この中に私のこと嫌いな人いるかしら…ふふ、無問題ラ!1分後にはファンになってるからね。アタシはショウ・ランジu…すみません!すみません!!「理事長の娘」という謎権限でやりたい放題の駄文書き、nadokazuです。支配してあげるわ!
大陸発のバーチャルサイクリングサービス「ONELAP」 が、いつの間にか日本版サービスを開始していました。自転車雑誌のサイトによると、2020年9月28日に会見が都内で開催されていたそうです。
これ結構なニュースのはずなのに、まったく気付いていませんでした…。自分アンテナの低さに絶望しつつ、さっそく遊んでみたので以下略。
そもそも「ONELAP」ってなんじゃらほい?
「ONELAP」は中国の青岛瓦特跑儿信息科技有限公司による、3DCGを使ったバーチャルサイクリングサービス。豊富なコース、多彩な機能、ユーザ数も多い(はず)で、まさに「中華ZWIFT」と呼べるサービスです。2019年に記事を書いているのですが、その時点で「完成度はかなり高い」と、感じたことを覚えています。
▼中国本土版「ONELAP(顽鹿竞技)」(2019年時点)
中国本土版「ONELAP」とは、別プラットフォームのサービス。
そんな「ONELAP」が、満を持して日本上陸!なんですが、現在、中国本土で展開されている「ONELAP(顽鹿竞技)」と、これから日本で展開する「ONELAP」は、別プラットフォームでの提供になっているみたいです。そのせいか現時点ではログインして走っていても、「かなり過疎ってる感じが否めない」というのが正直なところ。
ONELAP JAPANカスタマーサービスセンターの方によると、これからは「ONELAP」のほうをワールドワイドなプラットフォームとして機能調整/展開されていくとのこと。アカウント登録やログインはどの国からでも可能とのことなので、いずれユーザ数は増えていくと思われます。
ここは時間が解決してくれるのを、待つほかありませんね。
▼ロンリー ロンリー ロリー ロリー♪
メインを張れる、コース規模と機能。
「ONELAP」で走れるのは、いまのところ1つのエリアだけに留まります。とはいうものの、コースの総延長は約100km(公式サイトによる)。これは「Road Grand Tours」のコース8つを全部つなげた、約85kmを余裕で上回る距離です。
まだ一部だけしか走れていませんが、長距離平坦コースから地獄の山岳までバリエーションも豊富。「ZWIFT」のワールドだと「LONDON」ぐらいの規模感、というところでしょうか(ここ完全に個人の雑な感覚です)。
「ONELAP」コースリスト(執筆時点)
コース名 | 距離(km) | 獲得標高(m) |
---|---|---|
Onelap King Hills | 26.7 | 961 |
Brave mountain | 22.2 | 942 |
First quarter moon | 10.3 | 43 |
Last quarter moon | 13.8 | 84 |
Central Loop | 24.9 | 123 |
Relaxing route | 5.8 | 23 |
Hilly Route | 17 | 164 |
コースは「ZWIFT」のように、すべてのルートが繋がっている構造。基本は周回コースになるので、一度コースを選べばずっと走っていられます。その反面「Road Grand Tours」のように「いろんな場所に行って走っている感じ」は、1エリア限定のぶん希薄というところ。
▼Killing Hillsですか?というレベルの山岳コースもある。
また、機能面の充実っぷりは、かなりのもの。走行記録、ワークアウト、イベント、レース、アバターの着せ替えなどなど、競合サービスと比較して極端に見劣りするところはなさそうです。
そのほかStravaとの自動連携はもちろん、走行実績やチュートリアルの完了などによって、アバターに装備できるアイテムやジャージがもらえる「サイクリングチャレンジ」といったお楽しみも完備。ユーザを飽きさせない仕組みをしっかり揃えているのは、サービス提供の実績と経験値を感じさせます。
