主にMTB向けの製品ですが、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のAenomaly Constructsが面白いパーツを出しています。自転車を降りることなくサドルの角度を変えられる”SwitchGrade”というアダプターです。
公式 INTRODUCING THE SWITCHGRADE
参考 Adjust your saddle angle as you ride with SwitchGrade multi-position rail clamp
10°刻みで3段階の角度
このSwitchGrade、発売は2021年2月が予定されており、現在もまだデザインの最終段階にあるらしいのですが、公称重量はBikerumorによると170g。
画像にレバーのようなものが見えていますが、これでインデックス調整します。ただ無段階式に角度を変えられるわけではなく、「下向き・水平・上向き」の3段階(10°刻み)で設定が可能。角度変更時には溝にちゃんと入ったことがわかるような音がするそうです(ポジティブエンゲージメント)。
対応サドルは幅広く、Ergon SM Enduroのような深い溝ありのモデルや、極端なロープロファイルのRaceFace Atlasでも使えるとのことです。確かに見たところコンパクトですね。あと見た目も美しいです。
どんな時にサドル角を変えるか
ロードバイクのようなオンロードバイクでは、サドルは基本的に水平に設定しますよね(勿論個人の好みがあり、人によって「やや前上がり」だったり「やや前下がり」だったりするのも珍しくないと思います。また使用サドルによって変わることもあります)。
しかし下りメインのMTBではサドルが上を向いているのを見たことがある方も多いと思います。下りでは腰を引いた状態であることと、腿とサドルノーズの距離が近いことでバイクのコントロールが容易になります。
逆にそんなふうに上を向いた状態のサドルで坂を登ると、当然非効率なわけです。下りを楽しむために登らなければならないMTB愛好家の方にとって、いちいちツールを取り出してサドル角を変えるというのは面倒だろう、という発想で作られたパーツです。
サドルの高さ変更についてはドロッパーシートポストの普及で一発解決できるようになりましたが、サドル角度をレバー操作で簡単に変更できる機構はこれまでにありませんでした。
ちなみにこのSwitchGrade、前後は特にないのでレバーは前に来ても後ろに来ても良い設計になっています。
最終的なスペックや価格、発売時期、入手方法についてはまだ未定なので、興味のある方はAenomaly Constructsのページ下部でメーリングリストに登録しておくと良いでしょう。
しかしBikerumorの読者コメント欄を見ると、こんなパーツが欲しいと思ったことはない、セットバック可変のドロッパーシートポストがあればそれで話は済む、需要が少なすぎる、バイクフィッティングでは便利だと思うが実使用では使わない、重い、等々、良い感想はあまり多くありません。
新製品には必ずこうした批判が付き物ですが、果たしてこのSwitchGrade、市場に歓迎されるでしょうか。