サイクリング

新幹線グランクラス!1編成わずか18席のプレミアムシートで、快適輪行できるかな?

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どこか遠い時代に
一人 ポチりあってた

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そっと押した時のFeeling

デジャ・ブー あなたには
シャワーなんかじゃ消せない加齢臭があるnadokazuです。

というわけで、本日の駄文はこちら!

グランクラス!それは、鉄道旅行の玉座!!

JR東日本の新幹線には、グリーン車のさらに上位グレードの座席として「グランクラス」が設定されています。1列+2列の、とんでもなく豪勢な座席配置。ホテルのロビーのような内装。ファーストクラスを思わせる革張りの電動リクライニングシートは、これでもかと言うぐらいに倒れます。

東北新幹線と北陸/上越新幹線で運用されていますが、1編成あたりグランクラスは1両だけ。たった「18席」しかない、プレミアムにもほどがある座席です。

もはや「グランクラス」は…ただの座席ではない…!
君臨した!この新幹線の中で…玉座に…!!

ちなみに東北新幹線だと、アテンダントさんが常駐。軽食や飲料のサービスで、おもてなししてくれるマジモンの「玉座」になります。おいまじか。

ただし!

それだけの超豪華仕様を反映して、運賃も超ゴージャスなことになっています。東京駅から新函館北斗駅までの料金を、えきねっとで表示させるとこんな感じ。


ざっくり「2倍に限りなく近い」という、家計破綻待ったなしの価格であることがわかります。

「輪行旅行で、東北新幹線のグランクラスを使えたら…」

こんなふうに思わないこともないですが、それってファンタジー世界でお城の暮らしを夢想するようなもの。自分みたいな現実世界の残念庶民には、生涯ご縁の無い「別世界の出来事」です。

以上、終了!!

新幹線輪行の、避けられない課題とは?

新幹線で輪行するのって、在来線での輪行とは比較にならない快適さがありますよね。大ぶりなシートに広い通路、車両最後尾座席の後方空間も広大で圧倒的に自転車が置きやすい!

特にJR東日本の新幹線には荷物置き場がきちんと設定されているので、大型トランクとバッティングする可能性も低いです。

快適なシートに身体を沈ませてチキン弁当をパクつきながら超スピードで目的地に向かっていると、サイクリングする前なのにもう満足感で心が満たされます。新幹線って、本当に素晴らしい乗り物ですよね。

そんな新幹線で輪行していて、このところ感じている課題がひとつ。それは「希望の座席を確保する難易度」が、どんどん高くなっていること。

輪行するときは、車両最後尾のE席(2列の窓側)またはA席(3列の窓側)を確保したいところ。けれど週末の晴天が確定するタイミングを待っていると、残っているのは通路側だけ!なんてケースに泣かされることが、去年辺りから増えてきた印象です。

ほかにも「予定より早くゴールできたから、1本前の新幹線に変更しよう」みたいな融通をきかせられなかったり、希望時間の列車に席が無くて泣く泣くグリーンにしたり。こんな経験って長らくしたことなかったんですが、最近は割と立て続けです。

ま、所詮はn=1の戯れ言なんですけどね!

底辺庶民がグランクラス!そのやむを得ない理由

それはさておき、先日参加させていただいたAJたまがわ様のブルベ「BRM713津軽200(最高のコンディションで素晴らしいコースを走れました。主催の皆様には心よりお礼申し上げます)」で、やらかしました。

往路の普通車指定席を無事に確保して、安堵しきっていたせいでしょうか。復路の指定席確保を、完全に忘却。乗車まで2週間を切った辺りで気付きましたが、やはり希望時間帯はグリーン車ですら車両最後尾窓側が全滅していました。

そりゃあ「通路側や3列センター席を我慢すればいいだけ」ではあります。けれど自分のTyrell FSXは、一体型エアロハンドルを装着しているせいで収納時の上部横幅が広め。窓側にハンドルがくるよう設置して自分はリクライニングしないようにするのが、共有部分である最後尾座席後部で占有スペースを最小化する最適解なのです。

