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シマノがディーラー向けに新型デュラエースをオンラインで極秘紹介

先月2月22〜23日にかけて、シマノ・ヨーロッパが”Shimano Digital Launch 2021 – English Session”なるものを実施しました。ここでディーラー向けに新型デュラエースの簡単なプレゼンテーションが行われたようです。

参加者がその内容の一部を次のように明かしています。

出典 Next generation of Dura-Ace Di2 – Page 194 – Weight Weenies

  • 私は昨日、シマノのプレゼンを見ました。オンラインストリーミングで実施されたもので、画面中にユニークIDのあるウォーターマーク(透かし)が埋め込まれているので、ディーラーの誰かが情報を漏らしたり画面の写真を撮ったりした場合、シマノに特定される仕組みでした
  • 思い出せるものから言うと(100%の正確さは保証できませんが)、マーケティング的な宣伝が多く、ものすごく早く流れました
  • カセットは12スピードで、11-34カセットがあるかもしれません。つまり50/34チェーンリングとの組み合わせでギア比1:1が可能になります
  • 最小コグは11です。10Tはありません
  • シマノはディスクブレーキに明確にフォーカスして研究開発を進めたと言っていました。リムブレーキバージョンについての言及はありませんでした(だからといってリム版が出ないとも言えません)
  • 新型のディスクブレーキローターはXTRのように見えました。長いブレーキングで熱生成が多くなった後のローターのたわみや「ジンジンジン」という音が少なくなる、とシマノは約束していました。マーケティング的には「信頼性の向上」と呼んでいました
  • STIはシフト信号をワイヤレスに送信します
  • STIの左右には電子ケーブルはありません。必要なケーブルは油圧ディスクブレーキ用のホースだけです
  • STIのフードは現行Dura-Ace Di2のそれに比べると大きく、ボリュームがあります。フードを持っている時のより良いグリップのためと、前腕を地面に対して平行にするエアロポジションを取る時に、よりエルゴノミックになるような設計です
  • フロントとリアのディレイラーは1個のセントラル・バッテリーから給電されます(シマノロゴのあるデモバイクでは、シートチューブにバッテリーが1個入っていてそこから2本のケーブルがRDとFDに出ていました)
  • シフトアップやシフトダウン時のDi2ボタンのハプティック・フィードバック(触覚フィードバック。クリック感)は強化され、アップシフトやダウンシフト時のフィーリングが変わります
  • フロントディレイラーの重量は99g。FDの前面はエアロ効率向上のために30%少なくなっています
  • クランクセットの左右にはパワーメーターが搭載されていました。パワーメーターなしのバージョンがあるかどうかは説明されませんでした
  • 外観的には、新型デュラエースは「ブラック・イン・ブラック」でした。Dura-Ace 9000シリーズのようにアルミが大きく露出する部分はありません
  • 新しいホイールセットはチューブレス対応です。軽量化されましたが(特にハブ重量が言及されていました)、具体的な数字は出てこなかったのでまだ競争力のある重量ではないのだと思います

なんとなくプレゼンの雰囲気が伝わってきますね。少し抽象的な内容だったことが想像できます。

ワイヤレスまわりについてはこれまでに報じられている通りですが、ブラケットがやや大ぶりになるあたりは評価が分かれそうです。ディスクブレーキの性能改善はこれまで語られてこなかったところなので、これは期待大ですね。

一方で、北米やヨーロッパでは現行Dura-AceやUltegraの在庫がないショップが増えているという声をよく目にします。Dura-Ace R9200は予定通り今月発表されたとしても、発売は1年後の2022年になるのではないか、という声も聞かれます。現行デュラエースが入手難なのにR9200がすぐに発売されるわけがない、と考えている人は多いです。

最近は新製品発表と同時に発売、というパターンがマーケティング的には主流なので、もし発売時期が遅れるようならシマノにとっては少し痛手ですね。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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