nadokazuなのです。どうか、よろしくお願いいたします。
自動車、鉄道、飛行機、そして艦船。
自転車を乗せることができる交通機関は、いろいろあるのです。そんな中で「非日常性」と普段のサイクリングでも使えるだけの「手軽さ」を両立させているのって、実は「艦船」がダントツなんじゃないかと思うのです。
というわけで、駄文の本気を見るのです!
サイクリングに「プチ船旅」をプラス、なのです!
飛行機は、手軽さに欠けるのです。
「非日常」という視点だけなら、そりゃもう飛行機の圧勝であることに、異論を唱える方はいらっしゃらないでしょう。陸を走るでもなく、水に浮かぶでもなく「空を飛ぶ」というのは人類にとって、あまりにも稀有な体験です(主語を大きくして、中身の薄い話を誤魔化す手法)。
わたくし乗機前には心療内科で処方をもらうほど本格的な高所恐怖症ですが、それでも飛行機の旅が大好きです。人生における、トップクラスの特別な時間だと思っています。
だがしかし!
それだけに「普段のサイクリング」で、飛行機は一切使いどころがありません。「手軽さ」は、
「ゼロだったんだよ!」
…というどころか、絶対零度の領域に突っ込むレベルでマイナスでしょう。
車や電車は、普通なのです。
自家用車やバス、そして鉄道を使って自転車と移動するのだって普通に「非日常」ではあります。
とはいえ、どちらも普段から当たり前に使っている乗り物。「ワクワク感」があっても「特別感」となると、どうしても希薄になってしまいます。
寝台特急などの例外もありますが、そうなるともう「普段のサイクリング」からは逸脱しちゃいますよね。
手軽な非日常。それこそが、「船旅」なのです!
普段のサイクリングに取り入れられる「手軽さ」があって、しかも「非日常性」が高い。それを両立する交通手段となると、やっぱり「船」のひとり勝ちでしょう。
短距離航路であれば「フラッと行って乗船」だって普通にできて、利用の敷居は低さは鉄道と同等クラス。それでいて、たとえ5分の渡し船であっても、到着するのは「向こう側」です。陸路での連続性がある移動とは一線を画す、「ワープ感」が味わえます。
普段づかいできて、しかも特別感がある。そんな交通機関こそ「船」なのだ!と、断言してもいい…ですよね?
そりゃあ尾道やしまなみの島々にお住まいの方々には、船が日常の交通手段だったりされるのでしょう。ですが、そこは心に高い高い棚を作っておくことにします!
というわけで、結論を申し上げます。
普段のサイクリングに、短時間の「プチ船旅」をプラスすると、手軽に楽しさ爆増!
以上なのです!
今週末のサイクリングで使いたい、お手軽航路3選(東京近郊編)
大洗から苫小牧、横須賀から北九州、新潟から小樽…。長距離フェリーでの旅はロマンの塊ですが、さすがに普段のサイクリングでは使えません。
乗船時間が1時間を超えない程度で、日帰りサイクリングでも使える「プチ船旅」の航路を、個人の経験だけで雑にまとめました。
浦賀の渡し(神奈川県横須賀市)
神奈川県横須賀市、東浦賀と西浦賀を結ぶ渡し船です。港をぐるっと回って約2.3km走らなければならないところを、サクッとショートカットしてくれます。
▼どこで乗る?
どちらの乗船場も京急線の浦賀駅が最寄りになりますが、駅からは同じぐらいの距離なので、浦賀駅出発だと利用する意味が無いかも。
●東渡船場
●西渡船場
▼どう使う?
横須賀~観音崎~浦賀(逆からだと葉山~三崎~久里浜~浦賀)と回ってきて、浦賀駅前を通らずにショートカットする用途での使用になります。
2km程度の短縮ができますが、そっちは割とどうでもいいんです。大きいのはサドルから降りて波に揺られていると、緊張状態にあった心身の超絶なリラックスが可能なこと。三浦半島一周サイクリングの中盤で、貴重な回復時間を確保できます。
乗船時間は5分程度。自転車は専用のラックを使って立てかけた上で、備え付けのロープで固定します(「ハンドルを手すりに引っかければ、ロープ使わなくてもいいよー」と、言われたこともありました)。
運行時間内(7時~17時)は、常時往復しています。船が対岸側の乗り場にいても、呼び出しブザーを鳴らせば来てくれるので乗船までは数分程度。ただし、ひとつだけ注意点があって、それは12時~13時に「昼休み」の時間があること。乗り場に到着したタイミングが悪かったときは、素直にあきらめましょう。
運賃は大人200円、自転車50円の合わせて250円(税込)。その場で現金払いになるので、ご利用の際は小銭のご用意をお忘れなく!
あと、浦賀の渡しTwitterアカウントで運航情報をチェックしておくことを、激しくおすすめします。こんなこともありますからね!
水上バス お台場ライン(東京都港区)
お台場海浜公園と、日の出桟橋を結ぶ航路です。お台場から対岸へはレインボーブリッジでも渡れますが、自転車は押し歩きを強いられます。一般道を使うと、9km程度の迂回。そんなところを、ばっさりショートカット可能です。お台場に行くときも、お台場から帰るときも、便利に使えるでしょう。
▼どこで乗る?
お台場側は自由の女神像がある、お台場海浜公園に乗船場があります。対岸の日の出桟橋は伊豆大島などに向かう便が出港する竹芝桟橋から、ゆりかもめで一駅離れたところです。
●お台場海浜公園水上バス乗り場
●日の出桟橋
▼どう使う?
