ライト関連製品レビュー

Knog Plus TwinPack オンロードでのサブとしては優秀・便利な前後ライト

4.0

Knog(ノグ)の前後ライト「Knog Plus」のハンズオンレビュー記事です(使用約1ヶ月・出動10回)。「見る」ためのライトというよりは「見られる」ためのライトですが、筆者が愛用している同社のBlinder Miniシリーズとの比較も交えつつ製品特徴や使用感を書いていきます。Blinder Miniについては下の記事も併せてお読みいただければ幸いです。

Knog Blinder Mini 「見られるため」の自転車用ライトとしては、いま一番イケてるやつ
見るためのライト、照らすためのライト、には自転車乗りの定番製品があります。現在、それはCATEYE VOLT 800である、と断言しても良いでしょう。CBNレビューでも絶賛されている名作です。

マグネット着脱とクリップが大きい特徴

さてこの「Knog Plus(ノグプラス Knog+とも表記)」ですが、フォークやシートステー・シートポスト等にゴムで留めたマウントにマグネットでスナップ着脱できるのが大きい特徴です。筐体のカラーは下のブラック以外に半透明の「トランスルーセント」バージョンも選べます。

Knog Plus Twinpack

Knog Plus Twinpack このブラック以外に半透明カラーもあり

重量は前後とも本体が実測13g、ホルダーがラバーバンド込みで5g。片側合計18gと軽量です。ちなみに後で比較として登場するBlinder Miniは19〜20gで、重量的にはほぼ同じ。

ホルダー用のゴムは大小サイズ2種類が同梱。クロモリのような細いパイプなら小さいゴムが合います。着脱時のマグネットの力加減ですが、ライト本体だけを持ち上げても取れず、ホルダー側を押さえて外そうとすると良い具合に外れる力加減になっています。

Knog Plus Twinpack

着脱はマグネット。充電作業のストレスが少ない

充電時にライトを取り外す際に面倒な感じがなく、運用面ではかなりラクです(ライド中に吹っ飛んでいかないのか…という懸念については後述します)。充電はType-A USBソケットにそのまま差し込むだけでケーブル不要。このあたりはBlinderシリーズと同じで、充電中は赤LEDが小さく点灯します。細身なので2口に並べて挿せるのも良いです。

Knog Plus Twinpack

充電はUSB直挿し。横幅も狭いのは嬉しい

Knog Plusのもう一つの特徴は、本体がクリップ形状になっているのでバックパック等のストラップにも取り付けられるところ。これも便利です。が、クリップの「止め(返し)」の突起が申し訳程度なので、ストラップ側は十分に厚みのあるものが必要です。ストラップとの相性が良ければ簡単には落ちません。

Knog Plus Twinpack

本体はクリップ式でバックパックのストラップ等にも付けられる

視認性は非常に良い

Knog Plusの発光モードはフロントもリアも全く同じで、ステディ(常時点灯)・パルス・ストロボ・ファンシーフラッシュ・エコフラッシュの5つ。ステディでのランタイムは公称2時間(フロント40ルーメン・リア20ルーメン)・実測もバッチリ2時間。エコフラッシュモードでは公称40時間とありますが、Knogのライトは明るい反面ランタイムは短かめなので2晩に1回程度は充電したほうが安心です。

通勤通学や、基本的に暗くなったら帰宅するライドでは都市部ならメインライトとしても使えるでしょう。しかし基本はサブライトと考えたほうが良さそうです。

Knog Plus Twinpack

フロントの明るさ

下はBlinder Mini Chippyと一緒に点灯させてみたところ。Blinder Mini Chippyもサイズを考えると相当明るい印象なのですが、Knog Plusのほうが発光部面積が大きく縦長なのでクルマからの視認性はかなり高いように思います。

Knog Blinder Mini ChippyとKnog Plus

上段がKnog Blinder Mini Chippy 下段がKnog Plus

こちらはチェーンステーに取り付けたリアの様子。

Knog Plus

Knog Plusのリアライト

たまたまタンサイドのタイヤを使っているせいもありますが、ホイールもよく照らされてサイドからの視認性も良いです。

Knog Plus

サイドからの視認性も良好

試しにBlinder Mini Ninerと一緒に点灯させてみました。Blinder Mini Ninerも必要十分な視認性がありますが、やはりKnog Plusのほうがクルマからはよく見えるでしょう。

Knog Blinder Mini NinerとKnog Plus

上段はBlinder Mini Niner 下段がKnog Plus

ちなみにBlinder Miniシリーズはステディモードでの点灯が約1.5時間で、私のフロント用Chippyは最大20ルーメン、リア用Ninerは11ルーメン(Knog Plusはフロント40ルーメン・リア20ルーメン)。ランタイムと光量面でもKnog Plusのほうが少し実力が上です。あと定価ベースではKnog Plusのほうが1000円くらい安いです。

雨天では使っていませんが、一応ウォータープルーフとなっています。

長所が短所になる場合も?

ここまで見るとKnog Plusは良いところだらけです。しかし最大の不安点はやはり「走行中に外れて飛んで行ってしまわないか」ということ。マグネットは初期状態では十分な強さがあり、外す時もホルダー側を押さえないと取れないくらいではあるのですが、MTBでトレイルを走ったら飛んでいってもおかしくない気はします。グラベル走行でも長期的には不安は残ります。

狭山湖

飛ばさないのならこういう道でも問題なさそうではあるが…

上下逆に取り付けず(マグネット側を下にする)、水平よりも垂直で使うならロードバイクでは問題なく使えそうです。

走り方にもよりますが、オフロードでは使わない方が良いかもしれませんね。Amazonのユーザーレビューを見ると、飛んでいって失くなったという方、マグネット部分だけがなくなってしまった、という方もいるようなので、耐久性の評価はまだできません。

クリップ機能にしても、先述したように「積極的にクリップする」ものではなく、単に切れ込みがあって滑り込ませる程度のもので、ストラップ側が薄いと簡単に落ちます。

これらの特徴を踏まえた上で使うのであれば、かなり軽量で明るいライトなので、これが気に入る方も多いと思います。付き合い方次第で評価に差が出るライトでしょう(私は今のところ気に入っています)。特にフォークやチェーンステーで使いたい場合は重宝します。ハンドルやシートポストならBlinder Miniシリーズのほうが使いやすいでしょう。

Knog Blinder Mini

Knogのライトはどれもランタイムが短い傾向ですが、フロントもリアもその分かなり明るいので、そこはトレードオフ。最適な使用シチュエーションはやはり通勤通学、あと「普段は夜走らないけれどサイクリングロードを流していたらつい暗いまで走ってしまった」時などに安心して使えるライトではあると思います。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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