老山展望公園にヒルクライムして、おりたたぶごっこをする」など、寄り道して楽しむ時間を確保するのはかなり難しそうです。

個人的には今治に17時頃に到着して、駅近くの「しまなみ温泉 喜助の湯」で汗を流して帰りの電車に乗りたい…!とか思っちゃいます。

なんですが、まぁそこは日帰り弾丸ツアーだし、妥協せざるを得ないでしょう。あ、もちろん剛脚さんはその限りではございませんよ。

▼今治で焼豚玉子飯を食べる時間の余裕もない…かも?

焼豚玉子飯

プラン②朝イチの新幹線で今治駅へGO!

こんどは今治から尾道に向かう、逆方向のルートで考えてみましょう。乗車するのはプラン①と同じ、東京駅を6:00に。新横浜駅を6:18に発車する「のぞみ1号(博多行き)」です。

今治スタートの場合は岡山駅で特急「しおかぜ5号(松山行き)」に乗り換えて、今治駅には11:35の到着です。

尾道からその日のうちに東京に戻るには、新尾道駅19:43発の「こだま864号(岡山行)」が最終。プラン①同様に岡山で「のぞみ64号(東京行)」に乗り換えて、23:27に新横浜駅到着です。

現地滞在可能時間は8時間以上あるので、普通に走破可能なのは間違いありません。

だがしかし!

この「今治→尾道」のプラン②は、「尾道→今治」のプラン①と比べて「スタート時間とゴール時間が、約1時間遅い」という点が大きく異なります。夏場はともかく春や秋だと、ゴールのかなり手前で、とっぷり陽が暮れてしまう可能性が極大。

つまり、しまなみ海道の魅力のひとつである「素晴らしい景観」を、まったく楽しむことができない時間が無茶苦茶多くなってしまうのです。

しまなみ海道

そりゃたしかに「夜のしまなみ」も魅力的ではありそうですが、海に島々が浮かぶあの風景が楽しめないというのは、個人的には行く意味半減どころじゃありません。

…終了!!!

プラン③前泊して今治駅へGO!

そうなると、しまなみ日帰り弾丸ツアーでは「尾道→今治」のルートしか、現実的ではないのでしょうか?

でもでも今治からスタートできると、自分のようなへっぽこ自転車乗りには絶対に見逃せない特大のメリットがあるんです。

それはルート中屈指の地獄エリアである「宮窪峠」を、まだ脚が新鮮なうちに越えられるということ。

峠を回避するルートがあることだって、もちろん調査済みではあります。なんですが、そっちに向かってしまうと、尾道までのルートを示す青いラインの整備が完全ではないっぽいんですよね。ストリートビューで見る限りでは。

▼ルートを示す青いラインの安心感は絶大

しまなみ海道

そうなると、誰とは言いませんが「自分の通っている学校内で道に迷ってしまう3年生」に敗北する方向感覚を誇る自分は、迷走迷走メビウスループをパワープレイした挙げ句に最終列車に乗り遅れる、というシナリオを着実に再現してしまうであろうことが想像に難くありません。

そこで、若干…いやかなり反則気味ではありますが、「前日夜に出発して前泊する」というプランを考えてみました(「タイトル詐欺じゃねーか!」というツッコミは、厳にお控えいただきますよう存じます)。「土日の片方は家族サービス」という、家庭内典範は遵守できますから無問題です!たぶん。

金曜日の夜、仕事を終えて乗車するのは東京駅を20:51に発車(新横浜駅は21:10発)する「のぞみ115号(姫路行)」。姫路駅に到着するのは23:53で、その日は駅周辺のホテルで前泊します。

翌朝は、姫路駅6:54発の「さくら541号(鹿児島中央行)」で岡山駅へ。7:22岡山駅発の特急「しおかぜ1号(松山行)」に乗り換えれば、9:30に今治駅に到着します。新尾道駅19:43のタイムリミットまでは、実に10時間以上!それに9:30に今治をスタートできれば、暗くならないうちに尾道に着くことだって不可能ではなくなりそうです。

プラン④前泊して新尾道駅へGO!

