「Shimano 105 Di2 R7100がやってくる」というタイトルの記事をCyclingTipsが出しています。正直なところ「タイトル釣り」感のある記事で、実際にシマノがDi2 105について何か語っているわけではなく、スペック予想的に特に目新しい部分もないのですが、今後のロードコンポーネントの未来・位置付けを考える上で興味深い内容も含まれているのでご紹介します。
出典 Shimano 105 Di2 R7100 is coming – CyclingTips
ドロップハンドル車の入り口はロードではなくグラベルバイクになる?
以下、抄訳による要約です。
- 105 Di2 R7100がどのようなものになるか想像するのは難しくない。間違いなくDura-Ace Di2 R9200やUltegra Di2 R8100よりも重くなり、より普通の素材が使われるだろう。アルミよりも鉄が多く、カーボンよりもアルミが多く、より平凡なフィニッシュになる。これまで通りだ
- しかしワイヤレスのSTIと単一のバッテリー、12スピード(ギアオプションはメインストリームなものに集中するだろうが)といったコアな特徴は共有すると考えている
- アルミキャリアのカセットは少なくなり、レバーはリモートシフターや追加ボタン用の拡張ポートはないかもしれないし、フルワイヤード用オプションもないかもしれない
- R9200とR8100の油圧ディスクブレーキで採用されているようなサーボウェーブも採用は難しそうだが、ディスクブレーキのみになるのは間違いない
- 価格についてだが、R9200とR8100が高価になった理由がワイヤレス化によるものであれば、105 Di2も現行のメカニカル・アルテグラより明らかに高価になるだろう
- シマノはメカニカルの105も継続するだろう。それは間違いなく12スピードで、価格の上昇はわずかなものになるのではないか。そしてシマノのメカニカルコンポのトップグレードは105になるだろう
- 105 Di2の発表時期は2022年の夏と考えるのが順当だ。11スピードのメカニカル・アルテグラの生産は今後1年と言われているからだ
- ロードバイクは全体的に、今後はより高価なものになっていくだろう。メーカー各社は新しいユーザーを獲得するために努力するよりも、既存ユーザーの要望に応えることを選択している
- (ロードバイク)ライダーの高齢化とともに既存のマーケットは縮小して行き、それを支える若いライダーも十分ではないだろうが、ドロップハンドル車の入り口は今では伝統的なロードバイクではなくグラベルバイクだ
- オンロードライドやロードレーシングがニッチなものとなって行くと仮定すると、それらをメインストリームではなく専門性の高い狭いジャンルとして扱っていくのが賢い選択なのだろうか?
105 Di2が発表されるとして、それはより重くなってギアリングオプションも限定され、拡張シフター機能が省略されてサーボウェーブも非搭載…というのは順当な予想ですね。
しかし個人的に一番興味深かった点は「伝統的なロードバイクやロードレーシングがニッチなジャンルになっていくかもしれない」という考察。これは単純に現在のロードバイク価格の高騰からも感じられます。105 Di2も機械式アルテグラより高価となれば、ロードレースの世界に身を投じたい若年層には厳しい状況になって行くのかもしれません。
これから初めてドロップハンドルのバイクに乗ってみたい、という入門者は、今後ロードバイクではなくグラベルバイクを選ぶようになるという気は確かにします。すると105はこれまでよりも「高級品」という位置付けになり、GRX内の下位グレードがこれまでの105の役割を担っていきそうな気もします(個人的にはワイヤレスのGRX Di2 12スピードも待望していますが…)。