使いはじめて今年で3シーズン目となる「Yobenki アウトドアグローブ」。2年前に軽くご紹介したのですが、厳冬期の冬用グローブとしての使用感をあらためて書いてみます。結論を最初に書くと、防寒性だけを見れば0℃以下・強風下でもOK。しかし使用シーンはやや限定されます。
グローブだけどほぼミトン
ミトンに切れ込みを入れて指を独立させただけのグローブ、を想像していただければ間違いないです。指を動かせるミトンであり、指を動かしにくいグローブ、とも言えます。暖かさだけ見れば厳冬期でも使えると言って良いものです。内側は裏起毛でパーム側は人工皮革。表側素材は不明ですがネオプレンではないので、極端に蒸れることもありません(10℃以下なら)。
カフガードも長く厚く、しっかりしています。品質も良し。人差し指は一応タッチパネル対応ですが、生地が分厚くモコモコ系なので感度も合格点とは言えず、オマケ機能と考えたほうが良いでしょう。後述しますが細かい操作には不向き。撥水加工ありですが防水性はなしとのことなので、本格的な雨天対応ではありませんが、少々の雪なら大丈夫でしょう。
ヒルクラには不向きも平地サイクリングロードなら快適
平地であれば冬の冷たい北風に叩かれ続けても無問題な防寒性はあります。標高1000m付近、マイナス3℃くらいの長い峠道で走り続けていても、手や指先の冷たさを感じることはありません(インナーグローブなし)。モーターサイクルの速度域なら寒くなるかもしれませんが、自転車なら十分以上でしょう。スノースポーツにも良いと思います。
しかし、そこに至るまでのヒルクライムでは厳しいものがあります。登りはじめると外気温に関わらずすぐに暑くなりすぎて外してしまい、下りでは当然冷えるのではめなおし。いくつもの峠を超えていくと頻繁に着脱、となり、高強度サイクリングには向きません(サイクリング専用品ではないので保温性と通気性の両立を求めるのは無理は話ではあります)。
このシチュエーションなら最近ご紹介したSanticの冬用グローブのほうがずっと良いなぁ、と思いながら先日冬山を走っていたのですが、とはいえ早朝と夕方ではこのYobenkiアウトドアグローブの保温性がなければ辛かったのは間違いなし。霜の積もる日当たりの悪い長い峠道では活躍してくれました。
暖かすぎる以外の欠点としては、自転車専用品ではないということもあり、モコモコしているのでレバーやシフターの操作がお世辞にも快適とは言えないところ。超不便でもないのですが、気分を上げてスポーティーに走るのには向きません。
超冷えるけどのんびりサイクリングに行きたい…という場合は十分にアリ。ヒルクラには不向き。冬の荒川・江戸川サイクリングロードで流すような乗り方なら活躍。という感じです。
厳冬期にガチ乗りするなら下ハンの握れる現行型の「バーミッツ」とモコモコしていない秋冬用グローブ(それこそ先述のSanticなど)と組み合わせたほうがハンドルまわりの操作感はスポイルされないでしょう。バーミッツは素手で夏用グローブと併用している方もいるくらいです。
サイコンのボタン類やミラーレスカメラのダイヤルなどは辛うじて押せる程度の操作性はあります。シャッターボタンもストレスなく押せます。が、ブレーキレバー・シフターも含めてダイレクトな操作感は失われます。グローブの形をしたミトンですから、そこは諦めたほうが良いでしょう。
両方のグローブをフックで留められるのでバックパックに吊るしたり、休憩時にハンドルにひっかけておけるのは便利。サイクリング以外にハイキングでも使っています。ロング・スロー・ディスタンス的なライドには良いと思います。自転車通勤にも良いでしょう。
サイズ選びは注意が必要。私は2年前に最初Mを購入して大きすぎたので、Sを買い直したのですが、それでもまだ少し大きい、という感じでした。結局それを使い続けていますが、現行バージョンではさらに大きくなったという声も見られます。
いずれにしてもワンサイズ小さめを選び、試着後に本購入するかどうか決めるのが良いでしょう。あとロゴデザインも最新版は変更されています。
価格は筆者購入当時と変わらず1980円。この値段なら安いと思います。