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外装5速化で、ブロンプトンが坂に強くなる!って本当なのかな?【MiniMODs】

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寂れた地方のCBNセン学園。
そこに1人のブロ男が現れる。

名は、nadokazu。

その圧倒的な駄目走りは、
あらゆる常識を覆していく。

というわけで、本日の駄文はこちら!

外装5速化したブロンプトンが最高すぎる。

もう、何回だって言います!外装5速化したブロンプトンは、最高です!!

内装変速機が発生させていた、ペダリングのストレス。ずっと感じ続けてはいたけれど、見て見ぬフリをしていたブロンプトンに対するネガ感情がウソみたいに消え去りました。こんなにも気持ちよく、ペダルが回る!走れる!!しかも、折り畳んだときのコンパクトさが相変わらずハンパない!!

このところ年単位で出番のなかったブロンプトンですが、直近では登場頻度がバンバン上がっています。

車輪付き輪行袋「ころがーる」を使えば、輪行時における車重のネガも最小化が可能。

▼ 参考記事

ブロンプトン用キャスター付き輪行袋!ころが〜るで、極楽輪行できるかな!?【ミズタニ自転車別注】
“輪行中年”――それは、誰もが憧れる「職業」である。 面接先で怪異に巻き込まれたnadokazuは、 ベンチャー企業『コロガール』に 新卒入社することになり…!? というわけで、本日の駄文はこちら! ころが〜る!唯一無二(多分)の「キャスタ...

そうなると出先でのサイクリングが「ゆるポタ確定」なら、DAHON K3を押しのけてブロンプトンが個人的ベストチョイスになりそうです。

「外装5速化改造ブロンプトン」なら、どこまでも行ける気がするよ 空の向こう!!

「内装変速なし」でも、坂に強くなれる?

前の記事でも書きましたが、この外装5速化キットの存在を知ったのは横浜山下町のオシャレ折り畳み自転車専門店「グリーンサイクルステーション」さんのブログでした。

そこには、はっきりとこう書かれています。

「BROMPTONが坂道に強くなる」

坂は、自転車の世界におけるデスピサロとも言うべき絶対悪。自分はこれまで坂によって幾度となく阿鼻叫喚の地獄を味わい、押し歩きの屈辱を強いられてきました。坂は怨嗟の対象であり、憎しみ以外の感情を持ちえない存在です。

そんな坂に対して、機材の力で一矢報いることができる。なんて素晴らしいんでしょう!!「坂に強くなる」という6文字は、自分の心に深く深く突き刺さりました。

ですが!私はこのブログの記述に隠された、恐るべき真実に気づいてしまったのです…!

GCSさんが当該のブログ記事で紹介されているのは、6速モデル。つまり「坂に強くなる」のは、内装変速機を残して内装3段×外装5段にした場合に限定された記述になっていると考えられます。

じゃあ自分みたいに「内装変速機を取っ払って、外装5段変速だけにした場合」ってどうなんでしょうか?平坦では最高の体験を提供してくれた、外装5速化。それがまさか「ステージが坂になると実はノーマル6段変速より弱体化していた!」なんてことは…ありえない…ですよね?

ペダル1回転あたりの走行距離を計算してみた。

内装変速なしでの外装5速化改造を施した後に気付いた、やばすぎる可能性。坂の走破性に関わる「ペダル1回転あたりの走行距離」を、震える手で計算してみた結果は以下のとおりです。

まずは、ノーマル6段変速の最ローギア。
チェーンリングが50T、外装スプロケのロー側が16T、内装1速のギア比が0.64、タイヤ周長が1,324mmとすると

(50÷16)×0.64×1,324=約2.65m

という計算結果になります。

次は6段変速モデルを、外装5速化キットで合計15段変速にした場合です。スプロケが16Tから25Tになって

(50÷25)×0.64×1,324=約1.69m

ノーマル比で、1m近く短縮。ペダリングが、もう大幅に軽くなっていることがわかります。かなり凶悪な斜度でも、これならシッティングでだってクリアできちゃいそう。確かにこれなら、ノーマル比で「坂に強くなった」と言っても異論が噴出することはないでしょう。

そして、内装変速機なしで外装5速化した場合はどうかというと

(50÷25)×1,324=約2.65m

スプロケが25Tになったおかげで、ペダル1回転あたりの走行距離はノーマルの6段変速とほぼ同じ!という結果でした。

とりあえず内装変速機なしの外装5速化でも「登坂力がマイナスにはなってない」ということがわかって、ひと安心。そして、この仕様では内装変速機がパージされていますから、

  • 内装変速機の走行抵抗がない。
  • リアホイールが軽くなっている。

という登坂においても間違いなく有効に作用する、2つのアドバンテージがあると言えます。まぁ「実際どれだけのプラスが得られるのか」は、正直さっぱりわからないんですけどね!

