今年のツール・ド・フランスで劇的な復活を果たし、サイクルロードレースファンの心を熱くしたマーク・カヴェンディッシュ。彼はあのツールで何を考え走っていたのか… どうやらそれが本になって読めるらしい! 本人がInstagramで紹介しています。
サドル上からあのツールを振り返る
書名は”Tour de Force(ツール・ド・フォルス) – My history-making Tour de France”。Forceは英語同様、「力」という意味。内面の力、という意味も込められているようです。いいタイトルですね!
以下、出版元のペンギンブックスでの紹介文の抄訳です。
出典 Tour de Force – penguin.co.uk
僕はサングラスを外して涙を拭った。「これは僕のキャリア中、最後のレースになるかもしれない…」
心の奥底で、マーク・カヴェンディッシュは自分がもう終わっていると思っていた。病気と敗北、鬱病を経て、かつて世界最速であった男は、多くの人々から見限られていた。36歳にして、彼自身さえあの爆発的なサイクリングキャリアが弱々しくフェードアウトしていくと考えていた。このマンクスマンは2016年以来、イタリアでもスペインでもフランスでも、ただの1度もグランツールで勝利を挙げていなかった。
しかしツール・ド・フランス2021で彼は信じがたい復活劇を果たす。サム・ベネットの負傷後、ドゥクーニンク・クイックステップ・チームに最後の最後で加わり、マークは歴史を書き換えることになった。2011年に初めて袖を通したグリーンジャージを取り戻し、ステージ4勝でついにベルギーのレジェンド、エディ・メルクスのステージ優勝数34に並んだ。サイクリングの偉人達は決して満足しない。カヴの強固な決意と内面の力は、ほとんど誰も期待していなかった記録をもたらした。これは彼自身による、奇跡のツールのサドル上から語られる、あのレースの親密な説明である…
「サドル上から語られるあのレースの親密な説明」とあるので、レース中に考えていたことを振り返るような、臨場感のある内容になっているのでしょうか。これは読みたい!
カヴェンディッシュは8月に英GQ Magazineでインタビューに応えていましたが(下の記事で詳しく紹介しています)、紹介文からすると「Tour de Force」は同じような雰囲気になるのかもしれませんね。
▼ これは本当にいいインタビューでした。未読の方は是非どうぞ
発売日は11月25日。日本語版が出るかどうかは不明ですが(ランス・アームストロングの自伝ほど部数は売れないでしょうから、まず出ないかな… ペーター・サガンの「マイ・ワールド」も4ヶ国語に翻訳されているものの日本語版はありません)、英語版はKindle版も用意されるらしく日本のAmazonでも既に予約可能となっています。320ページもあるので読み応えありそうです。