Bikerumorに謎の超高級(高性能?)カーボンプーリーケージの紹介記事が掲載されています。しかし当の記事執筆者も、この製品が「Topcarbon」というメーカーによるものなのか、「ELILEE-TITAN」というメーカーによるものなのか、よく把握していないようです。
恐らく依頼主がよくわからないまま有料の紹介記事として掲載したものと思われますが、Facebookの「Topcarbon Technology Co.,Ltd.」というアカウントがこの製品を紹介しています。
出典 Amazing TITAN carbon fiber derailleur cage concept gets zirconia bearings, sapphire covers
出典 Topcarbon Technology Co.,Ltd.
ジルコニアベアリングとサファイアの保護カバー
されはさておき、Bikerumorによる製品紹介はこんな感じです。
- これは「TITAN」と呼ばれるハイエンド・カーボン・ジョッキーホイールだ
- シマノの9150/9100/8050/8000ロード用リアディレイラーと互換性がある
- アッパープーリーは13T、ロワープーリーは14T
- ガイドプーリー(トップ)は3Dプリントのカーボン製で、メーカーによると金属製に比べて軽量なだけでなく、チェーンノイズも少ないという
- 3Dプリントのため、モールドよりも複雑な形状を制作できる
- ケージは「North Thin Ply Technology」によるNTPTカーボンを使用。極度に薄いカーボンプライを高圧で圧着し、超軽量で密度が高い
- プーリーを支持するオーバーサイズ・リングのデザインが非常に目立つが、これは見た目だけでなくパフォーマンス上の理由もある
- 大径ベアリングが使えるため、転がりがよりスムーズで剛性が高く、遊びも少ないためシフトがより正確になるとのことだ
- ベアリングには超高精度P5グレードのSKFジルコニア・セラミック・ベアリングを採用。転がりが軽いだけでなく、自己潤滑するためグリス切れの心配がない
- このハイエンドベアリングはサファイアでカバーされており、高い水圧から保護するとともに、内部の可動部を見ることができる
- ベアリングとレギュレーターホイールは生涯保証で、レギュレーターホイールが摩耗したらスライドして取り外し、届けられた新品を滑りこませるだけで良い
- 公称重量は53gで、現時点ではシマノ11スピードのロード用リアディレイラーのみ対応している
- 現在は品切れだが、予約販売は受け付けている
現時点では謎だらけ
いろいろとよくわからない製品です。製品名が「TITAN」なのでチタンパーツ採用かと思うとそんなことはなく、3Dプリントのカーボン製。ただこの巨大なベアリング支持部の空洞は、とてもおもしろいデザインではありますね(サファイアカバーになっていて内部が見られるから一体何だってんだ、というツッコミどころはありますが。ほとんど宝飾品のようです)。
Topcarbonがメーカーで、ELILEE-TITANがブランド名で、TITANが製品名なのか? 検索してもこの製品に関するウェブサイトはまだ存在していないようですが、Bikerumorのコメント欄に寄せられた読者情報によると、販売価格はアリババで10個単位で購入した場合233ユーロ。
他にも10個でのホールセール価格が329ドルである、という情報も寄せられており、小売りでは500ドル以上になるのではという声も。
Topcarbon社もせっかく高いお金を払って記事掲載を依頼していると思うので、サイトをあらかじめ作った上で、もう少しわかりやすい写真を提供したほうが良かったのではないかと思います(余計なお世話)。しかしこの混乱具合がいかにも中華という感じで、このプーリーケージ製品そのものより、そちらのほうが面白いニュースでした。
あとプーリーが汚れている方は、とりあえずお掃除をするだけでこのカーボンプーリーケージよりワット数を稼げると思います(笑)。年末年始の休日はじっくりメンテしてみてはどうでしょうか。AZのこのメンテセットはなかなかお買い得です。