こんなとき、いろいろ検証方法を教えてもらえるツテも、自分で考える頭も持っていない底辺のぼっち自転車乗りには何ができるでしょう?

確証を得るための選択肢は、たったひとつ。
「実際に、坂に行って確かめる」それだけです。

幸いなことに、自分の手元にはヤビツ峠に純正6段変速のブロンプトンで登坂した時の計測データがあります。ここに外装5段変速のブロンプトンによる登坂タイムが用意できれば、n=1でちっとも根拠になってないことを除けば他にツッコミどころがない完璧で精緻な検証が可能になるでしょう。

実際に行ってみた。

というわけで、きちゃった…名古木交差点。よくよく考えれば自分がヤビツに登坂して外装5速化ブロンプトンでのタイムを計測したところで、根拠データとしては無意味。誰にも、どこにも、一切のメリットをもたらしません。自虐以下の、みっともないだけの行為です。やっぱり、このまま帰宅しちゃおうかな…。

とはいえ、ここまで来た段階で引き返す選択肢はありません。坂はいやだ!俺はまだ死にたくない!という、心の中の断末魔を振り払って走り始めました。

そしてスタート直後から始まる、ヤビツのドギツイ登坂。ホンの少ししかない脚力が、瞬く間に売り切れます。やっぱりやめておけばよかった…頭の中を駆け巡るのは、自責の念と深い後悔だけ。

長い長い時間をかけて、ようやく蓑毛の手前の鳥居に到着。すでに汗だくで心拍数は臨界を突破していますが、まだ序盤もいいところ。

ここからがほんとうの地獄だ…。

鳥居の先から始まる、蓑毛の激坂。すでに疲労物質がはち切れんばかりに蓄積されている脚に、これまで以上の負荷がのしかかります。これから自分が登らなければならない坂の長さが、きっちり見える絶望。そしてキツくなる一方の斜度。漕いでも漕いでも、坂の終わりが近づいてきません。

終盤のカーブ手前でガツンと斜度が上がるので、さすがにスタンディングを余儀なくされました。脚の疲労状態にもよりますが、外装5速のギア比だと斜度9%を超えたあたりから立ち漕ぎに移行したくなる感じですね。

ズタボロになりながら、菜ノ花台を通過。ようやく後半戦です。そういえば、自転車マンガの帝「ろんぐらいだぁす!」では菜ノ花台から先について「3kmくらいで斜度も大したことはないかな」というセリフがあります。

確かに、坂のスペック的にはそうかもしれません。菜ノ花台を過ぎると10%越えが出てくるのは、短い区間だけになりますし。

だがしかし…!ここまでの登坂で脚力が完全終了する自分みたいな貧弱者の視点だと、話が全然違ってきます。絞りカス程度しか残っていない脚力スッカラカン状態で、登坂速度は低下する一方。ホンの少し斜度が緩くなったところで、感じるキツさはむしろこれまで以上です。

菜ノ花台を過ぎれば、もうゴールは近い…のではなく、菜ノ花台から先が実につらく、実に長く、実に苦しい道程なのですよ…!!

つらい…全然進まない…つらい…永遠に続くのか…この地獄は…。

疲労による思考力の低下で、タイムスリップ感覚に加えて幻覚まで見え始めたあたりでようやく峠に到着。つ…つかれた…。

結果はどうだった?

まずは、過去の走行結果から。ノーマル6速ブロンプトンでヤビツに登坂したときのタイムは、59分49秒でした。

▼ 参考記事

貧脚がブロンプトンでヤビツ峠に突撃したら、どうなった?
脚力、根性、そして知識やセンス。そのすべてを持たない、押しも押されぬヘタレ自転車乗りであるところの自分。そのライドは、すべてを機材の性能に依存しています。 つまり「機材の差」が、「走力の差」と完全一致状態になっているのです。そうなると「機材...

