2日前に下の記事で紹介したプロサイクリングにおける「最大ロールアウト距離制限」の件で、訴訟を起こしたSRAMに対してUCIがプレスリリースで反応しました。

UCIが最大ロールアウト距離を10.46メートルに制限:Shimano 54/11は規定内・SRAM 50/10はルール違反にーー海外掲示板での意見を観察
UCIが最大ロールアウト距離(クランク1回転で自転車が進む距離)を「10.46メートル」という恣意的とも思える数字に制限し、それに対してSRAMが訴訟を起こすらしいことが海外掲示板で大きい議論になっています。一体何が起こっているのか、観察し...
この記事では、そのプレスリリースに対する海外掲示板での議論を観察します。
そもそもそのプレスリリースですが、読んでみても価値のあることはほぼ何も書かれていない印象で、この制限を設けるのはライダーの安全性のためである・安全性向上のためのUCIによる様々な取り組みに対して協力的でない勢力が存在するのは遺憾である(ツール・ド・ロマンディ・フェミナンでのGPSトラッキングの件を含む)ということくらいしか読み取れません。
出典 The UCI reacts to the press release published by SRAM
以下、目立ったコメントの抜粋です(スレッドが立てられてから現時点で13時間ほどなのでコメント数はまだ少なめです)。
- “FUCKING SRAM!!!” (たぶんUCI談)(160いいね)
- なぜ特定の最大ギアレシオが選択されたのか、それについての説明がこのプレスリリースに含まれていないという事実がすべてを物語っている(140いいね)
- (上の人に)驚くようなことではないと思う、厄介な訴訟を抱えている時は公式に語ったことが影響してくるから(11いいね)
- UCIからのブレーキングニュース 全てのチームはShimanoまたはCampagnoloを使いはじめなくてはなりません。理由は
他の奴らはくそくらえそのほうが安全だから(101いいね) - 長くて読まなかったけど、その制限を課すのは良いことだ・でもなぜShimanoがOKでSRAMがアウトになる特定の制限に至ったのかは教えない、ということなんだね?(109いいね)
- 彼らのウェブサイトを見ると、SafeRはUCIの一部だよ。だからUCIが「最大ギアレシオのテストプロトコルはSafeRの推薦に基づいて確立された」と言う時、それは基本的に「私達は自分自身に問い、このように決定しました」と言っているようなものです。そしてサイトを下までスクロールすしてスポンサーを眺めてみましょう。UCIがこうしたコミュニケーション様態を問題だと思っていないのが謎です(94いいね)
- (ギア制限はプロのプロトンでもう公式にはじまっているの?という問いに対して)いや、まだだよ。来月の中国のレースでテストされることになっている。決定はその後に下される。ちなみにだけど、去年UCIは他にもレースラジオを禁止するテストなどもしていたけれど(これも物議を醸した)、それは次のステップには行かなかった(6いいね)
問題の「最大ギアレシオ・テストプロトコル」は来月のツアー・オブ・グワンシで実施される予定で、他の方のコメントによるとそもそもその「最大ギアレシオ」が検討されるようになったのは2024年のツアー・オブ・バスク・カントリーでの下りでの大規模落車(ログリッチ・ヴィンゲゴー・エヴェネプールらが巻き込まれた第4ステージ)がきっかけではないかという興味深い指摘もありました。
個人的には最終的にこの件はSRAMの機材でもOK、という判断に落ち着きそうな気がしますが、どうでしょう(このまま押し切るのはどう考えても無理がありそう)。
【お知らせ】話題の「Schwalbe Clik」製品群がAmazonで入手可能になっています。興味のあった方は是非チェックしてみて下さい