宮窪峠を早めに越えたいから、へっぽこ自転車乗りである自分には「今治出発」が望ましい。

なんですが、そこさえ諦めれば「前泊+尾道スタート」で、現地滞在時間を最大化するプランが組めます。

しまなみ海道

仕事を終えた金曜夜、東京駅を20:51に発車(新横浜駅は21:10発)する「のぞみ115号(姫路行)」に乗車。姫路駅周辺のホテルで前泊するところまでは、プラン③と一緒です。

翌朝は、姫路駅6:39発の「ひかり591号(博多行き)」に乗車。福山駅で「こだま835号(広島行き)」に乗り換えれば、新尾道駅到着は7:32です。

今治駅でのタイムリミット、18:13までの残り時間は実に10時間30分以上。これなら「亀老山展望公園にヒルクライムして、おりたたぶごっこ」だって、ガッツリ楽しめてしまいそうです。あ、自分のへっぽこ脚だと、登坂中に時間切れを迎えるのが確定的なので無理ですけどね!(涙)

よーし!パパ早めに会社を抜けて、このプランでしまなみ目指しちゃおうかな!?

プラン⑤寝台特急を使って今治駅へGO!

休前日の夜、新幹線で姫路まで行って前泊する。そんな計画を心に抱いていた自分のところに、上役からこんな電話がありました。

「18時から会議ね!出社ね!ZOOM?Teams?なにそれおいしいの?(意訳)」

Office365の予定表では1時間の会議になっていますが、時間通りになんて終わらないのが世の常。仕事後に出発して前泊する計画は、大好きを叫ぶ部長(偽名)が暴走した同好会のように、あっさり崩壊しました。嗚呼…。

しかし、そんな哀れな社畜のもとに、救世主が!

それこそが「寝台特急 サンライズ瀬戸」です。

▼昇るサンライズ 見上げてごらんよ

寝台特急 サンライズ瀬戸

サンライズ瀬戸は、東京駅22時発。なので、20時に会議が終われば一旦自宅に戻っても、京浜東北線が遅延さえしなければ間に合います。最悪、横浜乗車というテもありますし。

あとは車内で寝て過ごして、坂出駅で「いしづち1号(7:51発)」に乗り換えれば、今治駅に9:30着。そう、サンライズを使うと東京駅を1時間以上あとで出発するのに、今治駅には前泊するのと同じ時間に到着できてしまうのです。

▼この発車時間が社畜にはありがたい

東京駅

「サンライズ瀬戸」で、日帰りしまなみ。実際どうなの?

極めて社畜的な都合から、「サンライズ瀬戸」でしまなみ海道に向かっちゃうぞ!という決意はできました。1日+αを不在にすることも、嫁様にDo get that!して無事クリア。

なんですが「サンライズ瀬戸」を使うプランには、分厚く高い壁が哀れな社畜を嘲笑うかのように立ちはだかります。

それは「チケットが取りにくい」ということ。JR西日本のサイトをいくらチェックしても、休前日どころか平日も全然席が残っていません。かろうじて取れそうなのは、喫煙室やノビノビ座席だけ。窓口に行って発売開始日の朝イチに抑えないと、やっぱりダメなのか…。

と、絶望していたのですが、取れてしまいました。しかも「シングルデラックス」の禁煙室!これプラチナチケットですよね、十分に。

何日か前に見たときは、空いていたのは喫煙室だけ。それがダメモトで直前にチェックしてみたら、なんと禁煙室に空きが出ているじゃありませんか!おそらく、直前のキャンセルがあったのでしょう。恐ろしい価格に一瞬戸惑いますが、迷ってるヒマはありません。速攻で抑えました。

というわけで期せずして「サンライズ瀬戸」を使った、しまなみ海道日帰り人体実験の実施が確定!以下に、その結果を記載いたします!

「部屋の広さや設備はどうなの?」

さすがにシングルデラックスだけあって、広さは十分。横型輪行袋に収納したロードバイクでも、余裕で収納できるでしょう(部屋の中に入れるにはひと苦労しそうですが)。天井までの高さもちゃんとあって、窮屈な印象はまったく受けませんでした。

▼ウソみたいだろ。電車なんだぜ。それで…

サンライズ瀬戸

部屋の中には寝台のほかに、洗面台とデスク+チェアが設置されています。普通のビジネスホテル並みのクオリティ感はちゃんとあって、まさに動くホテルそのもの。それにA寝台にはアメニティと浴衣もあるので、宿泊に必要な荷物を増やさなくて済みます。

「快適に過ごせるの?」

A寝台は専用のシャワールームがあったり、アメニティが充実してたりするので設備関係に一切の文句はありません。

▼シングルデラックスのアメニティ一式

サンライズ瀬戸 シングルデラックスのアメニティ一式

なんですが、空調出口から同じ号車の喫煙室より流入してきたであろうタバコ臭が!!コレ禁煙室の意味ないじゃん!!

とか

部屋の室温がちょっと高めで、うっすら汗ばむレベル。…だけど、空調は個別の調整不能!!

