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過去10年で「大躍進」または「凋落」した自転車(関連)メーカーはどれだと思いますか?(海外掲示板の議論観察)

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過去10年での躍進(改善)が目覚ましい自転車(関連)メーカーはどれだと思いますか、というスレッドを海外掲示板で見かけました。同時に、過去10年で凋落してしまったメーカーはどれだと思いますか? というスレッドも立てられています。観察してみましょう。

出典 Which bike manufacturer has really improved in the last 10 years?
出典 Which bike manufacturer really fell off in the last 10 years?

Decathlonの勢いがヤバい?

まずは「過去10年での躍進が目指しいメーカー」として挙げられたもので、「いいね(Upvote=賛成票)」が多かったものから順に並べてみます。

  • Decathlon(189いいね)
  • Canyon(68いいね)
  • Quintana Roo(42いいね)※トライアスロン
  • 中国のダイレクトブランド(Winspace, Seka, Yeoleo, Farsports, Light Bicycle等)(15いいね)
  • Ribble(11いいね)
  • Lauf(5いいね)

挙げられているどのメーカーについても詳細な議論が行われており、賛成・反対両方の意見があるのですが、全部ご紹介すると膨大になってしまうので、ここでは最も注目されているDecathlon(デカトロン)についての意見を少しだけご紹介します。

  • 昨日デカトロンの自転車コーナーをチェックしに行ってみたけど、自転車専門店より良いと思える時があるよ。品揃えも良いし、アクセサリーもたくさん(全てではないけれど)あるし、売り場にいる人は大体自転車のプロです。とても親切です
  • デカトロンの価格に勝つには中古に行かない限り無理です。フルカーボンのVan Rysel(エントリー・ミドルコンポ)が1200ポンドくらいになっているのを見ました。他のどのメーカーもこの価格には及びません。私はVan Ryselのフルカーボンシューズも持っていますが、素晴らしいです。100ポンドしなかったですし、カーボンシューズについてはこれも他のメーカーは全然及びません。デカトロンの自転車部門を担当している人は本当によくわかっている人だと思います
  • 昨日Triban RC520を受け取ってきました。びっくりするくらい良いバイクです。新品で620ユーロで、3倍くらいの価格がする自転車のように感じます

2位のCanyonについては、筆者の観測範囲では、過去1年くらいでカスタマーサポートの品質低下やスモールパーツの入手性の悪さを指摘するコメントを多く見かけるようになってきたのですが、それでも過去10年というスパンで見ると大躍進を遂げたメーカー・ブランドと認知されていることがわかります。デカトロンがD2Cにさらに力を入れてきたら、Canyonにとっては大きい脅威になりそうですね。

中国ブランドしては、なかでもWinspaceがいちばん人気という感じがします。Laufがランクインしているのも納得できますね。トライアスロンではQuintana Rooがかなり高評価でした。

カンパを心配する声が多数

さて、次は「過去10年で凋落・落ちぶれてしまったメーカー」スレッドを眺めてみましょう。こんな結果になりました。

  • Campagnolo(319いいね)
  • Bianchi(275いいね)
  • Raleigh(115いいね)
  • Cannondale(73いいね)
  • Felt(69いいね)
  • Kona(58いいね)
  • All-City(52いいね)
  • Scott(51いいね)
  • Jamis(32いいね)
  • Specialized(19いいね)
  • BMC(19いいね)
  • Masi(15いいね)

Campagnoloは、完成車メーカーではなくコンポやホイール等のメーカーですが、かなり多くの人が「ダメになった」と受け止めているようです(しかしホイールやウルトラトルク・クランクシステムやパーツの入手性など、圧倒的に素晴らしいところもある、という評価もあります)。

CampagnoloとBianchiについてのコメントを少しだけピックアップしてみます。

  • Campagnoloは悪いものは作らないのだけれど、明らかにShimanoやSRAMのペースに追いついていない。最近ではメディアへの露出は中国のいくつかのブランドに負けているほどだ
  • カンパはオート・クチュール(高級仕立て服飾)に、少数の人に受けるステータスシンボルになりたがっているんだ。レース用バイクのためではなく
  • 2024年のBianchiは本当にひどい。最もゴージャスで畏怖の念を抱くようなバイクから、なんだこのバイク、という感じになるまでたった1年だった
  • Bianchiはチェレステカラーのバイクを売るのをやめたら15分で倒産する。彼らはまずペイントの会社であり、自転車作りは二の次なんだ

こうしたカンパやビアンキへの評価にも、もちろん反論意見がたくさん寄せられています。しかし全体的には、上で挙げられているメーカーはどれもいまなんとなく調子が悪そうだ、迷走している、という評価が多いようです。

KonaやAll-Cityなどは、バイクの品質が悪くなったのではなく、経営上の問題が指摘されているためランクインしているところも留意したいところですね。自転車自体はとても評判が良いように見えます(Konaはブランド復活の兆しがあり、All-Cityは惜しまれながらもブランド終了が決定しています)。

Cannondaleはエッジーところがなくなってマス向けになってきたな、しかし同じグループに属するCerveloなどは調子がいいし何故なんだろうね、という声や、FeltやScottやBMCは最近勢いがないのかな、等の声も見られました。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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