ドイツ・フランフルトで開催されたEurobike 2022にて、中国メーカーWheelTopがMTB向けの安価なワイヤレスコンポを展示していたと海外メディアが伝えています。システム自体は7〜12スピードまで対応しており、シフターとリアディレイラーのセットで$365という低価格が特徴です。
出典1 WheelTop shows Wireless MTB Drivetrain tuneable to any 7 to 12 Speed Cassette
出典2 This wireless 12-speed MTB drivetrain costs just $365
公式 LANXI WHEEL TOP CYCLE INDUSTRIES CO., LTD
ドロップバー用シフターも投入予定?
以下、Bikerumor及びBikeradarの紹介記事から情報を集約します。
- 7スピード〜12スピードまで対応できる。しかしエンドユーザーが自分で設定できるのか、WheelTop側が設定をして出荷しないといけないのかは定かではない
- リアディレイラーのバッテリーは取り外せる
- SRAM / Shimano 11-12スピードと互換性あり
- 2019年に目撃されていたが、Eurobike 2022でアップデート版が発表された。現在WheelTopのサイトから買えるようになっている
- シフターは現在MTB用(22.2mmフラットバー用)のみだが、ブランドによるとロードバイク用シフターも需要があれば投入するかもしれないとしている
- 本体及びプーリーケージはアロイ製。プーリーは射出成形プラスティックの12T/14Tでカートリッジベアリング式
- 調整可能なクラッチがある
- 10-52Tのカセットに対応(1×11 Road MTB / 1×12 Road)
- 防水性能はIP67(水深1m以内で30分動作する)
- リアディレイラーの重量はバッテリー込みで351gであり、このプロトタイプに限って言えばSRAM XX1 AXSリアディレイラーより25g軽い
- シフターの重量は67gだったがバッテリー込みの重量かどうかはわからない
- 1回に1段しか変速できないように思われたが、本当のところはよくわからない
- シフターのボタンは非常に感触が良く、機械式のSRAM AXSのパドルに近いがケーブル式のものよりははるかに軽いタッチだ
- シフターのボタンでシフトモードとキャリブレーションモードをスイッチできる
- マッチングするクランクセットも販売される
- フロントディレイラーの開発予定はない
- シフターは2ボタン式
- リアディレイラーのバッテリーは800mAhリチウムイオン。持続時間は「約1週間のライド」とのことだ。スタンドアローンのクレードルで充電する
- 価格は$365(リアディレイラー・シフター・バッテリー2個・充電器のセット)
どちらの記事でも、ユーザーが(例えばスマホで)自由にカスタマイズできるかどうかはわからないとしており、メーカー担当者がそれを説明していないということは、ディレイラーの可動域自体は7〜12速に対応するものの、アプリの準備などはまだ出来ていないのかな、と思いましたがどうでしょうか。通信についての情報もありません。
またBikeradarでは既に販売開始となっているのですが、本記事時点でWheelTopのサイトにアクセスしてみても製品は表示されません(売り切れたのか)。販売価格は、Bikerumorは$400前後(本記事時点のレートで約5.5万円)としていますが、Bikeradarは$365(約5万円)としています。Eurobikeにあわせて色々と見切り発車したのでしょうか、不明な点が結構多いですね。
しかしこれを皮切りに今後続々と廉価なワイヤレス中華ディレイラーが登場するのかもしれませんね。