▼いろいろ揃ったチャレンジメニュー。
▼初期ごほうびのジャージは、割と簡単にもらえる。
そりゃ細かく見ていけば「Ride On!」「Wave」的な機能や、チャット機能が見あたらなかったり、「ZWIFTコンパニオンアプリ」や「RGT Cycling」に相当するスマホのサポートアプリがまだ準備中だったりするなど、「もうすこしがんばりましょう」な部分もチラホラ。
とはいうものの「バーチャルサイクリングサービス」として、満足できるサービスレベルであるのは間違いありません。これから機能追加がされていく余地もありまくり(公式サイトに実装予定の機能があることが告知されています)ですし、「十分メインを張れるだけの実力を持ったサービス」と言って差し支えはないでしょう。
日本語ローカライズは、もうちょっと頑張ってほしい。
「ONELAP」のアプリは、言語設定で「日本語」が選べます。画面内の各種表示が日本語に切り替わるのですが、「中国語フォントだから日本語と字体が違う」とか「英語を無理矢理カタカナにしているのがバレバレ」といった、いわゆる「中国の製品にありがちな、あやしい日本語」が目立ちます。そもそも言語設定メニューの、日本語の選択肢自体「セーター」という謎名称になっています。
▼なぜか日本語が「セーター」。
せっかく日本版としてリリースされているのですから、この辺はちょっと頑張って欲しいところ。まぁ、まだβ版なので、おいおい改善されていくでしょう。気になるなら英語表示にしちゃえばいいだけですし、無問題ラ!
βテスト期間中は無料。課金開始後は、月5ドル!
そんなバーチャルサイクリングサービスが、今はβテスト期間中ということで、「無料!」。機能やコースの制限も、特になさそうです。
課金開始(アプリ内の表示では「12月末」と書かれていますが、カスタマーサービスセンターの方からいただいたメールだと時期未定とのこと)以降は、月額5ドル予定。為替レートでの変動はありますが、およそ500円程度になります。
中国本土版「ONELAP(顽鹿竞技)」は、2019年時点に調べたとき月額15元でした(執筆自伝で15CNY=237JPY)。意地悪な言い方をするなら、約2倍の値上がりと言えないこともありません。とはいえ多言語ローカライズに多言語サポート体制を整えた上で、わずか250円程度の価格差なら、むしろ激安に思えます。
それに月額1,500円の「ZWIFT」に対して、「ONELAP」は半額どころか「3分の1」です。現時点でコース規模や機能、サービス内容に見劣りする部分があることを差し引いて考えたとしても、コストパフォーマンスは悪くないと言っていいのではないでしょうか。
この辺の氷菓…じゃなくて評価についてなのですが、自分の中で「ONELAP JAPAN」さんの株が爆上がりしているので、大甘・激甘になっている可能性が否定できないことをお含みおきください。
これは課金やスクリーンショットの転載などに関する素人の不躾な問い合わせに対して、「ONELAP JAPAN」のカスタマーサービスセンターの方に、とても丁寧な対応をしていただいたことが理由です。いや、こんなの好感持っちゃうでしょ、普通…。
雑に解説!「ONELAP JAPAN」のはじめかた。<Windows PC篇>
使った機材はコレ
- Wahoo KICKR(’17)
- KICKR CLIMB
- Wahoo ケイデンスセンサー(KICKRの付属品)
- XOSSアームバンドハートレートモニター
- Windowsパソコン+Bluetoothアダプタ
とりあえずZWIFT用のPCを使って、Bluetooth接続で試してみました。うまくいかないのは「4iiiiのパワーメーターに内蔵されたケイデンスセンサーを認識してくれない」という点(パワーメーターとしては認識されている)だけです。これは同じことが「Road Grand Tours」でも同様に起こっているので、「ONELAP JAPAN」だけの事象ではありません。
もしかすると、何か技術的な制限があるのかも?と、思ったりもするのですが「ZWIFT」ではコンパニオンアプリでちゃんと認識してくれるんですよね。なぜでしょう?
