ブレーキ

わずか10秒の華麗なホイール交換で再燃するリム vs. ディスクブレーキ論争

UCIがロード世界選手権(9月19〜26日・ベルギーフランドル地方開催)での一幕を「見事なチームワーク」としてInstagramで紹介しています。リアがパンクしたのはイネオス・グレナディアーズ所属のジャンニ・モスコン(伊)。リムブレーキのPinarello Dogma Fのホイールをメカニックが見事な早業で交換しています。最後に背中を押しているのはイタリア・ナショナルチームのコーチ、ダヴィデ・カッサーニ。

筆者が計測してみたところ、モスコンがリアホイールを手でポーンと落としてから再乗車可能になるまでの時間はちょうど10秒くらいでした。ホイール交換作業に備えてあらかじめギアをアウター・トップに入れておくという準備もありますが、チェーンを素手でアウターリングに引っ掛けたメカニックはクランクを回し「よし行け!」すかさずカッサーニがモスコンの尻を押します。

するとコメント欄にはやはりリムブレーキを称賛する声が。

  • リムブレーキのこれが好きなんだ
  • ノーディスク、ノープロブレム
  • クイックリリース、クイックチェンジ
  • ディスクブレーキなら10倍かかるだろう。レースを棄権していたかもね
  • 君達は自転車パーツのことをまるで宗教のことのように話しているね
  • そして「リム vs.ディスク」のサーガは続く…

リムブレーキにもディスクブレーキにもそれぞれの長所と短所があるのは間違いないですが、ことホイール交換のスピードにおいてはリムブレーキに軍配が上がるのは間違いなさそうです(ディスクだと10倍かかる、というのはさすがに意地悪に思えますけれども!)。

とはいえリムブレーキに固執してきたイネオス・グレナディアーズも下の記事で紹介したように、Pinarello Dogma F Discの採用を初めています。今後ディスクブレーキでも上の動画のような華麗なホイール交換シーンは見られるのでしょうか。

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2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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