シマノが米FCC(Federal Communication Commission: 連邦通信委員会)に申請していた「ワイヤレスデバイス」の認証文書のうち、非公開だった部分が7月26日に情報解禁されて見られるようになりました。その中には新型デュラエースの「R9250」と思われるリアディレイラーのユーザーマニュアルが含まれています。
充電ポートとモードスイッチを搭載
下がDi2 R9250と思われるリアディレイラー。注目は「充電ポート」と「モードスイッチ」。これで充電にジャンクションボックスは不要となりました。様々な機能が持たされている「モードスイッチ」も搭載されています(後述)。
下は充電ポートの拡大図です。
ちなみにこのワイヤレス通信リアディレイラーの動作周波数は2.4GHz。動作気温は-10℃〜50℃。、充電気温0℃〜45℃。通信方式はANT+ / Bluetooth LEです。
モードスイッチの詳細
次にモードスイッチの詳細です。シングルクリックするとバッテリーレベルをチェック可能。ダブルクリックでシフトモードを選択します(後述)。また一定の時間モードスイッチを長押しすることで、Bluetooth LE・調整モード・スイッチペアリングモード(ケーブル接続時のみ)に入れるようになっています。
ダブルクリックで変更できるシフトモードには、マニュアルシフト(青LED)、シンクロナイズドシフト1(青LEDが2回点滅)、シンクロナイズドシフト2(青LEDが3回点滅)の3つがあります。
バッテリーレベルの表示は4段階。0.5秒以下で素早くシングルクリックすると、残量51-100%なら緑、26-50%なら緑点滅、1-25%なら赤、0%ならOFF、となっています。
通信するのはリアディレイラーのみか
最後に「ワイヤレス通信機能について」というセクションを見てみます。赤で囲ったところに興味深い情報があります。このリアディレイラーは「フロントとリアのギアポジション情報」と「Di2バッテリーレベル情報」、「デュアルコントロールレバーのバッテリー残量情報」と「アジャストモード情報」をサイクルコンピューターに送信できる、とされています。
米国で無線通信製品を販売するために必要となるシマノの認証申請文書には、これまでのところフロントディレイラーと思われる内容は含まれていません。また上の「フロントとリアのギアポジション情報」という箇所から考えると、リアディレイラーが全ての情報を収集して通信を司る「ブレイン」となることが考えられそうです。
さて新型デュラエース、正式発表はブエルタ・ア・エスパーニャ頃でしょうか(現在では9月発表説が濃厚)。発表されても今年中の入手は難しいと言われていますが、楽しみに待ちましょう。