シマノのロード用キャリパーブレーキを観察してみます。2019年2月現在、現行製品はDURA-ACE BR-R9100, ULTEGRA BR-R8000, 150 BR-R7000, Tiagra BR-4700, SORA BR-R3000, Claris BR-R2000となっています(下画像はすべてSHIMANO公式サイトから)。これですべて、です。
上の3つ、デュラエースとアルテグラと105は外見的なデザインが共通しています。アーチの中央部あたりに直線的な折れ目が入っています。
一方、下の3つ、ティアグラとソラとクラリスですが、アーチの表面はなめらかな曲面です。上がカッコいい系だとしたら、下はカワイイ系かな。上が男性的、下は女性的と言えなくもない。
これらの現行キャリパーブレーキを眺めていて、クロモリロードに合うハイエンドの製品はなくなってしまったんだ、と思いました。かろうじて105はクラシックな雰囲気のスチールバイクにぎりぎり似合うかもしれません。またR9100やR8000も、たとえばDe Rosa Corumのような現代的なスチールバイクには似合うかもしれません。でも一般的なクロモリロードに似合うかといったら、微妙でしょう。
一方、ティアグラとソラとクラリス。これらは伝統的なスタイルのクロモリロードにもよく似合いそうです。Wレバー台座が付いているような自転車。
下は昨年末にPBKのバーゲンで購入した旧アルテグラのブレーキ、BR-6800です。安いシングルスピード完成車付属のメーカー不明ブレーキを外して、これをつけて使っています。性能的にはやはり全然違います。申し分なし。レバーは安物のままですが十分にコントロールできて、よく効きます。
幸いなことに、これはクロモリフレームによく似合います。このULTEGRA BR-6800は「クロモリに似合う最後のシマノ製ハイエンド・キャリパーブレーキ」であった、と言って良いのではないかと思います。
デュラエースは前世代のBR-7900の頃から既にウルトラモダンな感じのデザインで、もう細目のスチールバイクには合わなくなっていました。BR-7800ならまだ似合っていましたね。
現在でもキャリパーブレーキを使用するクラシカルなスチールバイクの人気・需要はそれなりにあるわけですが、これからはそういう自転車の雰囲気を崩さない、ハイエンドなブレーキを探すのが難しくなってきそうです。ケルビムやFTB QuarqならDURA-ACE BR-R9100でも似合いそうですが、旧車っぽいフレームだとそうもいきません。
カンパはどうなってるんだろう?
これはSuper RecordとRecord。おっなんだろう、やはり現代的ではあるんだけどシマノよりはスチールバイクに合わせやすそうに見えます(画像はすべてCampagnolo公式サイトから)。
左からChorus, Potenza 11, Centaurです。シルバーがあるのはPotenza 11とCentaur。これは助かりますね。
全体的にカンパニョーロのキャリパーブレーキはまだクロモリロードなどには合わせやすそうではあります。とはいえ選択肢は確実に狭まってきている印象を受けます。あとはサードパーティか、ヤフオクかeBayで中古品・新古品を探すしかなさそうです。