ボトル関連製品レビュー

CAMELBAK PODIUMステンレス!真空断熱の保冷力で、真夏のライドに革命が起きる!…かな?

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いつも登べない峠(ハードル)を
負けない気持ちで
クリアできないnadokazuです。

出し切れない実力は
誰のせい?

というわけで、本日の駄文はこちら!

CAMELBAK PODIUM STAINLESSって?

自転車用ボトルのメジャーブランド、CAMELBAK。同ブランドのド定番ボトルであるPODIUMシリーズのラインナップに、2024年の3月頃に加わったのが「PODIUM STAINLESS」です。

PODIUMのボトルというと、自分はこれまで断熱材が入って「従来の2倍の保冷機能を持つ」と謳われる「チル」を愛用していました。

なんですが「断熱材無しのボトルと、使用感にそれほど大きな違いを感じないなぁ」というのが正直なところ。

確かに差異はあるのでしょうが、氷と水を入れても結局はすぐぬるま湯になってしまいます。断熱材程度では、夏の暑さに太刀打ちできない。これが、自分の中での最終結論でした。

事前に冷凍庫でカチンコチンにしておいても、炎天下を走ると瞬く間に中身はぬるま湯。自分の体内組織もこうなっているのかと思うと、背筋が凍りますねぇ…。

だがしかし!PODIUM STAINLESSは違います。金属ボディと真空断熱による保冷力は、もう完全に別ステージの領域。公称保冷時間は、実に14〜18時間の長さです。これはつまり、「最後の一滴に至るまで冷たさを維持してくれる性能がある」ということ。これまでのPODIUMシリーズとは、次元が違うレベルだと言える製品です。

ただし!お値段の方も次元が違っていて、ふだん使っているPODIUM CHILL(チル)が2,640円(税込)〜。通常の4倍の保冷性能を誇る「PODIUM ICE 620」ですら4,400円(税込)なのに対して、「PODIUM STAINLESS」は小さい530mLのほうでも、6,600円(税込)。チタン製のPODIUM TITANに至っては22,000円(税込)!!

興味はあってもさすがに手を出せずにいたのですが、連日の熱波は夜間ですら外走りを躊躇うレベル。そのうえ7月に200kmブルベを走ることを決めてしまい、いよいよ背に腹をかえられなくなりました。

そんなわけで、カートに入れて購入ボタンを押下。普段であれば物欲のままのポチりでしょうが、本品に関してだけは決定的に事情が違います。私の清く澄み切った心に、物欲などの俗物的心理は欠片もありません。そう、これは「命を守る行動」なのです。

サーモス(THERMOS)の断熱ボトルでよくない?

本品のコンペティターとして、真っ先に挙がるのがTHERMOSの自転車用断熱ボトルでしょう。真空断熱機構での保冷機能を持ったサイクルボトルは、THERMOSがパイオニア的商品。評判も悪くない感じで、自分もカートに入れて購入ボタンを押すだけの状態になっていました。

しかしながら、結局ポチるには至っていません。

個人的に気になったポイントは飲み口の機構が違うところと、「フタを開けてから飲む」というスタイル。

実際の操作はボタンを押すだけなので、手間なんて無いに等しいはず。とはいえ使い慣れた道具の操作が変わってしまうのって、機材の変化・進化についていけない老害には購入を踏み留まるのに十分大きな要因でした。

「CAMELBAK PODIUM STAINLESS」のストロングポイントは?

個人的なPODIUM STAINLESSのつよつよポイントは、飲み口の形状。長年使い続けていたサイクルボトルと同じ文法で作られていて、給水時にカバー開閉の必要もありません。

斜度2%を超える登坂の真っ最中など限界領域の走行状況下では、ボトルの開閉ボタンをワンプッシュするだけでも絶大な負荷です。けれどPODIUM STAINLESSならボトルケージから取り出して、そのまま水が飲めます(若干飲み方は違うので、そこは後述)。

また表面素材が単一で、スッキリした見た目になっている点も個人的にはツボでした。THERMOSのメカメカしい見栄えも好みではあるのですが、二者択一だったらこっちを選びますね。

飲み方は、普通のボトルと少し違う。

普段使っているボトルだと、給水時はボトルを押しつぶすようにして水を出します。けれどPODIUM STAINLESSは、ボトルを潰せません(そりゃ金属製ですから)。ボトルを傾けると、水が自然に出てくる構造になっています。

