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我が辞書にジャンクマイルの概念なし

自転車の世界に「ジャンクマイル」(junk mile)という言葉があります。「価値のない距離」という意味で、競技志向でトレーニングを積んでいる方々には馴染み深い概念だと思います。何のトレーニング効果もない走り方で、目的もなく適当に積み重ねた距離が「ジャンクマイル」。ひたらく言うと「ダラダラ走り」。

そして今日こんなおもしろ投稿をインスタで発見w

こんなことが書かれています。

春:

4ヶ月にも及ぶトレーナー上での周期的インターバルトレーニングの効果がついに明らかになる時!

だが天気が良いとすぐ気ままな1週間12時間のジャンクマイルとStrava KOM獲得に向かうのであった

この投稿かなりウケてまして、コメントがたくさん寄せられています。いくつか抜粋。

  • Strava KOMがトレーニングのゴールだろ。誰でも知ってる
  • 今年は前半をやらなかったから後半だけやる
  • 言い換えれば自転車を楽しむということだね
  • (上の人に)お前は明らかにこのスポーツを誤解している
  • (上の人に)楽しいとかそういうことじゃない。何回言えばいいんだ?
  • ジャンクマイル=ジャンクフード。健康的ではないが、いちばんうまい

トレーナー、ローラー台のトレーニング効率の高さはnadokazuさんのこのご寄稿からもよくわかります。

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結論から申し上げます。スマートトレーナーを買ってZWIFT、ものすっっっっっっっっごくオススメです。バーチャルで走りまくることでもたらされるのは、これまでを大きく凌駕する実走行の楽しさ。特に週末のライドが半ば健康維持のための義務みたいになっ...

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むしろジャンクマイルこそが目的

ところで私の場合はむしろジャンクマイルこそが自転車に乗る目的だったりします。

風景を眺めながら、疲れずに、ラクに距離を乗れればそれに越したことはないです。

ジャンクマイルこそが目的

サイクリングロードで追い風でアベレージ30km/h、復路も運良く追い風、みたいな時なんかサイコーです。辛い坂を登ったあとの短いセクションで脚をとめてラチェットがジー…と鳴るのを聞きながら顔をニンマリさせながら心の中でウヘヘヘヘ…ともらすのもたまりません。

ヒルクライム的なライドもしますが、タイムを短縮しようという気持ちはなく、単に自然の中で走るのが気持ち良いから、達成感もあるから、上りのあとの下りのラクさ加減がたまらないから、というユルユルな理由です。

私の場合、自転車は「少しだけスポーツ要素の入った観光」に近いアクティビティです。観光的なライドやポタリングはどれも「ジャンクマイル」のかたまりでしょう。

でも観光が役に立つか、価値があるかという話にはなりません。よって私の心の辞書には「ジャンクマイル」という概念はありません。

反対に乗り慣れているいつものサイクリングロードを、「乗らないと健康にも良くないから乗っておくか…」という感じで週末に100km, 200kmストイックに走ったとしても、それは精神的な意味でのジャンクマイルになってしまうことがあります。だから乗りたくない時は無理に乗りません。

ジャンクマイルを楽しむためのトレーニングならやりたい

でもトレーニングをするとジャンクマイルをもっと楽しめるようにも思います。計画的な高強度のトレーニングを続ければ、より多くのジャンクマイルを楽しめる身体が手に入るでしょう。より短い時間でより長い距離をより少ない力で乗れるようになれば、それだけ風景を楽しむ余裕や写真を撮る時間も増えます。

私の場合、筋トレがそういうトレーニングだったりします。レッグプレスで大腿四頭筋を鍛え、ローイングやシュラッグ、ショルダープレスで背中・首・肩周りを鍛えます。

そう、すべてはジャンクマイルのために…

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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