ポルシェがE-BIKE市場に参入…という言い方は適切ではないかもしれませんが、同社はこの3月末、欧米で「eBike Sport」と「eBike Cross」の2モデルを発売します。果たして誰向きのバイクで、どんなスペックに仕上がっているのでしょうか?
公式 Porsche eBikes: Sport & Cross | PORSCHE SHOP
街乗り系・MTB系の2モデル
eBike SportもeBike Crossもぱっと見た感じは非常に良く似ていますが、Sportはシティユースを、CrossはMTB的なライドを想定したモデルです。共通しているのはドイツROTWILD社によるフレームとMaguraの倒立サスペンション、FOXのリアショック、クランクブラザーズのMTBホイール、シマノの電動アシストユニットSTEPS EP8です。
公式サイトにも完成車スペック詳細は掲載されていないのですが、画像からするとSportのタイヤはContinental Speed KingでCrossのほうはCross Kingです。Sportはシートポストにライトが内蔵されていて、Crossはドロッパーシートポスト対応です。
SportはコクピットにMAGURA Cockpit Integration (MCi) を採用しており、マスターシリンダーやホースがハンドルの外側からは見えないようになっています。CrossではMCiは採用されていませんがブレーキはやはりマグラ。
駆動系はシマノ。Sportは何らかのDi2で、Crossはメカニカルの12スピードXTです。
全体をジャーマンブランドで固めてくるのかと思いきや、クランクブラザーズのホイールや、ボッシュではなくシマノの電動アシストユニットが採用されているあたりはなかなか面白いですね。
ルック車はもはやチープではない!?
いずれも米国では3月末からポルシェ公式サイトまたはポルシェディーラにて購入可能になります。価格はeBike Sportが$10,700(約116万円)。eBike Crossが$8,549(約92.7万円)。フレームサイズはS, M, Lの3種類。
ターゲットとなっているのはもちろん私達のようなスポーツサイクル愛好家ではなく、どう考えても既存のポルシェオーナー以外はありえないと思いますが、知名度のあるブランドのパーツを使っているところは好感が持てます。
高級車メーカーがプロデュースするバイクといえばかつては数万円のチープな「ルック車」と呼ばれるものが主流でした。ポルシェのこれらのバイクは利用シーンこそ曖昧な感じは否めませんが、価格・構成的にはもはやルック車とは呼べない感じになっていますね。
公式サイトにパーツ詳細が記載されていない理由は、これらのバイクを買う層が「印象」や「雰囲気」や「ブランド名」で買う人々であることを物語っているのが面白いです。