とはいえドボドボと完全スルーで出てきちゃうわけではなく、チロチロぐらいの制限された流量。また口を付けて吸い込むと、その分だけ多く水を飲むことができます。「思いっきり水が飲みたい!」という時にも、ストレスは感じませんでした。

キャップ部分に装着されたストロー状のパーツがボトルの奥に空気を送り込むので、傾けるだけで飲み口から水が出てくるし、吸えばその分だけ出てくるという仕組みのようです。

そうそう、かけ水する場合の水量はボトルの傾きである程度は制御できますが、自然に出てくる以上の水量を出すことは不可能。「思いっきり水をかぶりたい!」という要望には、応えてくれません。でもまぁ普通にかけ水する程度なら、ちっとも困らないぐらいの流量はあります。

飲み口付け根のレバーを回転させることでロックが可能なのは、既存のボトルと同様。もちろんロック状態では、逆さにしても水は出てきません。

ロードバイクのボトルケージであれば、非ロック状態でも走行中に水が出てきちゃうことはないでしょう。オプションのダストカバーを装着すれば、ほぼ完璧にロック不要で走れるはずです。

ウチのタイレルFSX/FXはトップチューブ上に水平に近い角度での取付になるし、飲み口の汚れも気になるのでカバーを付けました。

抜き差しでキズだらけになるのが確定!どうする?

本品の既知かつ最大のネガティブ、それは「ボトルケージからの抜き差しを繰り返すとキズだらけになる」というところ。樹脂製のボトルケージを使っていても思いっきりキズが入るみたいで、ショップさんのブログなどでも話題にされています。キズ対策として、ガラスコーティングをサービスするショップさんもあるとか。

ボトルのキズに関しては「どうせ消耗品、キズぐらい付く!」と、これまで完全に諦めモードでした。けれど本品は普通のボトルとは、違うのです。お値段が!!

この値段の品物を「消耗品だから仕方ない!」とは、さすがに割り切れません。そのうえ表面処理が美しいので、キズや汚れは余計に目立ちまくります。どうする!?

CAMELBAKからは、純正品として「パーフェクトフィット・ポディウムケージ」が販売されています。樹脂製でボトル表面への攻撃性も低そうだし、なにより純正!これなら大丈夫…かと思いましたが、ネットを彷徨って調べた限りではあまり大丈夫じゃなさそう。

ダメじゃん!!!

そんなわけで、養生テープで養生して使ってみることにしました。うわーん!! せっかくの見栄えが台無しだぁーー!!

とはいえこのボトルにキズが入ると、心にも深い深い「痕〜きずあと〜」が刻み込まれてしまいます。購入前からわかっていたことですが、これには頭を抱えるほかありません。

見栄えとキズ防止を両立できる解決策は、現状では無さそう。そうなると、ここは「純正シリコンケース」とか「PODIUM STAINLESS専用キズ防止ボトルケージ」などをぜひ開発販売して欲しいところ。

「パーフェクトフィット・ポディウムケージ」も日本市場向けの独自開発商品らしいので、どうかご検討ください!ライトウェイプロダクツジャパンさま!!

PODIUM STAINLESSを、実際に使ってみた!

それでは実戦で見せてもらおうか、真空断熱保冷ボトルの性能とやらを!2024年7月6日に開催された「サイクルボール 伊豆いちチャレンジDAY」が、PODIUM STAINLESSの初陣になりました。

「伊豆いち」は、サイクルボールの最凶コース。短い方のメインコースですら、走行距離126.3Km/獲得標高2,891mという魔のスペックを誇ります。しかも去年は内浦〜戸田〜土肥という海沿いルートで松崎に向かっていたところが、「サイクルボールSeasonV」では達磨山〜西伊豆スカイライン〜仁科峠という登坂マシマシルートに変更されました。

このルートを引いた方、人の心とか、ないんか…?

そして、なにより致命的なのはショートコースが設定されていないこと。

大事なことなので、もう一度書きます。

伊豆いちに! ショートコースは!! 設定されて!!! いません!!!!

