SCIENCE OF ORDER
CBNの物欲テクノロジーと
イノベーションの頂点である
新しいnadokazuです。
というわけで、本日の駄文はこちら!
しまなみ海道を舞台にした、自転車漫画があった!
しまなみ海道。それは、言わずと知れたサイクリストの聖地(自称!)です。そんな、しまなみ海道を舞台にした自転車漫画があります。
その作品は「しまなみぽたぽた」。竹書房「まんがライフWIN」掲載の4コマ漫画で、著者は東屋めめ先生(代表作はTVアニメ化もされている「リコーダーとランドセル」)。
公式サイトによる作品紹介は
東京から愛媛に転校してきた女子高生ななみ。好きなペースで気ままに自転車散歩「ポタリング部」へ入部! 制服×自転車×ご当地物語♪
公式サイトより引用
という感じで、単行本が2巻まで発売されていて、現在も連載中です。
識者の皆様におかれましては、「今さらなに言ってんのコイツ?」という感じではあると思うのですが、わたくし最近になって初めて読んでツボりました。
主人公の自転車は、ママチャリ!
本作に付いている副題は、「瀬戸内チャリ散歩」。今治に引っ越してきた運動嫌いの主人公が、転校した学校で入部したポタリング部郷土研究部で「しまなみ海道(とその周辺エリア)をゆるポタする」ことがお話の中心になっています。
ひと言で言うと、ゆるふわ。
「ゆるふわ自転車漫画」というと、大学生が主人公(CV:東山奈央)のとある自転車漫画を思い浮かべる方も多いでしょう。こっちの「ゆるふわ自転車漫画」に慣れていると「斜度のある平坦」とか「下り基調(登坂が無いとは言ってない)」などなど、ゆるふわの定義が大きく揺らぎます。
なんですが、本作は「本当に」「ガチに」ゆるふわです(登坂が無いとは言ってない)。公式サイトの作品紹介にもあるとおり主人公の搭乗機は「ママチャリ」で、小径スポーツ自転車ですらありません。
通学ヘルメットと制服姿でペダルを漕いで、疲れたら容赦なくフェリーを使ってラクをしてます。ロードに乗っているキャラも出てきますが、ガチライドする要素は皆無です。少なくとも既刊の2巻までで、ガチライドするお話は一切ありません(登坂が無いとは言ってない)。
これは自転車漫画…なのか?という疑問
「しまなみぽたぽた」は自転車漫画ではあるのですが、お話としてはどちらかというと日常系漫画の要素が強め。高校生が主人公、学校の部活動として自転車に乗る、ママチャリ中心という自転車漫画には、わだぺん。先生の「東京自転車少女。」がありますが、自転車漫画成分の純度は「東京自転車少女。」の方が明らかに高いです。
「しまなみぽたぽた」を、本当に自転車漫画として紹介していいのだろうか?という疑問を感じないわけではありません。ご当地ネタは満載だし、自転車メインじゃないエピソードだってふつうにあります。
けれど本作には「自転車で走るからこそ得られる体験」がきっちり描かれているし、自転車を使わずには成立しないネタも頻出。しっかり「自転車漫画」なんですよね。
あと、この作品を「自転車漫画」たらしめているのは、実にしっかりとした自転車の描き込みでしょう。ロードバイクも出てくるのですが、違和感のある描写がこれっぽっちもありません。これは望外の僥倖でした。
我々は自転車を日常的に見慣れているだけに、クランクの位置がヘン!とか、パーツの配置が逆!みたいなことがいちいち気になる、口やかましい老害視点を捨て去ることができません。
けれど、本作は見ていて、自転車の描写に気になるところがほぼ無い。余計なストレスを感じることなく、お話に没入できます。
自転車漫画だけど、熱くない。それがいい。
また本作が他の自転車漫画と大きく違うのは、「熱さ」がないこと。謎ルールのインターハイに勝ちまくる作品とか、世紀末的風貌の皆さんと自転車パーツを賭けてデストライドする作品とは真逆の方向性。主人公の強い意志とか目的意識みたいなものは、敢えて明確には描かれていないように思えます。
作中にイヤなヤツはひとりもいないし、深刻な事態はなにも起きません。ひたすら平和。地動説を唱えて拷問されたり、白い悪魔に部隊を全滅させられたりする世界とは無縁です。
仲良しのクラスメイトとの他愛もないやりとり、ゆるポタの楽しさ。そして自転車が広げてくれる、新しい体験。自転車漫画として十分以上のクオリティがありながら、日常系の漫画としてもキッチリ面白いです。
もうね、これでいいんですよ。漫画なんだから。リアリティ?なにそれおいしいの?
そんなわけで、わたくし個人的に「しまなみぽたぽた」を超応援しています。
ガチ勢もゆるポタ勢も楽しめる、危険な作品。
自転車好きなら、属性関係なく楽しめる「しまなみぽたぽた」。舞台が舞台だけに、見覚えのある風景が頻出します。
しまなみライドの楽しかった思い出が、ページをめくるたびに強制フラッシュバック。そのうえ、「え?そんな場所あるの!?」という発見までプラスオンされちゃうのだから、始末に負えません。
「しまなみぽたぽた」を読むと、「しまなみ海道に行きてぇ!!」という猛烈な衝動が体内のあちこちから噴き上がります。今すぐすべてを放り出して、しまなみ海道に行きたくなる。誰にでもオススメできる本作ですが、実は重篤なしまなみ中毒を再発させる危険性に満ちたやべー作品でもあるのです。
それでも!
ほっこりできるし、ニヨニヨできるし、読んでハッピーになれるのは、間違いありません。
読んでみな…飛ぶぞ!!
ところで、「しまなみくるくる」のほうは2巻マダー??