世のため、人のため、物欲の野望を打ち砕く、nadokazuです。
この日輪の輝きを恐れぬなら、か買ってこい!
長年にわたり輪行自転車の2大巨頭として君臨し続けてきた、「ブロンプトン」と「キャリーミー」。ですが、その牙城を大きく揺るがす1台が、彗星のごとく登場しました。
「DAHON K3」。
とはいえ、すでにブロンプトンを持ってる自分には、関係の無い自転車です。ちーっとも気になんてなりません。
というわけで、本日の駄文はこちら!
輪行して「ゆるポタ(本当)」を楽しみたい!
列車に乗って、いつもの街とは違う場所へ。旅先では自転車の機動力を活かして、徒歩や公共交通機関では回りきれない広範囲を巡りまくり。そこに待っているのは、まだ見たことのない風景。そして、美味しい食べ物との出会いです。
という感じの「本物のゆるポタ」を、楽しみたい! と、心から思います。
その実現のために手に入れた「究極の折り畳み自転車」こそ、ブロンプトン!だと思っていたのですが、胸に手を当てて今までの自分の行動を振り返ると
- 箱根の椿ラインで爆散
- 本栖湖に向かう登坂で爆散
- ヤビツ峠で爆散
- 碓氷峠で爆散
などなど、明らかに己の脚力を鑑みていない、やらかしライドを繰り返しています。へっぽこ脚で坂や峠を通過する、サイクリングという名の自傷行為。そんなのは、もうイヤなのです!【本当】
それにしても、どうしてこんな悲劇が幾度となく繰り返されてしまうのでしょう?
カップヌードルカレー味ができあがる待ち時間で徹底的な検証を行った結果、私は隠された世界の真実に気付いてしまったのです…!
ブロンプトンの走行性能が、惨劇を呼ぶ。
ブロンプトンCHPT3 V2(16インチ/6段変速)は小径折り畳み自転車とはいえ、それなりの走行性能を持っています。
こんな貧脚でも、20km超の登坂を強いられる箱根の椿ラインや、神奈川の定番地獄坂ヤビツ峠や、りんりんロードから迷い込むと吐血必至な不動峠を通過するサイクリングができてしまっているのが、なによりの証左と言えるでしょう。
だがしかし!
「その走行性能にこそ、おそるべき闇の組織の陰謀が隠されているんだよ!」
「な、なんだってー!!」
そうなんです。底辺サイクリストの自分が、坂道に何度も無謀な突撃を繰り返してしまう、その理由。
それはブロンプトンが、「坂もそこそこ走れてしまう性能」を持たされているからです。
だってそうでしょう?「明らかにヤバイルートでも走れそうなら、走りに行ってしまう」というのが、自転車乗りの本能。これは大自然の抗えない力による、もはや必然です。
つまり!
すべての惨劇は、「自転車の走行性能に起因して発生していた」ということ。決して私の学習能力が、絶望的に皆無であることが理由なのではありません。【本当】
そこに気付けば、話は簡単です。
「走行性能への要求は最小限で、あとは輪行時の可搬性にパラメータ全振り」
という自転車を、
「もう一台買えばいい」
ですよね!?(ブラックサイクリスト発想)
そうだ キャリミ 買おう。
世界を覆う、闇の組織による恐るべき陰謀。意識をアップデートした私は、横浜・山下町のオシャレ折り畳み自転車ショップ、グリーンサイクルステーションの前に立っていました。キャリーミーを購入するためです。
キャリミには以前試乗した際、港の見える丘公園に向かう登坂で深い深い「痕 〜きずあと〜」を植え付けられています。
この自転車で登坂ありのサイクリングに出かけてしまおうとは、いくら劣化した自分の脳でも絶対に考えません。これで無謀なライドとは、永久に決別です。
イエローの在庫があることを確認。見積をいただいて嫁様への土下座準備を整えます。ちなみに極小径は通常のポンプだとエアを入れにくいということで、携帯ポンプと延長ホースの購入まで提案をいただいています。GCSさん…さすがや…。
あとは自宅に戻って…というところで、一台の自転車が目にとまりました。「DAHON K3」の試乗車です。
そういえば、こんなのもありましたねー。でもまぁ、自分の手持ち自転車を考えたら、ブロンプトンに思いっきり被ってるし、重さだってキャリミほどでは…。
するっとスルーしようとしたのですが、持ち上げてみると、これが思った以上に全然軽い!え?何これ?何これ!?
帰宅してカタログスペックをよくよく確認してみると、K3の重量は7.8kg。キャリミの約8.6kgより、1kg近く軽いじゃん!!
