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チューブレスホイールとタイヤにETRTO/ISO準拠ロゴが付く日が近い?

チューブレスホイールでフックレスリムを採用するホイールメーカーが増えてきています。それにあわせ、タイヤメーカーもフックレスリムとの互換性を保証するのかどうか、立ち位置の決定を迫られる状況になってきました。

この件についてBikeradarがZippのホイール・プロダクトマネージャーにインタビューしています。

ETRTO規格がまもなくISOでも承認される

ZIPP 303s Disc Tubelss 2021 – Bellati Sport

以下、筆者による記事と図表の読み取りです。

  • 我々は過去2年で多くのブランドからフックレスデザインのリムが登場するのを見てきた
  • より高圧のロードバイクタイヤであっても、フックレスのチューブレスリムで使えるという考えが次第に信じられるようになった
  • 現在ETRTOとISOが全員を等しいスタート地点に戻そうとしている
  • その結果ロードチューブレスのデザインはより安全なものになり、リムとタイヤブランド間の相互互換性が改善されるだろう
  • フックレスリムは2019年にETRTOによって公式に承認されている
  • Zippのリムはその基準に完全に準拠しており、(基準からの)バリエーションも非常に少ない
  • このETRTO規格はまもなくISOによって承認され、真に国際的な規格となるだろう
  • 一般的に「フックレス」と呼ばれるリムは正式には「チューブレス・ストレートサイド・リム(Tubeless Straight Side Rim / Air-Tight straight-side type rims for tubeless cycle tyres)」と呼ばれる
  • フックのあるリムを使用するホイールに頼っている乗り物として、自転車は最後のタイプとなっている
  • 自動車、オートバイさらには航空機さえもすべてフックレスリムを使用している
  • これらはどれも自転車よりはるかに高い負荷と力のもとでずっと重いものを運んでいる
  • ETRTOはヨーロッパの規格だが域外のメーカーもヨーロッパで販売するために準拠している。それに対しISOは国際規格だ
  • Zippによるフックレスリムでのタイヤ破裂テストでは(※当サイト筆者注:チャートによると約16本のタイヤがテストされている)、内径23mmのリム・公称25mm幅のタイヤの多くは12〜14 Bar付近までの高圧に耐えている。10 Barで破裂したのは1銘柄のみ
  • 多くのリムメーカーはより低い空気圧を推奨しているので(Zippの場合、新型303 Firecrestリムで73psi。※10 Barは145psi)タイヤが吹っ飛んでしまうということはまずないだろう
  • Zippは自社のリムをタイヤブランドに送り、彼らが自社タイヤとの適合を保証するかどうか確認してもらっている。ENVEの場合はインハウスでのテストである
  • Zippホイールとの適合が確認されているタイヤブランドはZipp, Schwalbe, Pirelli, Good Year, Rene Herse(Compass), Panaracerの6社
  • Zippホイールに適合するものと推測されるが、ユーザーがタイヤメーカーに確認する必要があるのはVittoria, Maxxis, Michelin, Hutchinsonなど
  • Zippホイールでは安全上の問題から使えないと明確に伝えてきたのはContinental
  • リムメーカー、タイヤメーカーの両者がETRTO及びこれから登場すると思われるISOに準拠するのならどのブランドの組み合わせもうまく行くようになるだろう
  • リムやタイヤがETRTO/ISOに準拠しているかどうかを示す小さいロゴまたはシールが貼られるのではないかと我々は推測している。その結果ライダーは素早く簡単にリムとタイヤに互換性があるかどうか知ることができるようになる

フックレスのチューブレスリムがETRTOに準拠しはじめたのは知っていましたが、これがISO規格にもなりそうだという信憑性の高い情報が出てきたのは嬉しいことですね。また「UST」や「TLE」といったメーカーごとの呼び方ではなく(※これはチューブレスレディ互換に関する呼び名でフックレスかどうかとは関係ありません)、「ETRTO/ISO」ロゴがあったら確かに便利です。

なおISOによって承認される可能性のある規格の図面(の一部)はこちら

またフックレスリムでいちばんタイヤがバーストしやすかった銘柄でも10 bar、多くが14 bar付近までは吹っ飛ばないのであれば、フックレスだから外れやすい、という心配はまずなさそうです。Zippによるこのチャートでいちばん数字が低かったのは恐らくコンチネンタルでしょうか。

Zippでは適合するタイヤについて、自社によるテストではなく相手側に認証してもらうという方法を取っているのも面白いですね。このあたりはライバルのENVEは確かに不利。やってもらったほうが信頼できるわけで、やってもらわないのはもしかして…と思われてしまいますよね。

なおZippの低価格フックレス「ZIPP 303 S」はベラチスポーツでお買い得になっているので検討中の方は下の記事をどうぞ。

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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