①デバイスにアプリをインストールして起動させる。
「ONELAP JAPAN」のサイトにアクセスして、「Windows」のボタンをクリック。
インストーラのexeファイル(約0.5GB)がダウンロードされるので、ダブルクリックして展開。画面の指示に従って、アプリをインストール。
あとは普通に起動させるだけ。スタートメニューから選ぶもよし、デスクトップにショートカット作っておいてダブルクリックするもよし。
②アカウントを登録する。
ONELAPが起動したら、画面下の「SIGN UP」をクリック。
アカウント登録用の画面に切り替わったら「Please Enter Your Email」と書かれた欄にメールアドレスを入力して、規約を確認して同意するチェックを入れて、「Send」ボタンをクリック。
記載したメールアドレスに認証コードが送信されますが、「ONELAP」が全画面表示状態なのでメールの画面は見えません。「Windowsキー」と「Tabキー」を同時押しして、画面をデスクトップに切り替えてメールを表示させます。
メールに記載された認証コードを覚えたら、「ONELAP」の画面に戻って「Please Enter Your Captcha」欄に認証コードを入力。「Password」欄に自分で決めたパスワードを入力したら、「SIGN UP」をクリックします。
③アカウント情報を編集する。
アカウント登録に成功すると、そのままログインされ「CREATE PLAYER」画面になります。画面内の設定項目を記入したり選択したりして、「NEXT」ボタンをクリック。
「PERSONAL DETAILS」「PERSONAL INFORMATION」「APPEARANCE」「FIRST BIKE」のすべてが設定できたら「COMPLETE」ボタンをクリックして設定完了です。
※「NICK NAME」は他のユーザと重複していると、エラーが出て登録できないようになっています。
④日本語表示にする。
「WELCOME TO ONELAP」の画面に切り替わるので、「GO」をクリック。次の「TYPES OF DEVICE」の画面で、「BIKE」をクリックします。
「OPTIONS」→「SETTING」→「SYSTEM SETTING」と進み、「LANGUAGE」のところで日の丸アイコンを選択(なぜか項目名が「セーター」になっている)すると日本語表示になります。
ただ、先に述べたように「中国の製品にありがちな、あやしい日本語」があちこちで散見されます(例:CADENCE→カデンツ)。英語表示でも実用上困るところってほぼないので、無理に日本語表示にする必要…ないかも。
⑤デバイスと接続する。
左上のメニューをクリックしてホーム画面に戻り、「オプション」→「デバイス」をクリック。
「スマートトレーナー」「パワーメーター」「スピードセンサー」「心拍数」「カデンツ(ケイデンスの誤記)」の4つのパネルが出て、デバイスを検知すると「デバイスが検出されました」という文字がそれぞれのパネルに表示されます。
パネルをクリックすると「パード装置(HARDWAREを無理矢理日本語にしたうえ、半濁点を間違えている模様)」画面に入るので、検出されたデバイスをクリックして接続します。
スマートトレーナーで遊ぶ場合は「スマートトレーナー」「心拍数」「カデンツ」の3つのパネルでデバイスと接続すればOK…のはず。
走り出す準備は、これで完了。ちなみに、いちど接続設定を済ませておけば、2回目以降は勝手に接続してくれます。
⑥コースを選んで走り出す。
左上のメニューをクリックしてホーム画面に戻り、「クイックプレイ」→「フリーライド」でコースの一覧が表示されます。
走りたいコースをクリックして選んだら(私?もちろん平坦コースしか選びませんよ?)、「始め」ボタンをクリック。サイクリング画面に切り替わって、ライド開始です。
画面左下のマルの中に四角が4つ並んだアイコンをクリックすると、メニューが展開してデバイスとの接続や視点の切り替え、画面表示の設定変更などが可能です。ライドの終了もこの設定画面の中にあります。
そのほか、気になったことなど。
負荷連動が切れる?