などなど

眉をしかめることも、割と盛りだくさんでした。ハイ。

「眠れるの?」

「揺れるしうるさいので、眠りにくい」という情報は、事前に収集済み。ただ、そうは言ったところで、横になってるんだから夜中になれば普通に眠くなるはず。目指せよ快眠!勝ち取れ安眠!いざ夢の世界へ!

…私、サンライズ瀬戸をナメておりました。揺れと振動と旅のワクワクのトリプル攻撃を受けるので、全然眠れません。目を閉じて横になっても、熟睡不可能。

枕もシーツも、硬くて眠れない!ノンレム睡眠レム睡眠どころか、一睡もできずに夜明けを迎えました。

▼サンライズで迎えるサンライズ

サンライズ瀬戸から見た朝日

ただ、それ以上に楽しくて楽しくて仕方ない。すべての乗車時間が、最高のワクワクタイム。眠りにくいなんて、些細なこと。ひと晩眠らなくても、大したことはありません!と、あっさり言えてしまうぐらいの体験です。

「尾道のタイムリミットに間に合うの?」

9:30に今治駅に到着して、新尾道駅19:43のタイムリミットに間に合うか、という検証はできていません。我々は…今回も…!!何の成果も!!得られませんでした!!!

なぜかって? 今治駅で降りずに、9:40発の電車でひとつ先の波止浜駅まで追加輪行して、およそ5kmをワープしたからです!姑息!!!

▼ブロンプトンには、ハンデが必要…笑いたければ笑うがいいさ!

波止浜駅

それだけではありません!

波止浜の造船所ゾーンで、偶然フェリー乗り場を発見。来島海峡大橋の中間付近にある馬島まで行けるうえ、すぐ出発時間だったので躊躇うこと無くチケットを購入。しばしの船旅を楽しみました。

▼波止浜の造船所ゾーンでは、何隻もの船がバリバリと建造されています

波止浜の造船所ゾーン

▼船旅たーのしー!

波止浜

そして馬島まで追加ワープした挙げ句、島から橋の上まではエレベータで華麗に登坂を回避しました。脚を節約しまくれたおかげで、地獄の宮窪峠もロードで走ったときとほぼ同タイムでクリアです(死ぬ思いをしていないとは言ってない)。

しまなみ海道

あとはグダグダだったものの、コロッケを食べたり、はっさく大福えいえいおーしたり、瀬戸内の景色をバックに自転車の撮影しまくったり、後藤鉱泉所でサイダー飲んだりしましたが、時間内ゴールは余裕でした。

▼明るいうちに尾道に到着

尾道

尾道でフェリーを降りたら、そのまま新尾道駅まで自走。16:48発の新幹線に乗って、余裕ある時間に帰宅できました。これなら、もう少し尾道で遊んで帰ればよかったかも…。

▼はっさく大福えいえいおー!ウマーイ!

はっさく大福

横浜から日帰りしまなみ まとめ

てな感じで、いろいろ調べた情報と人体実験の結果を雑にまとめます。

日帰りしまなみプランと滞在時間

プラン①(朝イチの新幹線乗車で「新尾道」スタート)
新尾道着 9:51
今治発 18:13
現地滞在可能時間 8時間22分
プラン②(朝イチの新幹線乗車で「今治」スタート)
今治着 11:35
新尾道発 19:43
現地滞在可能時間 8時間8分
プラン③(姫路に前泊して「今治」スタート)
今治着 9:30
新尾道発 19:43
現地滞在可能時間 10時間13分
プラン④(姫路に前泊して「新尾道」スタート)
新尾道着 7:32
今治発 18:13
現地滞在可能時間 10時間41分
プラン⑤(サンライズ瀬戸乗車で「今治」スタート)
今治着 9:30
新尾道発 19:43
現地滞在可能時間 10時間13分
  • しまなみ海道は、横浜から日帰りできる。
  • 前泊なしだと8時間、ありだと10時間程度の現地滞在が可能。
  • 当日往復なら、朝イチの新幹線で新尾道に向かうプラン①がベスト。
  • 前日夜出発で前泊して新尾道からスタートするプラン④は、現地滞在時間が最も長い。
  • 寝台電車は眠れない。ただし、比類無く楽しい旅が確約される。

そして!

  • しまなみ海道に架かる橋は、やっぱり高くて怖い。超怖い!

しまなみ海道に架かる橋

海に架る橋で島々を渡るというのは、しまなみ海道ライドの魅力を高めまくる圧倒的な非日常体験。なんですが、高所恐怖症属性の自分には、1秒でも早く過ぎ去って欲しい地獄の恐怖タイム以外のナニモノでもありません。

「しまなみ海道の橋という橋を、すべてフェリーで華麗に回避する」というルートを、どうにか開発したいところです。いや、マジで。

著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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