シマノの2021年アイウェアには4つの製品ラインナップがあります。全てのグレードで「RIDESCAPE」という高彩度・高コントラストの高性能レンズが使用されているのが特徴となっているのですが、これらを整理しながら観察したいと思います。
公式 RIDESCAPE | SHIMANO APPAREL & ACCESSORIES
S-PHYRE R と S-PHYRE X
シマノアイウェアのフラッグシップモデルは「S-PHYRE R」と「S-PHYRE X」です。「R」はRoad。「X」はどちらかというとオフロード寄り(勿論ロードで使っても問題なし)。ちなみにS-PHYREは「エスファイア」と読みます。
外観上の違いは、S-PHYRE Rはリムレスで視界広々。S-PHYRE Xはハーフリムで万一のクラッシュ時でも少し安心、という感じ。レンズの形状自体はどちらも同じです。MTBでオフロードライド中心の方はリムありのモデルを好むことが多いと思います(転倒時のレンズ破損・眼へのダメージリスクを減らせるため)。舗装路だけ乗ります、という方はS-PHYRE Rのほうが良いでしょう。
RIDESCAPEレンズは高彩度・高コントラストが特徴
S-PHYRE RにもS-PHYRE Xにもスペアレンズとして「RIDESCAPE CL」という曇りの日用レンズが付属します。これは可視光線透過率が高く、かつ反射を抑えているので曇りや雨天、日没後の走行で便利な仕様。シマノの製品ページを見ると、ただのクリアレンズとは違って視界は彩度とコントラストが高くなっているのが見て取れます。
「コントラスト」とは明暗差のこと。コントラストが高いということは、同じ色の路面でも凹んでいて明暗差が発生していれば「あそこに穴があるな」と気付きやすくなる、というわけです。
そしてS-PHYRE RとS-PHYRE Xのメインレンズは「RIDESCAPE RD」というもの。見た目はオレンジ〜赤系で、これもコントラストを高くすることで視認性を良くするタイプ。
RIDESCAPEレンズはCLもRDもポリアミド製。ポリアミドはポリカーボネートに比べると軽量で、可視光線透過が高く、色収差(=色のズレとそれに伴う滲み)も抑えられるので高性能です。またUV400で紫外線カット率は99%となっています。
S-PHYRE Rには調光レンズ仕様もあり
さらにS-PHYRE Rは、メインレンズが「フォトクロミック D グレー」のパッケージも選べます。フォトクロミックレンズとは調光レンズのこと。紫外線量に応じて濃度が変わるタイプです(可視光線透過率13% ~ 62%)。
こちらもスペアレンズは「RIDESCAPE CL」。S-PHYRE Xにはフォトクロミックレンズを含むパッケージはありません。
またS-PHYRE Rはテンプルがブラックのモデルのみですが、S-PHYRE Xはリムが3色から選べ、なおかつロワーリム4色セットが含まれるので着せ替えも楽しめます。シマノとしてはやや珍しい(?)遊び心がある製品ですね。
スタンダードとエントリーもRIDESCAPEレンズを採用
以上がフラッグシップモデル。それに次ぐスタンダードモデルの「EQUINOX」は、メインレンズが「RIDESCAPE RD」または「フォトクロミックグレー」のどちらか。「RIDESCAPE RD」モデルにはクリアレンズがスペアとして付属し、「フォトクロミックグレー」モデルはスペアレンズなし、という構成。ちなみにレンズ形状はS-PHYREとは違っています。
最後にエントリーモデルとして「SPARK」が存在します。これはメインレンズが「RIDESCAPE RD」、スペアレンズとしてクリア、という構成のみ。リムのカラーは3色選べます。
ハイエンドからエントリーまで、どのラインナップも基本的には高性能なRIDESCAPE RDレンズを採用しているところは好感が持てますね。
サイクリング用アイウェアの世界も競争は激しく、一番人気はオークリーで間違いないとしても、二番手以降は順位を付けるのが難しいくらい数多くの人気ブランドがあります。
シマノのアイウェアを積極的に選びたい、という人は今のところ少数派かもしれませんが、最近のシマノはシューズやアイウェアといったアパレル部門にも力を入れてきている感じがするので、今後ユーザーは増えていきそうな気もします。