ロード用ディスクブレーキの3つのタイプ アクチュエーション方式による分類

ロード用ディスクブレーキにはどんな種類があるのか、と質問するといろいろな答えが返ってくると思うのですが、アクチュエーション、つまり「入力の伝達方式」によって分類するのなら、機械式・油圧式・ハイブリッド型がある、と言うことができます。

機械式 (Mechanical)

機械式ディスクブレーキは、キャリパーやV、カンチブレーキ同様、鉄のワイヤーで入力を伝達するタイプです。「メカニカル」とも呼ばれます。アウターケーブルとインナーワイヤーを使用するため、ケーブル内で摺動抵抗が発生します。レバーは、ロード用の機械式をそのまま使うことができます。

機械式ディスクブレーキ

それでも、たとえばキャリパーブレーキと同じ制動力を得るために必要な力と時間は、こちらのほうが少なくて済む場合が多いと言われています(但し製品による)。

機械式か油圧式かを問わず、ディスクブレーキは雨や泥や雪などに強いという特徴があります。リムブレーキの場合、ブレーキングサーフェスが水で濡れてしまうとブレーキが効かなくなります。一方ディスクローターの場合は、油が付着してしまうと効かなくなるという特徴があります。

機械式ディスクブレーキは油圧式に比べてインストールが簡単でメンテナンスの手間も少ない、というメリットがあります。価格は油圧式に比べて安価で、エントリーレベルの完成車が採用していることが多いです。

ロード用で有名な製品にはTRP Spyre, Spyre SLC, Spyre Cがあります。Spyre CはSpyreのOEM製品で内容は同じ。Spyre SLCはキャリパー1個あたり8g軽量化されており、アクチュエーションアームがより剛性の高い(メーカー談)カーボンになっていますが、実際の使用感はノーマルSpyreとほとんど変わらないというレビューがあります。

参考 TRP Spyre / Spyre SLC レビュー
参考 TRP SPYRE-C レビュー

油圧式 (Hydraulic)

油圧式ディスクブレーキは機械式で見られるような「ケーブルとワイヤー間の摩擦」が存在しません。故にキャリパーブレーキと同じ制動力を得るために必要な力はさらに少なく済みます。ディスクブレーキ自体はMTBでは相当前から一般的になっていましたが、近年はロードバイクやシクロクロスの公式競技でも使用が認められるようになりました。

油圧式ディスクブレーキ

油圧式は機械式に比べてピストンの動きが安定している製品が多く、セッティングは比較的容易です。デメリットとしては、ホースの長さの調節やブリード、オイル交換といった作業が多くのサイクリストにとって身近なものではない、というところ。また輪行時はパッドとパッドのあいだにスペーサーを入れておく、という新たな儀式も発生します。

それでも機械式のあとに油圧式を使ってみると、あまりの性能差に「ちょっと面倒だとしても断然、油圧がいい」と感じる人は少なくないようです。なお、価格は機械式より高価です。ブレーキレバーも油圧専用のものが必要になります(製品によってはレバーとセットで売っているものもあります)。

ハイブリッド (Hybrid)

そんな機械式ディスク、油圧式ディスクの「いいとこ取り」をしたような製品も存在します。ブレーキキャリパー自体は油圧式であるものの、キャリパーまでの入力はワイヤーで行う、というハイブリッドタイプです。

TRP HY/RD-160レビューより (写真:flareさん)

インストールは機械式のように簡単で手軽に油圧のフィールを楽しむことができる製品ですが、最終的にキャリパーのリブリード作業は必要であり、油圧と完全に同等のガツンとした効きを得られるわけではないと言われています。それでも機械式よりは明らかに効くというので一定の人気があり、これを搭載している完成車もよく見かけます。

参考 TRP HY/RD-160 (CBNレビュー)

このタイプで有名な製品にはTRP Hy/Rd, TRP Parabox等があります。また、ディスクブレーキではないのですが、油圧式リムブレーキをワイヤーで引くMAGURA RT8Cという製品も存在します。

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