今後ディスクロード用ホイールのファーストチョイスとなるかもしれないFulcrum Racing 3 DB。Campagnolo Zonda DBのカウンターパート的存在ですが、ゾンダディスクはC17でチューブレス非対応。 Racing 3 DBはC19で2-Way Fitです。
グラベルロード用にこのホイールを買ったのですが、なぜこれを買おうと思ったのか、検討の詳細は下の記事に書きました。ご興味のある方はぜひお読みください。
ようやく届いたのでちゃんとしたファーストインプレを…と思ったのですが、ローターやタイヤなどの到着が遅れているので、待っているあいだにハブを分解して観察しました。この記事ではそのあたりをご紹介します。
Racing 3 DBの付属品
その前に付属品はこちら。チェーブレス化するためのバルブとタイヤレバー。DRP(Dirt Road Protection)キット。フロントを15mm化するためのアダプター(出荷時は12mmスルーアクスル用になっている)が付属します。クイックリリース用のアダプターは付属していません。
あとこのホイールは2-Way Fit Readyではなく2-Way Fitなのでチューブレステープは必要ありません。
参考 2-Way Fitと2-Way Fit Readyの違い
リアハブがなんかヘン
フロントハブの構造は単純で、両側にはまっている12mmスルーアクスル用のエンドキャップは手で取れます(ゴムのOリングで密着しているのでちょっと固いけど)。そこからバラすのも簡単。
問題はリアハブです。これまでのフルクラム・ディスクロード用ホイールとはちょっと違うところがあります。
フリーハブ側のロックリングが17mmスパナで時計回りに回して外すやつ(逆ネジ)というのはLZPT2IBさんがCBNにレビュー投稿してくださったRacing 4 DB等と同じ。ただ反対側は、後述するように14mmスパナで押さえます。新設計です。
ロックリングを時計回りに回して外した後、写真右側の矢印で示している黒いプラスティックパーツを手で抜きます(取りにくいけど、ゆっくり引っ張れば抜ける)。するとフリーボディを抜けるようになります。
次にローター側を見ましょう。
ローター側に突き出しているシャフトには、先程書いたように14mmスパナをかけられるようになっています。これは過去のフルクラムホイールではなかったタイプだと思います。フリーボディー側のロックリングを外す時はここに14mmスパナをかけて固定するだけ。傷がつきやすい黒いアジャストメント・リング・ナットをスパナで固定する必要がなくなりました。
アジャストメント・リング・ナット自体は反対側のシャフトを手で固定した上で反時計方向に回せば外れます。
アジャストメント・リング・ナットが外れたら、割りの入った銀色のパーツである「アジャストメント・コーン」を外すのですが、小さいマイナスドライバーを端っこに軽く突っ込むだけでポン! と浮き上がります。これが取れるとシャフトを簡単に抜けるようになります。
なんでこんなことを書いているかというと、このFulcrum Racing 3 DBはまだサービスマニュアルが存在しないからです。2019年版のマニュアルに含まれるはずですが、公式サイトにはまだ現れていません。よって構造も使用パーツも謎の部分がいくつかあるのです。
最大の謎はシャフトでした。このシャフト、全長が142mmでこれ以上分解できません。ローター側のロックリングは、ねじ込んでいくとシャフトとツライチになるまで沈みます。
クイックリリースを見限った製品
それが意味しているのは、このシャフトは135mmエンドには非対応だということです。142mm/12mm専用です。LZPT2IBさんがレビューしてくださったRacing 4 DBやRacing 5 DBのように両側のアダプターを薄いものに交換して135mm化、という仕組みに対応していません。
cbn Fulcrum Racing 4 DB
cbn Fulcrum Racing 5 DB
参考 自転車タイプ別・エンド幅(オーバーロックナット寸法)&軸の太さまとめ
そもそもこれまでのフルクラム・ディスクロード用ホイールに付属してきたQR用アダプターがついてこないので、QRや135mmエンドのユーザーはバッサリ切った設計になっているものと思われます。
フルクラムの公式製品ページには”QR only with optional accessories”(=QRはオプションのアクセサリーを使うことでのみ可能になる)と書かれています。ただそのアクセサリーの型番はまだ不明です。
というわけでスルーアクスルで使う方にはどうでもいい話ですが、135mm/QRで使おうかなと考えている方は対応アダプターがはっきりするまで少し待ったほうがいいでしょう。
私自身はスルーアクスルと135mmQRの両方の自転車でこのホイールを使う予定なので、いずれ進捗をご報告できると思います。
shop Fulcrum Racing 3 DB – Bellati Sport
CBN ベラチスポーツでの購入方法
その後の使用感
この記事を書いてからもう2年以上グラベルロードでこのホイールを愛用していますが、転がりは軽くハブのガタもなく、満足感はかなり高いです。現在はWTB Byway 40を履かせています。