LEZYNEから新作リアライトの「ALERT」シリーズが出ています。加速度センサーを搭載し、ブレーキング時にフルパワーで点灯するタイプ。全部で4モデルが発表されました。
公式 LED BIKE LIGHTS | ALERT | BIKE BRAKE LIGHTS – Lezyne
減速で最大光量・ライドを再開すると初期設定モードに
ALERTシリーズは以下の4モデル。Strip Drive系が2種、ZectoとKTCに1つづつALERT対応のものが増えました。
- Strip Drive Pro Alert Rear
- Strip Alert Drive Rear
- Zecto Alert Drive Rear
- KTV Pro Alert Drive Rear
Strip Drive Pro AlertとStrip Alert Driveはいずれも重量66gですが、光量とランタイムが違います。Zectoを除き照射角は270°。ランタイムや価格などは以下で表にしてみました。黄色マーカーでハイライトした部分が各ライトの最大出力になります。
※スマホやタブレットでは表を横にスワイプできます
モデル | 主な稼働時間 | 国内価格(税抜) |
---|---|---|
Strip Drive Pro Alert |
ブラストモード 8h(35ルーメン) デイタイムフラッシュ 6h(300ルーメン) エコノミー 28h(5ルーメン) |
¥6,800 |
Strip Alert Drive |
ブラストモード 4h(35ルーメン) デイタイムフラッシュ 5.5h(150ルーメン) エコノミー27h (3ルーメン) |
¥4,980 |
Zecto Alert Drive |
ブラストモード4.3h(20ルーメン) デイタイムフラッシュ 6.5h(80ルーメン) 最大15.5h |
¥4,980 |
KTV Pro Alert Drive |
ブラストモード4.3h(25ルーメン) デイタイムフラッシュ7.3h(75ルーメン) エコノミー 14h(5ルーメン) |
¥3,990 |
どのライトもブレーキングを感知すると最大出力の明るさになり、減速するにつれて安定した点灯に移行、完全に停車すると特徴的なフラッシュが光り、後方の自動車などがライダーの行動を理解しやすい仕様になっているそうです。その後ライドを再開すると、自分が設定したモードで発光を続ける、という仕組みです。
防水性能についてはKTV Pro Alert DriveのみIPX7(=「一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない」)規格に対応していますが、それ以外のモデルでは不明です。豪雨対応は恐らくKTVのみでしょう。
まだ流通量は多くないようですが、国内でも少しづつ販売されはじめているので次にショップに寄った時などに手に取って眺めてみてはどうでしょうか。
CATEYE KINETICシリーズとの比較
LEZYNE ALERTのように加速度センサーを利用してブレーキング中であることを伝えられるリアライトは、近年だいぶ増えてきた印象があります。日本ブランドのCATEYEではこの仕組みは「KINETIC(キネティック)」と呼ばれていて、現在までにTIGHT KINETIC・RAPID X2 KINETIC・SYNC KINETICの3モデルが発売されています。
LEZYNE ALERTシリーズと比較しやすい情報ではないのですが、参考までにその3モデルのスペックを表にしてみました。いずれも各モデルの取扱説明書に記載されている「1時間に約60回キネティック機能が働いた時の目安点灯時間」のみ記載しました。TIGHT KINETICにはルーメンの記載はありません。
モデル | 主な稼働時間 | 実勢価格 |
---|---|---|
TIGHT KINETIC |
ロー:55時間 点滅:約65時間 ラピッドモード:約60時間 |
¥3,000 |
RAPID X2 KINETIC |
キネティック作動時:50ルーメン ロー:約3時間 点滅:約7時間 ラピッドモード:約5時間 |
¥4,782 |
SYNC KINETIC |
ハイ :1.4時間(40ルーメン) ロー :6時間 点滅 :7時間 ラピッド :6時間 グループライド :6時間 デイタイムハイパーフラッシュ :7時間 |
¥5,273 |
防水性能は、TIGHT KINETICのみ明示的にIPX7対応を謳っています。ゲリラ豪雨もありうるロングライトやブルベ、ツーリング、通勤通学ならTIGHT KINETICが便利そうです。RAPID X2 KINETICは、ランタイムは短めですが絶対的な明るさでは上かもしれませんね。
ハイエンドリアライトは加速度センサー搭載が標準に?
かなり雑なまとめ方をすると、ルーメンだけを見るとLEZYNE ALERTシリーズのほうがCAT EYE KINETICシリーズのどのモデルよりも上なので、ブレーキング時の点灯はハイパワーでギラギラと眩しいのかもしれません。
しかしライトの性能は何ルーメン、という数字だけを見ても昨今はあまり参考にならないことが多く、CATEYE TIGHTシリーズなどは絶対的な光量とは別のアプローチで視認性の良さを探求している感じもあるので、実際の見やすさ・使いやすさは実物を比較しないと判断するのは難しそうです。
仮にルーメンの数字が大きくても照射範囲が極端に狭かった場合、実際は使いにくい場合もあります。ルーメン・カンデラ・ルクス・配光などの概念についてはGlennGouldさんによる下の記事でものすごくわかりやすく解説されているので、未読の方はぜひご一読下さい。「おお〜、そういうことだったのか!」と膝を打つこと間違いなし。
関連記事:ルーメンって何?「自転車ライトの単位問題」の核心に迫る
いずれにしてもこの加速度センサーを利用した光量調整・減速の意思表示が可能な仕組みは、今後はもしかするとスポーツサイクル用のハイエンドリアライトでは標準的なものになっていくのかもしれないですね。