「ヤダーーッ!!!」

学校はじまって以来の才女のような悲鳴が、脳内に響き渡ります。しかし全コースをクリアしてドヤ顔するためには、「伊豆いち」も絶対に避けては通れません。

獲得標高2,891mの地獄に立ち向かう、大きな勇気をくれたのが「サイクルボール伊豆いちチャレンジDAY」の開催でした。なにしろ、参加費は無料!それなのにサポートカーが出るうえ、途中に給水や補給のサービスがあります。そのうえ完走したら、豪華なお土産までもらえてしまう。最高としか言いようがなく、こんなの参加しない方が損です。もしチャレンジDAYが開催されていなかったら、伊豆いちを走らないままシーズン終了を迎えていたかもしれません。

そして当日。天気予報から雨マークが消え、レインウェアを詰め込んだサドルバッグはあっさり出番を喪失。空はほぼ雲に覆われていましたが、気温は朝から30度超えです。

昼過ぎには、山の中の割と標高がある場所でもGarminの気温表示で40度を軽々と突破。伊豆半島は、灼熱地獄と化しました。きっと蓮ノ空の攻撃だよ。

なにしろ途中のコンビニで買った凍ったアクエリアスですら、バックポケットに入れて走ったら30分しないうちにほぼ解凍状態になる始末。熱線を浴び続けながらサウナの中を走るようなモンですよ、こんなの!!

だがしかし!

そんな状況下にあっても、PODIUM STAINLESSの中に入れた水はずっと冷えたまま。自動販売機で買ったペットボトルから補充した水も、ぜんぶ飲み干すまで中身がぬるくなることはありませんでした。

「走行中、いつでも冷たい水が飲める/かぶれる」これは真夏のライドにおける、絶大なアドバンテージです。このありがたさは、想像を遥かに超えていました。

ひと口飲めば、喉がキュッと冷える。
かけ水しても、気持ちよさが段違い。

この快適性を一度でも体験してしまうと、炎天下における「冷えた水」の価値を思い知らされます。飲むなら1リットルのぬるい水よりも、ひと口の冷たい水です。ぬるくなった水をいくら飲もうが、かけ水しようが「きっちり冷たい水」の前では無力に等しい!と、断言できます。

このボトルは、アレです。レーダーと同じで「いちど使うと、もう元に戻れなくなる」タイプの機材ですね。わたくし、夏場はもうPODIUM STAINLESS無しではいられません。

まとめ:今すぐポチるのが絶対に正解!

「危険な暑さ 屋外の活動は中止」

そんな防災アラートが毎日のように通知され、生命の危険を感じる領域にガッツリ踏み込んでいるとしか思えない昨今の暑さ。水分の摂取と身体の冷却は、熱中症予防どころか冗談抜きで生命維持にまで関わる重要な課題になります。

真空断熱保冷ボトル「PODIUM STAINLESS」は、最後の一滴に至るまで中身の冷たさを維持できる性能を持った、真夏のライドにおいて圧倒的なアドバンテージを有する製品です。

本品には「ボトルケージへの出し入れでキズがつきやすい」ということのほかに、「重い!」というネガもあります。そして飲む量の調節には「傾き」と「吸う力」の2つを意識する必要があるので、押しつぶすだけのいつものボトルよりストレスは多めです。

けれど時間が経過したあとも「冷たい水が飲める/かぶれる」という機能には、その程度のネガを雲散霧消させるだけの価値が間違いなくあります。これこそ、ゲームチェンジャーと呼ぶにふさわしい製品です。

季節柄売れまくっているみたいで、Amazonでもサイズや色を選びづらい状態になっている様子(執筆時点)。けれど、もう四の五の言ってられないと思うのです。希望の色やサイズが無くても、「在庫があったら即買いする」しか選択肢はありません。

PODIUMが無かったら、THERMOSでもいいです。「次のライドから真空断熱保冷ボトルを使えること」が、ボトルのブランドや色なんかよりも遥かに重要です。

この夏の炎天下でライドに挑むなら、真空断熱保冷ボトルで冷たい水を携行して、これまで以上の快適性と安心感を確保しましょう!

▼ 保冷ボトルをポチるなら、本稿内で言及できていないモデルや関連製品も紹介されているマスターさんの記事をご覧ください

【熱中症予防】すぐ手に入る保冷対応サイクルボトル・ステムバッグ特集
真夏本番のような酷暑が続いています。ライド中の熱中症を予防するため、この時期は保冷対応のボトルを携行したいところです。現在Amazonですぐ入手できるものから、メジャーな製品・おもしろそうな製品をピックアップしてみたので、気になったものがあ...

そうそう、養生テープで保護した私の「PODIUM STAINLESS」、120km走り終えた時点で養生テープは特にボトルの下部側が見る影もなくボロボロになっていました。けれど、テープを剥がして激落ちくんで残った糊を落としたら、本体に目立ったキズは見当たりません。養生テープ作戦、もしかしたらキズ防止に効果的かも!?

著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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