タイヤサイズはブロンプトンよりさらに小さい14インチで、変速も3段だけ。とはいえ極小径で変速なしのキャリミよりは、全然走れちゃう自転車のはずです。
もしかして、「DAHON K3」って、かなりイイ線行ってるんじゃ??
というわけで、いったん落ちついて「ブロンプトン」「キャリーミー」「DAHON K3」を、あらためて比較検討してみたいと思いました。
以下、ようやく本題です。
ブロンプトンと、キャリーミーと、DAHON K3を比較してみた。
ブロンプトン(CHPT3 V2)
雑にまとめると、こんな感じ(3車種での比較)。
走行性能 | ★★★★★ |
16インチ 6段変速の走り |
輪行しやすさ | ★★★☆☆ |
10kgを超える重さ& キャリミに比べると、 大きなフットプリント |
お値段 | ☆☆☆☆☆ |
明らかに家計の崩壊を 狙ってくるレベル |
ロードバイクに及ぶべくもありませんが、スポーツ自転車としてのミニマムな性能は持っています。自分のようなへっぽこ脚でも、100km走ったり峠越えをできたりします。
それに、新たに発表された外装4速モデルなら、さらに走行性能はマシマシ。ガチ走りさえしないのであれば、ブロンプトンが1台あれば、自転車の楽しみを全方位的にカバーできてしまうでしょう。
しかも、そんな自転車があれよあれよという間に折り畳まれて、16インチホイールのサイズ近くにまでコンパクトになってしまう。
ブロンプトンさん、マジ最高っす…。
そんなブロンプトンですが、既報のとおり外装4段変速のフラッグシップモデルは、国内価格が39万6000円(税込)。さ、さ、さんじゅうきゅうまんろくせんえん??
▼ 参考記事
標準モデルでコレ。ということはCHPT3タイアップの限定モデルになっちゃったりしたら、もう天文学的な数値がプライスタグに記載されちゃうのが必定でしょう。
またたく間に家計を崩壊させる、とんでもないお値段。ブロンプトンを1台買うお金があれば、ロードバイクと折り畳みの2台が普通に揃ってしまう。これは、さすがに限界超えちゃってます。どれだけ新モデルが魅力的でも、躊躇っちゃいますよねぇ…。
とりあえず「いま持ってるブロンプトンを大事にしよう!」と、誓わずにはいられません。
キャリーミー
雑にまとめると、こんな感じ(3車種での比較)。
走行性能 | ★☆☆☆☆ |
極小径&シングル。 これはしゃーないっす |
輪行しやすさ | ★★★★★ |
A4サイズしかない フットプリントの 絶大な威力 |
お値段 | ★★★☆☆ | 10万円コース |
キャリミ、ちっこくてカワイイですよね。そして「フットプリントがA4サイズに収まる」というのは、可搬性として最強レベル。脚の間に挟んでおけちゃうし、それこそ網棚にだって上げられるでしょう。新幹線の予約で車両最後尾の制限は、もう必要ないんです。そう、キャリーミーならね。
そして、こんなキュートすぎる見た目とはうらはらに、かなり普通の感覚で走れるだけの実力を確実に持ち合わせています。
とはいえ、そこはさすがに極小径。普通の自転車とは明らかに別カテゴリに属する乗り物です。段差などの走行注意ポイントが爆発的に増大するのは、もう間違いありません。
10kmの平坦走行だって、剛脚さんでなければツラさMax Heartでしょう(偏見)。そして、登坂は果てしなく地獄!!(経験者談)
わたくし街中のちょっとした斜面でも、キャリミならサクッと脚を付く自信アリアリです。
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DAHON K3
雑にまとめると、こんな感じ(3車種での比較)。
走行性能 | ★★★☆☆ |
14インチ 3段変速の走り |
輪行しやすさ | ★★★★☆ |
フットプリントは ブロンプトン並み。 ただし段違いに軽量 |
お値段 | ★★★☆☆ | 10万円コース |
14インチホイール、3段変速。ホイールサイズと変速段数だけで考えると、「ブロンプトンほどの走行性能は無いけど、キャリミより圧倒的に普通に走れる」と言えるでしょう。キャリミとブロンプトンの、ちょうど中間に位置している1台です。
フレームを横方向に折りたたむ方式で、フットプリントはブロンプトンと大差ない印象。キャリミのコンパクトさには、到底及びません。とはいえ、カタログスペック上は、比較した3台のうち最も軽量です。
輪行において、軽さは最も強力な武器のひとつ。キャリミより明らかに普通な走行性能と、ブロンプトンを凌駕するしれない輪行性能。個人的にはブロンプトンのバッグシステムが転用できるアダプターが発売されているので、買いまくったバッグが無駄にならないのも高ポイントです。
というわけで、今週末はグリーンサイクルステーションさんへ試乗に行くことに決定。ちなみにGCSさんのサイトによると、K3はまだ入荷していない(当時)そうなので、間違いだって「絶対に」起こらないことが確定しています。
DAHON K3、実際に乗ってみた。
試乗して「K3が欲しい!」という気持ちがどれだけ高まったところで、お店に在庫が無ければ買えません。
「どうせ買えないから、いくら欲しいと思っても大丈夫!」
こんなふうに思いながら、ネットサーフィン(死語)していたときのことです。とある通販サイトを閲覧して、電流走る…!
