Eliteから新製品「RIZER」が出ました。簡単に言うとZwiftでフルタイムのステアリング機能を使用できる「Sterzo Smart」と、グレードシミュレーション(斜度再現)が可能なWahooの「KICKR CLIMB」を統合させたような製品です。
気になるのは競合製品のWahoo KICKR CLIMBとの違い。DC Raimakerのレビュー記事・Elite公式サイト・海外各メディアの情報を元にまとめてみます。
公式 Elite Rizer
参考 Elite RIZER In-Depth Review: Incline & Steering Simulation Accessory
Elite以外のスマートトレーナーでも使用可能
Elite RIZERの特徴を以下に整理してみます。
- ANT+ FE-C対応でリアが上下に回転するほぼ全てのスマートトレーナーで利用できる(ただしElite社製品のほうが使用感は良い)
- Eliteの次のスマートトレーナーと完全な互換性がある
- Elite Direto XR
- Elite Direto XR-T
- Elite Suito
- Elite Suito-T
- Elite Tuo
- 旧型のDiretoとDireto Xはリアの回転クリアランスの問題から使用不可
- Wahoo KICKR 2020/V5では問題なく使用できることを確認
- ユニットは組み立て済みで本体・バッテリーユニット・電源アダプターの3つから成る
- クイックリリースやスルーアクスル用各種アダプター付属(QR, 12×100, 15×100, 15×110対応)
- かなり重い(公称重量不明)
- フォークの前後移動に併せて本体もレール上で移動する
- 最大荷重は120kg
- 斜度再現はKICKR CLIMBと同じで上り20%、下り-10%
- KICKR CLIMBはベルトドライブだがRIZERはスクリューシャフト
- 手動でのアップダウンは本体ポール上面をタップ(KICKRのようなリモートはない。しかしRizerアプリで操作可能)
- ZWIFTの傾斜レベル(Difficulty)をオーバーライドできるため、ZWIFT側の負荷設定が50%になっていても斜度再現だけは100%にするということが可能
- 8月からZWIFTのペアリングメニューに「RIZER」が現れるのでそれを選んでペアリングするだけ
- Apple TVでは最大同時接続数が2つまでのため、心拍計を使いたい場合はスマホアプリで通信を束ねる必要あり
- Sterzo Smartのようなオートセンタリング機能はないが使用していて違和感はない
- グレードシミュレーションの感覚はElite Direto XRとの組み合わせでは、KICKR+KICKR CLIMBとほぼ同程度にスムーズ
- RIZERとElite以外のスマートトレーナーとの組み合わせではグレードシミュレーションの反応がやや劣る。Eliteは他社がグレードのデータストリームを実装したければ協力するつもりがある
- 米国価格は輸送コストのためヨーロッパ価格よりも高くなる(英国価格は£824.99=約12.5万円)
- ヨーロッパでの市場流通は8月後半、北米では9月〜10月初旬を予定
KICKR CLIMBより5.5万円ほど高価
ステアリングと斜度再現を統合した製品の登場が待たれていましたが、ついに出ましたね。Wahoo KICKR CLIMBがステアリング機能を搭載するのかと思いきや、先行したのはステアリング機能を初めて実現したEliteのほうでした。
▼ Wahoo KICKR CLIMBについてはこちらの記事をぜひお読み下さい!
KICKR CLIMBとの最大の違いはZWIFTの斜度レベルをアプリで上書きできること。スマホアプリでもコントロールできること。そして勿論、ステアリング機能があること。といったところです。あとステアリング用ポールがあるため、フットプリント(床上の専有面積)はRIZERのほうが大きく見えます。
しかしKICKR CLIMBの英国定価は445ポンド、日本円でも6.9万円くらい。RIZERが約12.5万円なので、5.5万円ほどは高くなりそうです(本記事時点で日本国内での流通や価格に関する情報はありません)。仕様的にはEliteのほうが上ですが、価格差は大きいですね。
スマートトレーナーの世界では長らくWahooとTacxが覇権争いをしていますが、今後はRIZERの登場でEliteを含めた三つ巴の戦いとなるのかもしれません。とりあえずEliteの対応スマートトレーナーを使用されている方は買うしかないんじゃないでしょうか!