「門前仲町あたりを出発して、お台場の見どころをあれこれ見て回るサイクリング」を想定してみましょう。
門前仲町をスタートしたら、タイガー餃子が角にある交差点を曲がって、巴橋方面へ。豊洲のららぽーと脇や豊洲市場、豊洲公園を経由しつつお台場に向かいます。お台場に到着したら、レインボー公園やダイバーシティ東京をはじめ、そこいら中にある見どころを観光。自転車で回ると、もう捗りまくりです。
こんな感じでお台場を楽しんだら、問題はそのあと。まだ脚には余力があるので、神田の老舗和菓子屋さんでお菓子を買ったり神田明神にお参りしたり、さらに竹下通りや穏田神社にも立ち寄ってから帰宅したい!…と、思いますよね? 思いますよね!!
とはいえ、ご存知の通りお台場は陸の孤島。そこで、この水上バスです。
「日中の時間帯に運航されるのは、土日・祝日だけ。その他の日は、16時台に1本しかなくて自転車が乗せられるかも不明」とか「その1本も運休日があるから平日の利用はほぼあきらめ」など、地雷ポイントはいろいろ。
なんですが、対岸まで座って行けちゃう&自転車を分解/収納せずに船内に持ち込みOK!という利便性は、捨てがたいものがあります。
自転車持ち込みに必要な追加料金は子供料金と同額で、特別な手続きも不要。窓口の方によると「慣れてる方は、何も言わずに自動販売機で大人ひとり分と子供ひとり分の2枚を買って乗船されてますよ」とのこと。
乗船時間は20分程度。料金は大人520円で、自転車は260円。自動券売機は電子マネーにも対応しているので、スマホがあれば乗船可能です。
自転車は船内の指定位置に置いて、ロープで固定する形になります。
いつも見ている都心部やレインボーブリッジが、いつもとは違う視点で見られるのは新鮮そのもの。楽しいクルーズの時間が過ごせます。
時刻表や料金はこちらで確認を。
参考 東京クルーズ(公式サイト) 運航案内:日の出桟橋~お台場
東京湾フェリー(神奈川県横須賀市~千葉県富津市)
神奈川の久里浜港から、千葉の金谷港まで。陸路だと東京湾をぐるっと170km走らないといけないところを、40分間寝ているだけでショートカットできてしまう神の交通機関。それが、この東京湾フェリーです。
すぐ近くにあるけど、異世界レベルで遠い場所「房総半島」。そんな場所が、この航路のおかげで日帰り圏内になってくれる。こういっても、過言ではありません。たぶん。
▼どこで乗る?
東京/横浜方面からは三浦半島の東部にある、久里浜港で乗船します。最寄り駅は久里浜(JR)または、京急久里浜(京急)。都心からでも60~70kmなので、ロードバイクならじゅうぶん自走圏内です。
●久里浜港
●金谷港
▼どう使う?
横浜住みの自分は「久里浜港から乗船して房総半島サイクリング」という使い方が主ですが、稀に東京湾を時計回りに一周して金谷から乗船したりもします(そういえば、湾イチずいぶん走ってないなぁ…※走るとは言ってない)。
1時間に1本ペースの運航なので、ダイヤの事前チェックは必須です。余裕を持った時間に到着できるよう、走行スケジュールを調整しましょう。
ただし!
個人的な経験を申し上げると、いくら乗船時間を調べたところで「走行中に力尽きて、予定の時間に乗り場まで到着できない!」という事態が発生しています。ええ、もちろん一度や二度ではありませんよ…(号泣)。
今では「1時間待ちはデフォルト」という、悟りの境地に至っております。
乗り場に行って乗船券を購入したら、指定の場所に自転車を停めて待ちます。乗船案内の放送があったら、係の方の指示に従って乗船して誘導された場所に自転車を置くだけ。あとは船室に上がって、快適すぎる船旅を楽しみましょう。
船内にはビンディングシューズを履いたロード乗り向けに、スリッパが常備されています。実際に使うことがなかったとしても、この気配りが嬉しいなぁ。
そうそう、自転車マンガの帝「ろんぐらいだぁす!」のキャラクターパネルもあるので、ファンの方は記念写真をお忘れなく。通常時は「かなや丸」「しらはま丸」の2隻が運航中で、パネルのキャラクターが異なります。
乗船時間は40分程度。乗船券+自転車持ち込みで、片道1,400円になります。輪行状態にパッキングしてあれば、乗船券(片道800円)のみでOKとのこと。とはいえ、乗り場から船内まで自転車を担いで移動することになるし、収納/解除に時間と手間がかかりまくりです。ここは、素直に自転車料金を出しておくのが得策かと。
運行状況や時刻表は、こちらで確認を。
自転車と、船に乗る。おすすめなのです!
船での移動が加わるだけで、「いつものサイクリング」が「特別なサイクリング」になる。しかもそれは、驚くほど手軽です。
ご紹介した3つの航路以外にも、「プチ船旅」のポイントは雑にググっただけでいくつもヒットしてきます(一応、自転車OKそうなところをピックアップはしたつもりです)。
▼ 参考記事
もちろん博識で親切なCBN読者の皆さまは、土下座でお願いしなくてもTwitterでイイ感じのプチ船旅ポイントを教えてくれますよね?(チラッ チラッ)
本稿ご覧の皆さまも次のサイクリングには「プチ船旅」を、ぜひ組み込んでみてください、なのです!