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MTBはスマホと同様にこれ以上大幅な進化を遂げることはないという説 ピークは2015年か2020年頃だった?

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過去20年間でスポーツ自転車はどのように進化したか。MTBについての見解なのですが、海外掲示板(redditのr/MTBコミュニティ)で素晴らしく参考になるまとめ投稿を見たのでご紹介します。「2015〜2025年にかけてのバイクの違いは、2005〜2015年にかけてのバイクの違いよりもずっと少ない。今ではゲインはマージナルなものに感じられ、2015年のバイクに乗っている時と同じように乗っている自分を想像できる」というタイトルです。

image from canyon

出典 Feels like the difference between 2015 to 2025 bikes is significantly less than the difference between 2005 to 2015 bikes. The gains feel marginal now and I can imagine myself still riding the same way on a 2015 bike.

以下、スレ主さんによるまとめです。

2005-2015にかけての変化

  1. ホイールが大きくなった。26インチホイールが死んだ。29インチと27.5インチが後を継いだ。これにより乗り方も変わった
  2. ドロッパーポストが登場した。下りでサドルを下げられるようになった。これによりテクニカルなトレイルの走り方が変わった
  3. フロントディレイラーが消えた。フロントシングルがスタンダードになった。ワイドレンジ・カセットのおかげでこれが可能になった
  4. スルーアクスルがクイックリリースに取って代わった。バイクはより固くなった。ハンドリングが改善された
  5. ヘッドチューブは下側が広くなった。これによりステアリングがより正確になった
  6. バイクはより長く、より寝るようになった。これにより安定性が増した
  7. カーボンファイバーが標準的なものになり、エキゾチックなものではなくなった。フレームはより軽く、強くなった
  8. ハンドルバーはよりワイドになった。680mmが740mmになった。コントロールが改善した
  9. チューブレスタイヤが席巻した。これにより低い空気圧が可能になった。グリップが向上した
  10. エアサスがよりスマートになった。調整がより洗練された
  11. ケーブルがフレーム内蔵になった。バイクの見た目がよりすっきりした
  12. リムブレーキが死んだ。ディスクブレーキが勝った
  13. ハブのスペーシングがより広くなった。ホイールはより強くなった
  14. ステムはより短くなった。90mmが50mmになった。バイクのハンドリングがより良くなった
  15. チェーンガイド・マウントが標準的になった。適切なプロテクションを得られるようになった

2015-2025にかけての変化

  1. ディレイラーハンガーが標準化された。ワンサイズで多くのバイクに対応できるようになった
  2. 電動シフトが現れた。バッテリーがケーブルの代わりになった
  3. ジオメトリはさらに進化した。バイクはさらに長くなった。シート角はより険しくなった
  4. ホイールサイズの混合が現れた。フロントはビッグ、リアはスモール
  5. フレーム・ストレージが内蔵されるようになった。ツールやスペアが中に入るようになった
  6. カセットはよりワイドになった。52Tのコグは当たり前になった
  7. アジャスタブル・ジオメトリが現れた。バイクはアングルを変えられるようになった
  8. タイヤのケーシングが改善された。サイドウォールがよりタフになった
  9. フレームプロテクションがより良くなった。バイクはより静かになった
  10. フレーム素材が混合するようになった。カーボンとアロイが協調するようになった
  11. チェーンステイの長さをフレームサイズに合わせるようになった。大きいフレームならステイもより長くなった
  12. 電動サスペンションが登場した。セッティングは自動で変わるようになった
  13. ボトムブラケットの標準が簡略化された。プレスフィットは人気を失った
  14. カーボンのレイアップがよりスマートになった。異なる種類のカーボンが異なる箇所で使われるようになった
  15. タイヤインサートが標準的になった。フォームがリムとタイヤを保護するようになった

最初の10年間は大きい変化をもたらした。次の10年間では、いろいろ良くなりはしたが、違うものが生まれたわけではなかった。

コメント数が152と盛り上がっているスレッドで、中には「ホイールのマレット(サイズ混合)はずっと以前からあった」という意見、「2015年以降の改善の積み重ねは目覚ましいものがあり、決してマージナルとは呼べない」という意見など、いくつかの異論は出ていますが、スレ主さんのこのまとめは非常に参考になるものだと感じました。

ロードバイクの世界も同じような視点で眺めるとおもしろいと思いました。個人的にはどのフレームもドロップド・シートステイを採用するようになった頃にロードバイクの最適化は完了した、という印象を持っています。

スレッドを眺めると、スマホでもクルマでも同じようなことが言える、これからはもう大きい進化はない、という意見が見られます。読んでいて、これはもう資本主義社会のライフステージと重なっているように思いました。また、MTBの世界ではバイクの進化のピークは2020〜2021年頃だったのではないかという意見があり、そのように感じている人も少なくないように見えます。

現行の大きいシステムの枠内での最適化とチューニングは、ほぼやり尽くされた。これから何か大きい進化が起きるとしたら、システムそのものがリセットされる時になるのではないか、という気がします(そしていまの世界情勢とトランプ政権の動きを眺めていると、そういうリセットがそう遠くない将来にやってきそうな気がしないでもありません)。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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