BianchiはこれまでにもオールロードのImpulsoをはじめグラベルバイクを数種類リリースしていますが、今回新たにエアロ性能を重視したファストライド・タイプのグラベルバイク「Arcadex」(アーカデックス)を発表しました。
Arcadexの中に「cadex」という文字列があるので、筆者は一瞬「えっGIANTのバイク!?」と思ってしまいましたが、このモデル名は「アルカディア」という地名に因んでいるそうです。
アルカディア(古代ギリシア語: Ἀρκαδία / Arcadia, Arkadia)は、ギリシャのペロポネソス半島中央部にある古代からの地域名で、後世に牧人の楽園として伝承され、理想郷の代名詞となった。名称はギリシア神話に登場するアルカス(アルカディア人の祖)に由来する。
フレーム接合部のボリューム感がすごい
シートステーはドロップト・タイプで外観上はごくありふれた形状です。トップチューブとシートチューブの接合部、ヘッドチューブ、BB上は相当ボリュームがある感じで剛性が高そうに見えます。
フレームはジオメトリーを見る限り操舵性重視でヘッド角は立ち気味、加速性重視でチェーンステー短めという味付けです。
タイヤクリアランスは700×42または650×47、いわゆるロードプラスのサイズまでは対応しています。アドベンチャー寄りのモデルではなさそうですが、それでもトライアングル内にボトルケージ用が2つ、トップチューブ上とダウンチューブにもアイレットがあり、マッドガードは前後とも対応です。リアはキャリアにも対応。同社サイトには「ハイスピード・バイクパッキング・マシンにもなる」とあります。
完成車はGRX 810またはGRX 600の1xのみ
コンポはメカニカル・電動の両対応。フロントディレイラーにも対応しています。フレーム重量は1100g (size L, 55cm)・フォーク480g(Bikerumor調べ)。シートポストは一般的な31.6mmで、BBはプレスフィットのBB86。
カラーはクラシック・チェレステ(Celeste CK16/Blue Note)とゴールド・ストーム(Gold Storm/Blue Note)の2タイプ。どちらもブルーの部分に微妙にラメが入っているように見えます。
上の2つのカラーについてコンポ違いの完成車を選べます。いずれもシマノでGRX 810ベース、GXR 600ベースの1xです(2x仕様はなし)。ドライブトレインは共通で40×11-42Tという構成(カセットはSLX)。ホイールはALEXRIMS GD24 DISC 622-2リムを使用したオリジナルでチューブレスレディ対応。ストックタイヤはWTB RIDDLER RACE 700X37。
コクピットまわりやシートポスト等のフィニッシング・キットはアルミ製。ハンドルはフレア角16°。
ビアンキ公式サイトにはまだ価格は掲載されていませんが、BikerumorによるとGRX 600モデルで$3400(本日レートで約35.2万円)、GRX 810モデルで$3800(39.3万円)となっています。
デザインへの海外の反応
Bikerumorの紹介記事にはこんなコメントが寄せられています。
- デザイナーが一時的にセンスを失ったのだろうか?
- ひどく醜い
- フレームにヘンな強化部分が見えるバイクはどれも、恐らく最初から設計が正しくないんだ
- この「男性的」な見た目は好きだが、BB86だって? やめてくれよ
コメント数は多くないのですが、少なくとも外観についてはあまり受けが良くないのかなという印象です。とはいえ好みは人それぞれ、ファスト・グラベルもビアンキにとっては初なので今後にも注目していきましょう。
なおBB上のあまりに大きい部分については、将来的にこのフレームはFSAやMahle eBikemotion等の「電動リアハブ」に対応するために用意されているのでははないか、とBikerumorは憶測しています。つまり後からE-BIKEになる、あるいはE-BIKEバージョンのArcadexが登場するのではないか、とのことです。それが本当だとするとなかなか注目に値するモデルかもしれませんね。