シマノによる新型デュラエース絡みと思われる特許申請文書が続々と発見されています。下は今年2020年7月22日に申請された文書中の図表です。
資料 BICYCLE OPERATING DEVICE – SHIMANO INC.
特許をざっと読んでいて個人的に目に留まったのは次のような内容です。
- この実装では、パワーサプライ56はバッテリー56A、電力生成エレメント56B、整流回路56Cを含む。バッテリー56Aはバッテリーホルダー58に保持され、58は49Cに付加された内部スペースに配置される(49Cは負荷的アタッチメントパーツ49の一部)
- バッテリー56Aの例は、二酸化マンガンリチウム電池のようなプライマリーバッテリーや、リチウムイオン電池のようなセカンダリーバッテリーを含む。この実装では、バッテリー56Aはプライマリーのボタン電池である
- この実装では、電力生成エレメント56Bは、圧力及び・または振動を利用して電力を生み出す。その圧力・振動はブレーキ操作部品14、付加的操作部品16、ボタン要素46のうちの少なくとも1つの動きによって発生する
- 電力生成エレメント56Bの例はピエゾエレクトリック(圧電)要素を含む
ふーんそうか、ボタン電池でも内蔵するのかな。するとやはりシフターからフレームのどこかに存在するであろうバッテリーに配線を伸ばす、というのは新型デュラエースではなくなりそうだ。少なくともバイクの前方はシフト系の配線から解放されるのかもしれない…
ユーザーによる充電は不要か
などとぼんやり思いながらさらに読んでいくと、こんな箇所に遭遇しました。
The remaining electric energy generated by the electric-energy generation element 56B can be charged to a rechargeable battery (not shown) if necessary. In such an embodiment, the rechargeable battery is provided in the power supply 56 instead of or in addition to the battery 56A.
電力生成エレメント56Bによって生成された電力の余りは、必要であれば充電可能なバッテリー(図示されていない)に充電することもできる。そのような実装では、バッテリー56Aの代わりに、またはそれに追加するかたちでパワーサプライ56に充電式バッテリーが搭載される。
ええっ!! ということはそのピエゾ素子(圧電素子)ってレバーが変速情報を送るためのアクチュエーターとしてだけじゃなくて、充電にも使えるの!?
もし本当に充電式バッテリーが搭載されるのなら、バッテリーが劣化したらさすがに交換が必要であっても、事実上ユーザーが定期的に充電する必要のないシステムになっている可能性もあるのではないでしょうか。
新型デュラエースはワイヤレスまたはセミワイヤレス化されるのは間違いないですが、リアディレイラー・フロントディレイラーはバッテリーを内蔵するパターンと、外部バッテリーからワイヤーで給電するパターンの両方ありうることがシマノの別の特許文書で示唆されています。
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いずれにしてもシフター部から配線が消える可能性は非常に高いように思われます。新型デュラエースの全貌、少しづつ見えてきた感じがしませんか?