うっ!…頭が…!!
そしてメールボックスを除いてみると、DAHON K3の購入完了通知が届いていました。
…バカなんですか? 死ぬんですか?
試乗もせずに自転車をポチるなんて、いくらなんでもありえません。衝動買いにも、ほどがあるというものです。さすがにこんなのは、初めての経験。
「嘘だ……夢だろ……これ…夢に決まってる……!」
「ところがどっこい……夢じゃありません……! 現実です…! これが現実……!」
Fantastic! Amazing! But this is ノンフィクション!!
新しいドアを開いてしまいました…。
DAHON K3で、多摩湖自転車道に行ってみた。
呆れ果てるほかない、想定外にもほどがある展開。とはいえ、ポチってしまったものは仕方がありません。納車されたK3で、さっそく出かけてみました。
坂が無くて、ゆるく走れる。それなら、行き先は多摩湖自転車道しかないでしょう。もちろん、キツい方のコースには行きませんよ。
▼ 参考記事
多摩湖自転車道に向かうときは、ブロンプトンだと多摩川サイクリングロード経由で是政駅まで行って、西武多摩川線のサイクルトレイン(実証実験中だったのが、正式サービスになって狂喜乱舞)を使って武蔵境まで輪行。というのが、個人的定番です。
▼ 参考記事
なんですが、家を出た直後にこう思いました。
「是政まで自走するの無理」
武蔵中原駅まで走ってサクッと輪行。稲城長沼駅までワープです。
そこから是政駅まで走って、当初計画通りにサイクルトレインを利用しつつ多摩湖自転車道を多摩湖までゆるゆる走行。
あとは行きの経路をそのまま逆にする感じで走って、輪行帰宅しました。
外装変速を採用している、DAHON K3。内装変速のブロンプトン(6速モデル)に比べて、ペダルを回転させる力を吸い取られにくいのではないか、という感じはします。
なんですが「ずっと走り続けよう」とは、なぜか思えなかったんです。ブロンプトンならダラダラ走れる距離なのに、K3だと途中で終了したくなる。
直進安定性とか、路面からの振動の受け方とか、潜在的にブロンプトン比較でイマイチなところの影響を無意識のうちに受けているのかもしれません。
まぁ、先日は沼津で50kmぐらい走ってきたし、単に自分がK3に慣れてなかっただけかもですが。
結論:「輪行ゆるポタ自転車」どれを選ぶ?
ブロンプトンはとんでもなくコンパクトになりますが、持ち上げるときには相当の気合いが必要です。抱えて駅構内を歩いていると、とにかく早く下ろして輪行解除したい!という思いで頭の中が一杯になります。
ブロンプトンとDAHON K3の重量差は、わずか数kg。皮下脂肪だったら、数日の暴飲暴食でアッという間に増やせてしまう程度の差しかありません。
それなのに、運搬感覚の違いはもう圧倒的。輪行時の運搬ストレスが、K3は激烈に低いです。「持ち上げるときの気合い」や「運んでいるときの下ろしたさ」が、もはや異次元。ショルダーベルトすら、不要に思えてしまいます。
DAHON K3は「耐えられない重さ」と「耐えられる重さ」の閾値を、明らかに超えている感じです。
フットプリントを考えると、キャリーミーほどの可搬性はありません。しかし、だからこそ10km〜20kmなら、難なく走れる走行性能が担保されている。ここ、大切ですよね。
というわけで、
輪行する → 走る → 輪行する → 走る というような、輪行/走行を何度も繰り返すようなサイクリングで、いちばん使いたい自転車は「DAHON K3」だと断言できます。
DAHON K3はいいぞ…すごくいいぞ…。
そんなわけで一瞬だけ「もはやブロンプトンはイラナイ子!」と思ったりもしましたが、取っ替え引っ替えして走ってみると、走行感覚の圧倒的な差に愕然とします。やっぱりブロンプトン、いい自転車です。ものすごくいい自転車です…。
ブロンプトンもいいぞ…すごくいいぞ…。
というわけで買いましょう、どっちも!それこそが、自転車乗りのあるべき姿です!!