次に、変速周りはノーマルのままでクランクを105に交換。再度ヤビツに登坂したときのタイムは、53分19秒です。5分以上のタイム差がついて、自分でも驚いた記憶があります。

▼ 参考記事

ブロンプトンのクランクを交換したら、「1段分走りが軽くなる」って本当なのかな?
いかにブロンプトンが自転車として普通の走行性能を持っているとはいえ、ロードバイクとの間には、越えられない性能の壁があります。 普通の脚力をお持ちの自転車乗りのみなさんからすると「そこまで大きな差なの? お前バカなの? 死ぬの?」という感じな...

そして今回、外装5段変速改造を施したブロンプトンでのタイムは…52分39秒!!

対ノーマルでは実に約7分の差を付けていますが、クランク交換後のブロンプトンとは「30秒差」に留まり、かなーり微妙。

これ…ただの誤差じゃね?という結果ですが、実は走行途中でシフト操作をミスってチェーン落ちさせてしまい、復旧のために停車しています。これがなければ、タイム差はもっと開いていたはずです。でも、そんなのはタダの言い訳。「外装5速化しても、大して変化なかったねぃ」と、先輩(小さい)に諦め顔をされても反論の余地はどこにもありません。

ヤビツ峠に、リベンジしてきた。

坂が嫌いで、登坂が心底イヤ。峠道になんて、近づくことすら許せない!でも「チェーン落ちのトラブルがあったから微妙な結果しか出なかった」という状態が続くのは、モヤッとしっぱなし。気持ちの整理が付かないし、何より自分で自分を納得させられないです。これはもう、リベンジするほかないでしょう。

とはいうものの、真面目で真摯な姿勢で在宅ワークに勤しむ誠実な勤労者である自分には、平日の昼間にヤビツ峠まで行く時間など作れるはずがありません。今週末は桜のAACRですから、本件は翌週以降に考えることにします。まずは締切の迫った(とっくに過ぎたとは言ってない)、膨大なタスクを片付けることが最優せn…うっ…頭が…!!

気がつくと自分のStravaアカウントには、こんなアクティビティが追加されていました。世の中には、不思議なこともあるものです。

そして「ヤビツ峠コンビニスタート」セグメントのタイムは、「49分01秒」という結果。うそ…?これTyrellで走ったときよりも、タイム良くなってない??

ノーマル6速+105クランク装着時と比較しても「約4分の短縮」。前回登坂したときのチェーン落ち復旧時間を鑑みると、かなり妥当なタイムに思えます。

この4分差、普通の脚力をお持ちの自転車乗りの皆様から見れば「微差」とか「誤差」の範囲でしょう。けれど、個人的には「大差」だとしか思えません。なにしろ平坦ならともかく、ここは「坂」です。そして自分は、どこに出しても恥ずかしい筋金入りのド貧脚。たとえ1km/hの差だとしても、登坂で平均スピードが速くなるなんてあり得ない。これは宇宙の法則が乱れる、とんでもない異常事態です。

先述の通りギア比は、ノーマルとほぼ同じ。そうなると、このタイムは「内装変速機の内部抵抗が無くなった&ホイールが軽くなったことによるもの」だと思って間違いないでしょう。

ブロンプトンは外装5速化で、登坂も明らかに速くなる。n=1の人体実験による証明完了です!

まとめ

MiniMODsの外装5速化キットを使えば、内装変速機を取り外してもペダル1回転あたりの走行距離はノーマルの6段変速とほぼ同じになる計算。坂に強くなりこそすれ、弱くなることはありません。

そして外装5速化したブロンプトンでヤビツ峠を登坂したら、ミニベロ使用時の自己ベストが出せてしまいました。「県道70号線climb」セグメントなんて、それこそロードを使ったときの自己ベストすら上回るタイムが出ています。外装5速化ブロンプトン…恐ろしい子!!

以上の事実と実体験から「MiniMODsのキットとノーマルホイールを使った、ブロンプトンの外装5速化は登坂においても有効である!」と、世界の中心で叫びたい気分です。

それにしても、平坦だけでなく登坂においても、ここまで走行性能を高めてくれるというのは本当に予想以上でした。MiniMODsのキットを使った外装5速化改造、個人的には一切のネガ要素がありません。出費は莫大ですが、満足度も甚大です。

もしブロンプトンの外装5速化改造に踏ん切りが付かない方がいらしたら、お申し出くださいな。そのお背中に、わたくしがスーパーイナズマキックを喰らわして差し上げましてよ!

著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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