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スマートトレーナーは今後大幅に安くならざるをえない:$499の「Zwift Hub」が10月に海外で発売開始

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Zwiftが10月から一部地域で低価格スマートトレーナー「Zwift Hub」の発売を開始します。著名ブロガーのDC Rainmaker氏がプリプロダクションモデルについてスペックや使用感を掲載しています。同記事の概要をまとめてみます。

Zwift Hub

© eu.zwift.com

ちょうどいま「安いスマートトレーナー」を買おうと考えていた方は、もしかすると少し待ったほうが良いのかもしれません。

出典 Zwift Hub $499 Smart Trainer Hands-On: A Competition Killer?

ハードウェア開発中止から一転

  • 数ヶ月前にスマートバイク(Zwift Ride)とスマートトレーナー(Zwift Wheel)の開発中止を発表したZwiftが自社ブランドのスマートトレーナー「Zwift Hub」を発表した。競合他社を殲滅するような$499という低価格設定だ
  • このトレーナーを作ったのはZwiftではない。JetBlack Voltという既存のスマートトレーナーをリブランドし、元々の$849から大幅に値下げしたのだ。私は同製品を1年前にレビューしているが、テストでは非常に優秀で同価格帯の他の大企業製品よりも良いものだった
  • サードパーティー製アプリとの互換性は保たれている(TrainerRoadやRouvyでも問題なく使えている)
  • 発売開始は10月3日
  • フライホイール重量は4.7kg
  • カセットが付属し、購入時に8〜12スピードのシマノまたはスラムを選べる(非公式には11スピードのカンパニョーロもシマノのカセットで動作するのは多くのユーザーがJetblackやその他のトレーナーで経験済みだ)
  • Bluetoothハブ機能があり、Apple TVなどでBluetoothチャンネルが限られる時に心拍センサーをまとめられるので便利だ
  • 130/135mmクイックリリース、142/148mmスルーアクスル(12mm)対応
  • 最大傾斜15%・最大ワット1800w@40kph・公称精度<+/-2.5%
  • こうしたスペックはWahoo KICKR COREとよく似ているが、COREはカセットが付属せずに$899する
  • ERGモード(ストラクチャード・ワークアウト)可
  • ライドフィールは非常に良い。Wahoo KICKR COREとほぼ同じフィールと慣性だ。価格からするとかなり良い
  • 静粛性は高く、ドライブトレインの音しか聞こえない
  • オリジナルのJetBlack Voltは非常に精度が高かった。私はZwift Hubをテスト使用中だが、精度の面で小さくはない問題に遭遇している。しかしこれは最終版のファームウェアではないため、Zwiftからは詳細なレビューとデータ分析の公開には待ったがかけられている
  • 先のデータ精度の問題が解消されれば、Zwift Hubはエントリー〜ミドルレンジのトレーナー市場を他社から奪い取ってしまうだろう。$900以下の他の製品を買う理由は、Wahoo KICKR CLIMBとの統合があるKICKR COREを別にするともはや何もない
  • Zwift Hubはまずアメリカ・英国・EUでのみ販売される

目的はハードウェア販売そのものではない

Zwiftがハードウェアの開発をやめたというのは、どうやら「Zwift Ride」や「Zwift Wheel」と呼ばれていた特定製品の開発をやめたという意味だったようですね。既存製品を買収・リブランドすることで開発コストを抑える方向に転換したものと思われます。社員をレイオフしていたのにハードウェア新製品の発表とは何があったのだろう、と驚きましたがこういうことだったんですね。

また499ドルという安さの理由(本日のレートで72000円)は販売がダイレクトセールに限られることの他、ハードウェア販売による利益が当面の目的ではなく、Zwiftの新規加入者を増やすことが目的と思われます。Zwiftとの接続がわかりやすくなっているので、Zwiftとしては他のプラットフォームにユーザーが奪われないことも目指しているのでしょうか。

もし各社に499ドルと戦える価格のスマートトレーナーがあった場合でも「これからZwiftをはじめよう」という層は安心感とブランドイメージからZwift Hubを選ぶ人が多いでしょう。これに対抗するためには、競合他社は同等品質のトレーナーを499ドル以下で販売しないと厳しくなると思います

元記事のコメント欄での議論を見ると、KICKR SNAPのような他社のエントリーモデルは今後大幅に割引せざるをえないだろう、という声があります。Wahoo製品についてはKICKR CLIMB等との統合が可能ですが、果たしてそれはどこまでの付加価値になるのか。少なくともフラッグシップ以下のスマートトレーナー製品群は、今後大幅に値下げされるのではないか、等々。

またZwift Hubの発表を受け、ベースとなった製品であるJetBlack Volt(スペックは全く同じ)は米国アマゾンでは$499に値下がりしているそうです(9/6時点)。

他にはSaris H3も米国では一時$430のセール価格で売られたそうです。Saris H3のほうがZwift Hubよりもあらゆる面で良いのではないか、というコメントに対してDC Rainmakerは「Zwift Hubのほうがずっと静かであり、ハートレートのパススルーがある。その他の多くの点ではSaris H3のほうが良い」と語っています。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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