MavicがCosmic SLR 45 Disc tubelessを発表 ETRTO準拠により「タイヤ・ホイールシステム」は今後放棄する?

Mavicが新作ホイール、Cosmic SLR 45 Disc tubelessを発表しました。45mmリムのオールラウンドモデルですが、チューブレスの仕様面で少し気になる内容となっています。

※製品画像及び仕様はまだMavic公式サイトには掲載されていないので(Instagramにはティーザー画像あり)、画像は下の記事をご参照下さい。

出典 Mavic unveils Cosmic SLR 45 Disc tubeless wheelset (road.cc)

スペック情報

road.ccの紹介記事によると、スペックは以下の通り。

  • 45mmディープ、外径28mm、内径19mm、NACA(National Advisory Committee for Aeronautics アメリカ航空諮問委員会)プロファイル対応(*)
  • Foreテクノロジーによりリムのアッパーブリッジはソリッドになり剛性アップ
  • 完全に密閉されたUST (Universal System Tubeless) リムでありチューブレステープ不要。ペアで60gの軽量化
  • 洗練されたリムのベッド形状のおかげでどのブランドのタイヤもマウントがより容易になっている
  • Infinityハブプラットフォームはより剛性の高いアクスルとより優れたベアリング耐久性を提供するようデザインされている
  • Infinityハブはツールなしでクイックリリース、 12x135mm、12x142mmスルーアクスルに簡単に対応できる
  • ダブルバテッド・エアロプロファイル・スポークを採用
  • フリーボディはエンゲージメント9°、40歯のID360を採用
  • 取り外し可能なラバーダンパーによりラチェット音の大きさを変更できる(Loud/Quiet)
  • ホイールペア公称重量:1,470g
  • 価格: £1,650
  • 発売時期:2020年9月中旬

と、ざっとこんな感じです。

*記事ソースではAeronauticsではなくAerodynamicsとありますが恐らく誤記かと思います。

リムからはスポーク穴が消えました。これによりチューブレステープが不要になりますが、Mavicによると剛性面での貢献もあるのだそうです(まぁ原理的にはそうなりますよね)。空力的にも良いだけでなく、高剛性で加速性も良い、というわけです。

2021年からはホイールにタイヤは付属しない

Cosmic Pro Carbon SL Discの公称重量が1,590g(リムテープ込み)なのでこのCosmic SLR 45 Disc tubelessはペアで120gほど軽くなっています。平地だけでなく坂でも問題なく使える「迷ったらこれ」という感じのオールラウンドなホイールのようです。

しかしroad.ccの記事で個人的に気になる記述がありました。それは、上のスペック情報の一部とも重複しますが、

  • 洗練されたリムのベッド形状のおかげでどのブランドのタイヤもマウントがより容易になっている
  • Mavicの2021年モデルではUSTリムの輪郭がわずかにアップデートされており、中央グルーブ(溝)がより広くなりビードの広いタイヤも含めてマウントしやすくなっている
  • この中央グルーブの両側からはハンプが省略されているが、非常に低圧でもタイヤはリムにロックされるという
  • 2021年モデルからMavicのチューブレスホイールはすべてのETRTO準拠チューブレスタイヤと互換性を持つことになる
  • Mavicのタイヤは2021年でも別売りで入手可能であり続けるが、ホイールの標準タイヤとして付属することはない

といった点です。昨今はホイールとタイヤを一体的なプロダクトとして開発・ブランディング・マーケティングしようという傾向のメーカーが増えており、GIANTのCADEX、スペシャライズドと傘下ブランドのROVAL、チェコのTUFOと手を組んだENVE等がすぐに思い浮かぶところです。

アメリカ・ユタ州に本拠を置くハイエンド・カーボンホイールのENVEがタイヤ事業に参入しました。製品第1号は「SESロードタイヤ」。これがなか...

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MavicのハイエンドチューブレスホイールにはYksion Pro UST等の同社製タイヤが標準で付属しますが、これを今後やめるということは、何らかの理由で、ある意味「ホイール・タイヤシステム」を重視しなくなるということです。そして、そのかわりにETRTO規格を重視するというわけです。

ユーザー的には全てのメーカーがETRTOのリム・タイヤ規格に準拠してホイールやタイヤを製造してくれるのなら、様々なホイールとタイヤの組み合わせを試しやすくなるのでそれに越したことはなく、それ自体は歓迎です。

経営が苦しいMavicとしては、Mavic以外のタイヤを愛用するサイクリストにもより積極的に自社ホイールを検討してもらうために、あえてETRTO規格重視の姿勢を取ったのだろうか、と考えたりしましたが、実際のところどうなのか気になるところです。

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