Windows PC+Bluetooth接続で試していますが、負荷連動が明らかに切れちゃっていることがあります。ここは「おま環」も否定できないので、ANT+接続やiOS機器で試して検証してみたいところです。
それと「ZWIFT」や「Road Grand Tours」にある、負荷調節は設定として無さげです。ペダリングした感覚としては「ZWIFTのデフォルト」ぐらいの負荷設定になってる印象ですが、明確な根拠はありません…。
アカウント削除は、自分でできない。
登録したアカウントの削除については、ユーザが自分で対応できる画面は無いようです。カスタマーサービスセンターに問い合わせたところ、メールアドレスとニックネームを連絡すればカスタマーサービスセンターのほうで削除対応いただける、とのことでした。
さすがに課金されるようになったら、この辺の機能は実装されるでしょう。たぶん。
視点移動の自由度は少なめ。
視点変更で選択できるのは、5種類。
1:自分のアバターを背後から見る視点。
2:自分のアバターを横から見る視点。
3:自分のアバターを前から見る視点。
4:自分のアバターを上から見る視点。
5:一人称視点。
まぁまぁ種類はある、と言えるのですが「ZWIFT(PC版/Mac版)」のように矢印キーで上下左右にグリグリ動かしたりはできません。また、カメラ位置が各視点ごとにほぼ固定されてしまっていて、走り去るアバターをカメラが追いかけるといったような視点はなさそう。
なので、「走行画面の見栄えは、かなり変化に乏しい」というのが、率直なところ。まぁ、走行中は「1」か「5」しか選ばないので、どうでもいいと言えてしまうところではあります。
アバターやオブジェクトは、見た目が「Road Grand Tours」に近い。
「ONELAP」のアバターは速度を上げると低い姿勢になったり、負荷がかかるとスタンディングになったり、といった動きをします。また、ケイデンスとアバターのペダリングスピードも、同期しているようです。さすがに「Road Grand Tours」のような、シフト操作をする芸の細かさはありませんが、動きも滑らかで必要十分以上のクオリティ感です。
▼スタンディングするアバター。光線表現もかなりいい感じ。
アバターのずんぐりむっくり感。そしてオブジェクトの雰囲気(特に葉っぱの高精細な感じ)は、「Road Grand Tours」にかなり似た印象を受けました。もしかしたら逆で「Road Grand Tours」のほうが「ONELAP」に近い、のかも?
▼Road Grand Tours
▼Road Grand Tours
▼ONELAP
まとめ。無料期間の今のうちに、「ONELAP」で遊んでおこう。
コースのバリエーションや機能は「ZWIFT」に迫るものがあり、それでいて今は無料。アカウント情報の削除がユーザ側で対応できないのは不安要素ではありますが、現時点ではクレジットカード情報の登録をするわけでもないですし、致命的なネガでは無いように思えます。
無料期間の今のうちに、自分の環境で「ONELAP」の動作を見て、体験しておく価値は十分以上にあります。なにしろ正式版のサービスで、月額500円程度というコスパです。事と次第によっては、それこそ「ZWIFT」から乗り換えを検討したっていいでしょう。
これはあくまで個人的な考えにすぎませんが、トップサービスが「1強寡占・無敵」よりは「強力なコンペティターが様子を伺っていて、安穏としてはいられない」という状況のほうが、サービス向上は加速してくれるはず。なのでバーチャルサイクリングサービスとの一角として、「ONELAP」が台頭してきてくれるのは大歓迎したいです。
絶対王者ハコガ…「ZWIFT」に、「Road Grand Tours」「Rouvy」そして「ONELAP」というコンペティターが、どう立ち向かっていくのか。そして「ZWIFT」がどう迎え討つのか、これからが楽しみでなりません。
ONELAP JAPANの中の皆さまには、正式サービス開始に向けてぜひ頑張っていただきたいです。