「ボクチン眺めのいい窓側がいいんだもーん!」という、自分勝手な感情では決してありません。「輪行自転車がもたらす周囲への影響を最小限にしたい」という、公共の福祉に利する極めて崇高な理由で、車両最後尾「窓側」を強く希望するのであります!!【本当】

乗車時間を早めても遅くしても、見つからない空席。そのとき、私に神の啓示が下りました。そう「はやぶさ」の編成には「車両最後尾」かつ「隣に人が絶対座らない座席」が、ひとつだけあるのです。

…うっ…!頭が…!!

気がつくと東北新幹線グランクラス、マジモンの「玉座」への乗車が決定していました。これは不可抗力なので、私にはどうしようもありません。

実際に乗ってみた

津軽半島を200km走って青息吐息になった翌日、JR東日本の新青森駅。すでに12番線ホームには、乗車する新幹線E5系が入線済みです。

アナウンスとともに扉が開き、乗車しようとするとホームドア近くにアテンダントのお姉様がいらして、丁寧にお辞儀されてしまいました。いきなりの王様待遇です。

いくらお仕事とはいえ、こんなド底辺に頭を下げるなんて申し訳なさすぎます!!心の中で泣きながら土下座して、車内に足を踏み入れました。

なんかもうデッキに入った時点で、普通車とは違う雰囲気が漂いまくっています。グランクラスロゴが輝くドアが開くと、そこは間接照明が多用されたお高いホテルのロビーを思わせるゴージャス空間。自分みたいなへっぽこ人間が、こんなところに存在しても許されるのでしょうか?なんだかもう、宇宙の絶対法則に反している気がしてなりません。

そんな車内空間に並ぶのは、巨大な座席。パーテーションで仕切られていて、いくらリクライニングしても後ろの席には影響が出ない構造になっていることがパッと見でわかります。

自転車を置く車両最後尾のスペースも、「広大」のひと言。床面にテーブルやフットレストのはみ出しは無く、完全にフラット&クリーン。

1人掛けシート側でも、縦型の輪行袋に収納したフルサイズのロードバイクが通路側へのハミ出しほぼゼロで置けそうです(要斜め置き)。そして2人掛けシートのほうは、広さに拍車がかかります。横型輪行袋に収納したロードバイクを、2台並べて置けちゃいそうなレベルです。

シートピッチも余裕ありまくりで、思いっきり脚を投げ出しても前席に触れません。ブロンプトンやDAHON K3なら、足元に置いてもスペースに余裕が残せそう。車内のスペースが、とんでもなく贅沢に使われています。

革張りで大ぶりの座席は、横に鞄を置いてもまだ肘掛けとの間に余裕が残る幅広っぷり。そして背もたれが傾斜するだけでなく、オットマンが下からせり出してきます。超長距離を走った脚に、ウルトラ優しいシート。しかも全部が電動です!!

もちろん、座り心地も最高。背面パーテーション裏側には日立、カワサキと共にレカロのロゴがありました。やっぱりねー!

玉座にふさわしい極上品質のシートですが、東北新幹線は「グランクラスならでは」の豪華サービスを上乗せして、乗客をもてなしまくります。

足元にある小物入れに入っていたのは、車内用スリッパ。使い捨てとはいえ、家に持ち帰っても十分に使える品質感。ここはホテルですか!?

発車してしばらくすると、アテンダントのお姉様が車両前方でご挨拶され「ウエルカムセット」が配られました。袋の中身は紙おしぼり、おつまみ、ミネラルウォーター、メニュー。

紙おしぼりはぶ厚くて柔らかく、自分の知ってる紙おしぼりとは明らかに別モノ。安物感ゼロ。

おつまみはサラミなのですが、米沢牛入りの本格サラミとのこと。よくわかりませんが、柔らかくて無茶苦茶美味!

