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Wahoo KICKR Smart Trainer V6 (2022)が登場:WiFiとERG Easy Rampを搭載

WahooがKICKR Smart Trainer V6 (2022) を発表しました。DC Rainmakerが使用感を公開しています。同時に発表されたKICKR Bike V2についても同氏は今後レビュー予定とのことです。

Wahoo KICKR 2018

Wahoo KICKR (2018) – photo by nadokazu

出典 Wahoo KICKR Smart Trainer V6 (2022) In-Depth Review | DC Rainmaker

接続性とERGモードの使い勝手を改善

以下、抄訳による要約です。

  • Wahooは今日、KICKR V6とKICKR Bike V2を発表した
  • KICKR V6は慎ましやかなアップグレードではあるが、接続性とERGモードという2つの領域で使いやすさを向上させている
  • かつて通信エラーはイーサネットケーブルによるDicect Connectオプションの使用で解決できたが、ケーブルを長く這わせる必要があり、現実的でないこともあった。これはWiFi(2.4GHz)の追加で解決された
  • WiFiはDirect Connectと全く同じプロトコルであるため、Zwift・TrainerRoad・FulGaz等のプラットフォームでも既に対応している
  • 新しいERG Easy Rampは、例えばインターフォンで宅急便の人に対応する時のように10秒以上止ってしまった場合、自動的にターゲットパワーに戻してくれる機能。この夏にEliteが導入した機能と同様のものだ
  • 価格は$100上がり、$1,299となった
  • リセールの際に便利なオドメーター・使用統計が追加された
  • ほぼ唯一とも言える残念な点は、KICKR Bikeのような電磁気デザインに移行しなかったことだ。TacxはこれをNEOで10年近くやっている。電磁気ドライブシステムはより速く反応できるだけでなく、フライホイールを前方に駆動することでダウンヒルのシミュレートも良く、パヴェやグラベルといった路面状況も再現できる
  • また過去12ヶ月間で多くのトレーナーが値下がりしているのに対し、KICKRが値上げされたことは残念ではある。しかし他社の値下がりは在庫過剰のためであり、KICKRの値上がりはコストの上昇とインフレが原因だ
  • WiFiのおかげで電波干渉は最小限になり、ファームウェアが常に最新の状態に保たれるのも良い
  • Wahoo KICKRとTacx NEOのどちらが良いか、というよくある質問について言えば、これはほとんど政治的な嗜好のようなものだ。しかしWahooにWiFiが追加されたこと、TacxにはいまだマルチチャンネルBluetoothやKICKR Climbのような傾斜シミュレーターもないことを考えると、Tacx NEOは更新の必要に迫られているように思う
  • 一方でEliteの新型JustoはERGイージースタート機能を備え、(KICKR CLIMBのような)斜度シミュレーターのRISERも用意されていることから、トップエンドの製品を検討する場合は間違いなく考慮に入れなければならないだろう

WiFiやERG Easy Rampの追加は「あったら便利」という感じで、既存のKICKRユーザーは特に買い替えを検討する必要はなさそうですね。また、価格は$100上がったと言っても記事で言われているように物価高の影響が大きいでしょうから、事実上は据え置きという感じでしょうか。

先日、Zwiftが$499の「Zwift Hub」を発表したことをお伝えしました。Wahoo KICKRもこのように値下げすべきなのに、というユーザーの声が元記事のコメント欄では見られますが、Zwift Hubはパワー精度が同社によるeSports基準を満たしていません。

今後は競技志向の方向けの高価なハイエンド・トレーナーと、安価なエントリー製品に二極化していきそうな気もします。Zwiftもレースで使える精度+/- 2%以内のハイエンドモデルを将来的に投入してくるのは間違いないでしょう。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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