プロサイクリング

ツール・ド・フランス2023第17ステージで発生した記憶に残る4つの出来事を振り返る – “I’m gone, I’m dead.”

波乱の展開となったツール・ド・フランス2023第17ステージ(サンジェルヴェ・モンブラン〜クールシュヴェル)から、記憶に残る4つのシーンをご紹介します。

ベン・オコナーにピザが提供される

仕事を終え、集団から脱落するベン・オコナー(AG2Rシトロエン)に対して焼き立てと思われるピザが差し出されるシーンがありました。しかしベン・オコナーは見向きもせず。

海外掲示板ではこんな感想が。

  • 俺だったら断らない
  • ピザは苦労したあの状況でいちばん食べたくないものだろう
  • 俺なら食うんだけどな。だから俺はプロになれないのか

今回のツールではナンバーワンほのぼのシーンだったかもしれませんね。

ペリョ・ビルバオが観客に一撃

ペリョ・ビルバオ(バーレーン)が登坂中、前方で並走し進路を阻んでいる観客に一撃を食らわせるシーンも話題になりました。

こうした行為はポイント減点などに繋がり選手にもチームにも不利になりますが、ペナルティは警告のみで済んだ模様です。海外では「並走する観客を叩いたらむしろボーナスポイントをあげるべきだ」などという過激な意見も。

今年のツールの観客は全体的にマナーがひどいという声が多く見られます。本格的なコロナ明けでいつも以上にお祭り気分が高まっているせいもあるのでしょうか。

激坂でモトがストールし進路をふさぐ

コル・ド・ラ・ローズの激坂でメディアのモトがヴィンゲゴーとティボー・ピノの進路をふさいでしまったのも昨日のステージでは大きい話題になりました。モトが十分なトラクションを得られずに停止した模様。ちなみにゴール前の17%もありそうなセクションでは、道にペットボトルを立てて置こうとしても直立せず転がっていくような勾配だったそうです。

観客がモトの周囲にいなければトラクションを維持できる旋回範囲を確保できたのではないかという意見もありましたが、結果的にこのモトのクルー2人は第18ステージから除外されるペナルティを受けました。ちなみにうち1人は現在解説者となっている元選手、トマ・ヴォクレールでした。

ポガチャルの無線での発言

昨日のステージで最大の関心をひいたのは、間違いなくポガチャルのレース中の肉声だったでしょう。今回のツールから導入された無線通信のブロードキャストで、ポガチャルはチームからの問いかけに次のように応えました。

I’m gone, I’m dead.

俺は逝った、俺は死んだ。

この言葉と、辛そうなポガチャルを延々と捉えるカメラ映像に海外掲示板では「心が痛む」や「もう顔を映すのをやめてくれ」という声が多数見られました。またレース中の無線紹介については、これまで大した意味がないと思っていたが、この言葉を聞くことができてはじめて良い試みだと思った、という意見も見られました。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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