そしてミネラルウォーターは専用デザインのボトルに入っていて、化粧水と見まがうレベルのオシャレ水。貧乏性の底辺庶民は「ぜんぶ家に持ち帰る」という、卑しい選択をしました。

東北新幹線グランクラスの王様待遇は、それだけではありません!

「リフレッシュメント」として、軽食が提供されます。東北新幹線って、国際線航路でしたっけ?? DEAN&DELUCAタイアップで、有名シェフの監修。グランクラスのロゴが箔押し加工された化粧箱は、これまた高級感の演出が効いています。この箱、中身よりも高いんじゃない?

背面シールに記載された製造元を見てみると「JRクロスステーション」で、普段食べている駅弁を作っている会社さんと同じでした。

そして!飲み物もお酒にお茶、ジュースにコーヒーと大充実。自分はノンアルコールのスパークリングワインをいただきましたが、これも美味でしたねぇ。しみじみ。

そうそう、あとアテンダントさんにお願いすると、お茶菓子も貰えます。パンフレットによると「蔵王クリームチーズとレモンのパウンドケーキ」とのこと。こちらも立派な化粧箱入り。

ホットコーヒーと一緒に提供されたのですが、パウンドケーキはもちろん家に持って帰って嫁様と美味しさに涙しながらいただきました。

東北新幹線のグランクラス、実にやべーです。止まるところを知らない豪華サービスで、容赦なくぶん殴られます。極上、至高、究極などなど、最上級を表す形容詞を語彙の限り並べ尽くしたくなる王様体験。普通の指定席の2倍近い価格も、納得しかありません。

1点だけどうにかして欲しいのが、はやぶさの走行速度。一睡もしませんでしたが、終点への到着は瞬時。もっとゆっくり走って!お願いですから…!

グランクラスのちょっとした落とし穴

東北新幹線グランクラスだと、下り列車に限り出入口から車両最後尾の座席までが長いです。

出入口から車内に入るとお手洗いスペースで、通路の先に自動ドア。

その自動ドアを開けると、こんどは乗務員スペースの通路になり、さらにもう一度自動ドアが行く手を阻むのです。

自転車を抱えて通るには、ちょっと細さを感じる通路。そして自動ドアは手をセンサーにかざす必要あり。ということで座席まで辿り着く苦労が少し多めになることを、覚悟しておきましょう(上り列車は無問題)。

それと北陸・上越新幹線のグランクラスには、軽食サービスがありません。「いい座席に座れる」というだけ。列車の号数によっては車内販売も無いので「グランクラスだから…」と思ってノー準備で乗車すると、悲しい思いをする可能性があります。

まとめ:極上で至高で究極で最高!

輪行のあらゆるストレス要素から全力で解放されるだけでなく、ウルトラ豪華空間での王様待遇。雑に扱われることに慣れきった底辺庶民にとって、それはまさに異次元の体験でした。

大ぶりでフカフカ、思いっきり傾くシートに身を任せるとアッという間に意識が飛びそう。けれど、居眠りしちゃうのはあまりにも勿体ない。くわっと目を開いて、下車駅までの時間を全力で楽しみたくなる。そんな、至高の移動時間を過ごしました。

「グランクラス」は、まさに玉座。神の座席です。

出発から到着まで、ありえないほど快適に過ごせます。なんだかもう丁寧に扱われ過ぎて、意味がわかりません。自分はこんな思いをしていい人間では、決してないはず。社会の底辺を這いつくばるドブネズミ(ドブネズミに失礼だろ!というツッコミ不可)には、あまりにも不釣り合いです。むしろ猛烈な後ろめたさで、心が潰れそう。

でも「こんなにもイイ思いができるなら、またグランクラスに乗りたいねぃ…」という心の声が、どうしても否定できないのです。

というわけで、いまこんな気持ちです!

著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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